平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

鹿男あをによし 第7話

2008年02月29日 | その他ドラマ
★イトの正体

 堀田イト(多部未華子)は鹿の使い番だった。
 
 このひとつの事実が明らかになることによって今までモヤモヤしていたものがスッキリする。
 マイ鹿。大和杯でがんばった理由。
 「ひどい顔だぞ」と言われて泣いた理由。
 この絡まっていた糸が解けてスッキリするというのはドラマのカタルシス。

 同時にこれは小川孝信(玉木 宏)とイトが心通わせた瞬間でもあった。
 小川は言う。
 「諦めずに最後まで戦う!」
 イトも仲間に。
 人物と人物が心通わせ連帯するというのは、同じくドラマのカタルシス。

 さて、イトが鹿の使い番とすると
 長岡美栄(柴本 幸)がキツネの使い番?
 小治田史明(児玉 清)がネズミの使い番?
 当たり前すぎる。もうひとひねりある気もするが。
 福原重久(佐々木蔵之介)はイトにアドバイスを与えたし、鹿が「鎮めの儀式を行うように命じた存在がある」と言ったのも気になる。

★小川先生ってどんな人ですか?
 こうイトは藤原道子(綾瀬はるか)に聞く。
 道子は
 「すごく後ろ向きな人。すぐヘコたれるし昔のことでグズグズ。でも変な所でプライドが高くてマドンナが自分のことを好きだと勘違い。馬鹿男。でもすごくいい人よ」
 道子は天然のボケキャラだが、時として鋭い分析をする。
 実はすごく理解力があるのだ。(喋れる鹿がどの鹿かも分かったし)

 今回の小川で印象に残ったのは、学校を辞めたいというイトに食事をしながらいろいろ聞いたこと。
 「いじめられてるのか?」「わかった、恋だ」「両親とうまく言っていないのか?」
 イトに無視され、道子にたしなめられても聞いてくる。
 無器用ながらもイトに対して一生懸命。
 こういうふうに他人と向き合える人って素晴らしい。
 道子が「いい人」と言った理由もうなずける。
 「後ろ向き」が治れば、結構モテるだろう。
 もっとも自分の欠点が分かっていても抜け出せないのが人間なのだが。
 
★不安
 小川は不安な存在でもある。
 イトはなぜ泣いたのか? 長岡先生はキツネなのか?
 まわりのことが理解できていないと人は不安になる。
 今回、イトのことが理解されて、イトに対して不安はなくなった。
 まわりのことが理解できないこと。これが不安の本質である。
 また主人公が不安定な状況にいる時、見る者は感情移入する。

※今回の綾瀬はるか
 サウナ(ヘルスセンター)にイトがいるのではないかと思ってサウナのカウンターで
 「今日は針じゃありませんから」

 道子はサウナで日常的に針治療をしていた!中年のオヤジの様に。
 道子の日常が垣間見えるせりふ。

 オヤジは今回のキイワードの様で、小川は同僚の教師(酒井敏也)に「俺たちはオヤジで女子高生の気持ちなどわかりませんから」と言われたことを結構気にしていた・笑。
 イトがサウナにいたと知った小川の得意そうな顔も忘れられない。
 小川かわいい! 

 訂正(3/1)
 「今日は針じゃありませんから」→
 「今日は入りに来たんじゃありませんから」
 すみません。


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警官嫌い エド・マクベイン

2008年02月28日 | 小説
 エド・マクベインの87分署シリーズ。

 この作品は舞台となる街もひとつのキャラクターになっている。
 第1作「警官嫌い」の冒頭ではこんな描写が。

「北辺を流れる河からは、市は空にそびえる巨大な屋根の輪郭しか見えない。見上げるものは、何か畏怖に似たものを覚え、ときにはあまりの壮麗さに息を呑むくらいである」

 87分署の管轄する地区はビル群なのである。
 その屋根の輪郭は
「雑然とした矩形と針の様に尖った屋根、尖塔、避雷針。紺青と城のぼかしの大空に、あらゆる形が幾何学的調和を持っている」

 街の光についても描写がある。
「行きかう車は巨大な目玉を輝かせ、大通りに沿って輝く白熱の光が目の痛くなるような光の洪水と色彩の氾濫に絡み合っている。市はきらめく宝石ケースのようだ。そそり立つビルは舞台のセット。」

 少し気取った翻訳文体だが、ブロードウェイミュージカルの舞台の様な華麗なイメージを読む者に与える。
 しかし、マクベインはこうも描写する。

「だが、そのビルの背後、輝く明かりのかげには街がある。街にはごみもあるのだ」

 都市の背後にある影=犯罪をにおわせる描写。
 ちょっと目を凝らして見れば、街には人が住んでいて生活の営みがある。人の営みには愛憎、犯罪もある。
 警察小説の導入としては申し分ない描写だ。

 犯罪都市の描写は次の様にも描かれる。

「この地区は、どう考えても、刑事が百十六人いても手不足は解消しないといってよいくらいの地区だった。リヴァー・ハイウェイや、いまでもドアマンやエレベータ・ボーイたちの自慢の種になっているその一帯の高層建築から南にのびて、食料品店や映画館のあるステム大通り、さらにカルヴァ街やアイルランド人の集まっている住宅街に伸びて、さらにその南、プエルトリコ人の住む一画からクローヴァー公園にまで拡がっているのだった。この公園がまた、追い剥ぎや痴漢の横行する舞台なのだった。東西に伸びる三十五本もの通りを管轄しているのだ。しかも、南北に公園から河まで、東西に三十五の町筋をもつこの地区には、九万人の住人がいるのだった」

 前の描写が上から見下ろす俯瞰描写だったのに対し、この描写はかなり地面に近づいている。
 公園や映画館、アイルランド人、プエルトリコ人の姿、そして三十五本の通りがイメージされる。追い剥ぎや痴漢の姿も。

 事件が進むに連れて街の描写はますます地面に近くなる。

「淫売通りは南北に三区画の通りだった」

 きらめくネオンと摩天楼からいかがわしい通りへ。
 様々な街の顔を見せて、マクベインは読者をぐいぐい作品世界に引き込んでいく。  


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ハチミツとクローバー 第8回

2008年02月27日 | 学園・青春ドラマ
 やっと主人公が動き始めた。
 8回目にして。

 前回(第7回)、竹本祐太(生田斗真)が得た認識はこう。
 「好きなことをどれも決められない。どれにもなれそうもない」
 「結果を怖がって、じっと見ているだけで踏み出すことをしなかった」
 視聴者には、祐太がそういう人だってことはとっくにわかっているんだから気づくのが遅過ぎ!
 もっともそんな自分探しをする時期が青春でもあるのだが。

 さて祐太は旅に出る。
 ママチャリに乗って目標の場所も決めずに、ただ前に進んで。

 自転車を漕いで祐太が考えていることは、(成海璃子)たちに対する劣等感。
 目的を持ってたどり着けなくて苦しんでいる者と目的がなくて苦しんでいる者。

 旅の途中で宮大工の一行に出会い、世話になる。
 手先が器用な祐太はノミを使って木を彫るのに楽しみを見出す。
 宮大工の仲間からは食事の腕を買われ重宝される。
 祐太、自分発見か?
 しかし頭領が見れば、祐太の手彫りなどシロウトの技。
 宮大工仲間に必要とされて、心地よい場所に安住しているだけ。
 自分を発見なんてまだまだ。

 この描写はクールでいい。
 普通の作劇だったら、ついに自分を見出したと祐太が言って話を締めたい所。
 簡単に自分探しが達成されてしまったら、今での時間は何だったんだということになってしまう。

 しかし、祐太は確実に成長している様だ。
 宮大工たちの中にいる自分を「心地いいから安住しているだけ」とちゃんと理解している。
 それではダメだと思って旅立つことが出来る。
 祐太、魅力的なキャラになって来たぞ!

 ラストの祐太の認識はこう。
 「目的地がないことが怖くなくなった。旅の果てに何もなくても大丈夫。ともかく前に進もうと思った」
 以前は目的地を探してもがいているだけだったが、今は前に進んで見えてくる景色を楽しもうという気持ちになっている。
 今回、見えてきた景色は宮大工たちとのふれあい。
 祐太は少し強くなった。
 旅は若者を大人にする。

 現にはぐみは祐太の手紙に元気づけられた。
 四つ葉のクローバー付きの手紙。
 はぐみの描いた四つ葉のクローバーの絵を見て、実際の四つ葉のクローバーを見つけようと思えるのは祐太じゃなくては出来ないこと。
 森田 忍(成宮寛貴)じゃ絶対やらない。
 これが祐太なのだ。
 本人は気づいていないが、はぐみのためにクローバー付きの手紙を送れることが祐太なのだ。

 さあ面白くなってきました。


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羊たちの沈黙

2008年02月26日 | 洋画
 CSで久しぶりに見た「羊たちの沈黙」

★ハンニバル・レクター(アンソニー・ホプキンス)のキャラの立て方がいい。
 
 レクターに会いに来るFBIアカデミーの訓練生クラリス(ジョディ・フォスター)。
 事前にレクターがどんな人物か聞かされる。
 9人も殺した食人嗜好の天才精神科医。
 ここで観客は様々な想像をめぐらす。
 レクターが隔離されている精神病院の地下室に来るクラリス。
 レクターは一番奥にいるという。
 通路の左側は牢で、レクターの他にも危険な犯罪者がいるから右側を歩けと忠告される。
 通路を歩くクラリス。
 他の囚人から浴びせられる卑わいな言葉。
 ここでもまだレクターの姿をもったいつけて見せない。
 レクターが通路の一番奥にいるというのがポイント。
 いやがおうにも観客の恐怖と好奇心は広がる。

 そして出会うレクターに出会うクラリス。
 レクターは凶悪な顔をした人物でなく、穏やかなインテリ。
 この裏切り方。
 だが徐々に恐怖が広がってくる。
 クラリスが使っている香水の銘柄などを嗅ぎわける。
 観察してクラリスの私生活を言い当てる。
 卓越した分析能力と狂気に似た執着。
 クラリスをハダカにする様な。

 後日、クラリスは聞かされる。
 クラリスに卑わいな言葉を投げかけた囚人がレクターにより自殺したと。
 心理分析に長けたレクターは巧みに言葉を浴びせて囚人を自殺に追いやったのだ。

 この一連のやりとりだけでレクターがどんなに怖ろしい人物かわかる。
 見事なキャラクター描写だ。

 それは中盤、具体的な行動でも描かれる。
 レクターの脱走。
 手に忍ばせていた金属の棒で手錠を外し、警官ふたりに襲いかかる。
 ひとりの警官には手錠をかけ、もうひとりには噛みつく。
 そして警官を殺すと、美術品を作るかの様にシーツを使って天井から宙づりにする。
 警官の顔の皮を剥ぐ(→これは脱走のための伏線)。
 前半は言葉のやりとりだけの『静』だが、今回はアクション、『動』だ。
 このメリハリのある見せ方。

 こういう人物造型がなされているから、レクターはホラーサスペンスの代表的なキャラクターになったのだろう。
 決して関わりたくない人物だが。

※追記
 拘束服で運ばれるレクター。顔にも。
 拘束されることは人間の潜在的恐怖。
 拘束服、拘束具は恐怖を増幅するアイテムだ。


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篤姫 第8回「お姫様教育」

2008年02月25日 | 大河ドラマ・時代劇
 第8回「お姫様教育」

★於一VS奥女中

 調所広郷、島津斉彬らと相まみえてきた於一(宮崎あおい)。
 今回の対決は、老女・広川(板谷由夏)をはじめとする奥女中たち。

 序盤は於一、苦戦。
 分家の娘と侮られ、ホームシックも手伝って『ふさぎの虫』。
 庭には出られず、「ありがとう」「○○様」という言葉も使ってはいけないらしい。
 やることと言えば、すごろくと貝合わせ。
 お手水にも女中がついて来る。始終、人の目の中にあって休まることがない。
 シンデレラはお姫様に憧れたけど、セレブな生活とはこの様なもの。

 中盤。
 香道の指南で小松のお近(ともさかりえ)を呼んで、於一は元気に。
 尚五郎(瑛太)や大久保正助(原田泰造)の近況を聞く。(尚五郎は『心許せる友』らしい)
 「気落ちしていたら渡してくれ」と言づかった母からの手紙。~今和泉ふうを忘れなさい。
 母の手紙には菊本(佐々木澄江)の遺書も。~どこへ行こうとどの様な人と相まみえましょうと、前へ前へと進んで下さい。それが姫様らしさです。
 人を救うのは、人と人の言葉。
 於一は復活。
 「こんな姫様、初めてじゃ」という広川に

 「この私を誰と心得る!当主・島津斉彬の娘なるぞ!」

 「ははぁ」→水戸黄門!
 ここで視聴者は爽快な気分に。物語の王道は大河ドラマであっても同じ。
 こうして奥女中を倒した於一だが、新たな難敵が……。

 近衛家の幾島(松坂慶子)。
 島津の姫として開眼した於一にひと言。
 「地下のなまりが残っておられますな。ご指南いたしますのでご安心なさりますよう」

 次回は於一VS幾島の様だ。 
 幾島は諸芸百般に通じる強者。
 そして於一に新しい世界を見せ、大きく変えてくれる人らしい。
 母や菊本の様な存在になるらしい。

 人は人を救う。
 同時に人は人を成長させる。

 こういう様々な人との出会いの中で生きていける於一の人生は面白く素晴らしい。
 こうした人と出会えるのも彼女の器量が優れているからであろう。

 そして『徳川将軍との婚姻』という斉彬の準備は着々と進んでいる様だ。

※追記
 この作品、世の女性の『お姫様願望』を満たしてくれる作品でもある。


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エジソンの母 第7話

2008年02月23日 | その他ドラマ
 今回は残酷でない「赤ずきんちゃん」

★うまいシナリオですね。
・残酷でない赤ずきんちゃん
・変質者と壊れてしまった防犯ブザー
・人の気持ちを一生懸命考えて、みんなの役に立つ人になりなさいという母・あおい(坂井真紀)の思い
・秋田の学校を追われ、父親がいなくなった賢人の寂しさ。今の学校が大好きでみんなの役に立ちたいという思い
・規子(伊東美咲)の教師としての成長

 1時間に散りばめられているこれらの素材が最後に全部結びつく。

 赤ずきんちゃんの人食いオオカミのジレンマ→防犯ブザーの仕掛け→賢人(清水優哉)の玲実(村中暖奈)の役に立ちたいという思い→賢人の防犯ブザーをいらないという玲実の母・美月(杉田かおる)→賢人の気持ちを察して自分がほしいという規子。

 オオカミのジレンマがここまでドラマを作るとは!
 ドラマの面白さは限られた時間の中でどれだけ要素を盛り込めるかということだけど、今回の要素は一見どれもバラバラ。様々な変化球。だが最後で見事にまとまった。
 まさにプロの技。

★科学者にとって必要なこと
 あおいは賢人に言う。
「賢人が楽しいのはみんなが賢人を大事に思ってくれているから。だから賢人もみんなを大事にしなさい。みんなが何を考えているか一生懸命考えなさい。そうしなくちゃみんなを幸せにするマシーンなんて作れないぞ」

 例えば科学者が「核」を発見しても、あおいの様な考えがなければ「核爆弾」になってしまう。
 あおいの言ったことは根本で押さえておかなくてはならないこと。
 これは科学者だけでなく、政治家、企業家、そして私たち共通に大切なことでもある。

★第三者の女性客
 規子と美浦(谷原章介)のカフェでの討論。
 ひとりの天才のために他を犠牲にするか?天才を犠牲にして他を活かすか?
 それを隣にいる女性客が聞いている。
「ふたりは恋人かしら」「恋人じゃないようね」「何かすごい議論」
 これらの会話を受けて美浦は彼女たちにも語りかけたりする。
 
 こういった第三者の視点を置くことは手法として面白い。
 視聴者は規子たちのやりとりを距離のある視点でとらえることが出来る。
 ドラマの味を豊かにする隠し味だ。
 
※追記
 美浦はあおいに和歌で気持ちを伝える。
 これが美浦のキャラ。
 そう言えば、あおいの返事はどうだったのだろう?

※追記
 規子はあおいに頼りにされていると美浦に言われる。
 人に頼りにされる、必要とされるって嬉しいことだ。


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鹿男あをによし 第6話

2008年02月22日 | その他ドラマ
 キツネの使い番とは誰か?
 ネズミの使い番は?
 目とは?

★謎を解く楽しみ

 ドラマを見る楽しみとして『謎を解く』というのがある。
 それは結構ぜいたくな遊び。

 作者によって提示された材料は次の様なもの。
・キツネの使い番は女。
・懇親会の料亭で会う前に出会っている。
・京都で目を渡すことになっていた。
 目に関しては
・小治田史明(児玉 清)が料亭から布に包んで持ち帰った物。
・飛鳥の銅鏡。
・重さんの陶器。
 キツネ、ネズミの使い番の候補者として怪しいのは
・堀田イト(多部未華子)、長岡美栄(柴本 幸)、福原重久(佐々木蔵之介)、小治田。今回の話で長岡先生のキツネはなさそうだが。
 その他の要素としては
・「富士山は絶対に爆発しません」と言った長岡の言葉。
・イトの涙。

 さて、ここでシャーロック・ホームズになって推理。

 ネズミの使い番だが、長岡先生ではないか?
 キツネと思わせたのは作者のミスリード。
 料亭でネズミの長岡は『目』をすり替えて、八ッ橋を与えた。
 「キツネ女」と小川孝信(玉木 宏)に言われて怒ったのは、自分がネズミだったから。
 小治田教頭のネズミ説も有力だが、これも作者のミスリード。
 小治田は単なる考古学おたくで、小川につきまとって『目』を探しているだけ。

 そうなるとキツネの使い番は誰かということになるが、藤原道子(綾瀬はるか)説を採りたい。
 料亭で『目』を渡せなかったのは、前後不覚に酔っぱらってしまったから。(→ギャグになってしまうが)
 今回、長岡に聞くようけしかけたのは、長岡=キツネ説を否定し、自分がキツネであることに気づいてほしかったから。
 飛鳥などに連れて行ったのは、『目』のヒントを小川に与えようとして。
 でも、キツネ=イト説も捨てがたい。
 彼女は何らかの呪縛があって奈良から移動できないとか。

 結局分からなくなってしまったが、こうして「ああでもない。こうでもない」と楽しめるのは、このドラマの楽しみ。
 こうした謎解きは推理ドラマの独壇場だったが、この作品の様に描かれるのは珍しい。
 すべてがきれいに説明されて、事件が解決する最終話が見逃せない。
 そして小川の成長も。

※今回の綾瀬はるか
 ウジウジとあきらめモードの小川を叱って
 「小川先生は鹿男じゃない。馬鹿男です!」

 文字にすると面白さが伝わってくるけど、音だけだと面白さは半減。
 今回は小川センセの方が面白かったな。
 長岡に
 「先生は油揚げが好きですか?」
 自分に対する長岡の態度を分析して
 「間違いない!」
 この次に視聴者が予想するのは「長岡先生はキツネの使い番だ!」というせりふ。
 しかし……
 「長岡先生は俺に惚れている!」(笑)


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ヘキサゴン 冬の京都SP

2008年02月21日 | バラエティ・報道
 これを見ると普通の旅番組がつまらなくなりますなぁ。

 内容はテストの順位によって出演者の京都の旅が違ってくるというもの。
 テスト上位の渡辺正行、山本モナらは豪華リムジンの京都。
 テスト中位のアンガールズ、里田まいらは京都に関わる3つの暗号を解いて目的までにたどり着くというもの。(この暗号を解くために質問カードを使うことが出来るが、カードを使えば食べられる夕食が減ってしまう)
 テスト下位のスザンヌ、野久保、上地らは5000円と地図、鹿せんべいを渡されて奈良に目隠しで連れて来られる。(本人たちはここが奈良であることを知らず、京都だと思っている)果たして6時までに目的地にたどり着くことができるか?

 これらを通して京都の旅が描かれるのだ。
 アンガールズらに与えられた暗号の場所は、高台寺の坂本龍馬の墓(京を見下ろす龍馬の眠る地)、京都タワー(京都を照らす高いロウソク)、円山公園の龍馬と中岡慎太郎の像(円山にシシが立つ)。
 これで京都観光が楽しめる。(京都に龍馬のお墓があることを知らなかった)

 面白い仕掛けだ。
 単純に京都の名所旧跡を紹介されるより、ずっと楽しい。
 出演者たちのキャラクターも楽しめる。
 こうした点で日本のバラエティは実に練り込まれている。
 逆に言えば、工夫のない従来どおりの作り方ではダメだということ。
 
 奈良に下ろされた3人の旅も面白かった。
 渡辺正行さんが「はじめてのお使いを見る様だ」とコメントしていたが、まさにそのとおり。
 最後まで下ろされた場所が奈良だと気づかなかった野久保さん。
 やたら鐘を鳴らしたがるスザンヌ。
 駅を探すために山に登る上地さん。
 偉大だ。発想が違う。
 どこまでが作り込みかはわからないが、普通タイムリミットが決まっていれば、目的地に向かって全力を尽くすだろう。
 おまけに上地さん、鹿に目的地を示した地図を食べられてしまう。笑いの神が降りてきたハプニング!
 そして旅先で出会った人との温かいふれあい。
 上地さんにお賽銭をわけてくれた若者。
 スザンヌに金つばを分けてくれた神戸大学の方。バスに乗った小学生にはスザンヌ「バカだ。バカだ」と言われていたけど。

 楽しい旅をありがとうございました。


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格付けしあう女たち 2/19

2008年02月20日 | バラエティ・報道
 格付けし合う女たち。
 今回のテーマは「一緒に住みたくない女」

 参加したのは青田典子、杉本彩、杉田かおる、山本モナ、泰葉、青木さやか、光浦やす子、柳原可奈子、スザンヌ、あびる優。

 さあ、皆さんはこのメンバーで「一緒に住みたくない女」は誰であろうか?

 僕の個人的な意見では
★一番いっしょに住みたい女はスザンヌ。
★住みたくない女は杉田かおるさん。(杉田さん、すいません!)

 最近、僕はスザンヌにはまっている。
 一緒に住みたい女=スザンヌは世の一般男性も同じな様で、その理由も納得できる。
 ①あの天然なキャラクターで、疲れていても癒してくれそう。②あのバカは見てるだけで幸せになりそう。(公式HPより)
 そう、絶対スザンヌといっしょに住んだら楽しい!癒される!

 杉田さんは、一般男性の「住みたくない女」の格付けで第2位。
 理由は、①毎日晩酌に付き合わされ、その上介抱させられてはツライ。②包丁とかハサミとか刃物類は絶対に置けない。③毎日が緊張状態でグッスリ寝れなさそう。(公式HPより)
 これも納得。(杉田さん、すいません)
 杉田さんはよほど強い男でないといっしょに住めないだろうな。

 こういうランキングが出てしまうとは、僕を含めて世の男たちが弱くなってしまったからか。
 その他、一般男性の「一緒に住みたくない女」ランキングは次のとおり。

1位 泰葉 ①常に会話が かみ合わなさそう。②会話の途中で『…で、その心は?』と謎かけを振って来そうで疲れる。③親類が常に自宅に来そうなので気が抜けない。④ある日いなくなってそう。
2位 杉田かおる
3位 柳原可奈子 ①冬でも暑苦しい部屋になりそう。②こっちまで太りそう。③床を素足で歩くとポテチのカスで足を切りそう。
4位 青田典子 ①いまだにユーロビートの音楽を大音量で流して落ち着かなさそう。②ブラをつける時ものすごいところから肉をもってきそうで見たくない。
5位 あびる優 ①身元の知らない遊び仲間がいつの間にか転がり込んできそう。②1年くらいで話す事がなくなりそう。③一緒に住んでいるのに、常に携帯で誰かと喋ってそう。
6位 光浦靖子 ①ストレスを感じず静かな時間を過ごせそう。②何をやるにも疑い深そう。
7位 青木さやか ①口うるさそうだが、しっかりとしているので常識的な生活が送れそう。②男で苦労してるから普通の日常にも小さな幸せを見つけて楽しんでくれそう。③一緒に住む上でのルールを100個ぐらい設けられそう。
8位 杉本彩 ①綺麗だし適度な緊張感を持ててハリのある生活が出来そう。②性癖に問題ありそうだが、料理は上手いし、美人なので一緒に住みたい。
9位 山本モナ ①この人の私生活をのぞき見できるだけでコーフンする。②大人の大きな心で包み込んでくれて、あげまんパワーで出世できそう。③「才色兼備」は山本モナのためにある言葉。
10位 スザンヌ

 自虐ネタで自己主張していかなければならない芸能人って大変ですな。
 同時にこの位、主張できる個性がないと芸能界では生きていけないということ。

 また、この格付けという企画、鋭い人間分析の場でもある。

※追記
 今回も青田典子さんが大暴走。
 「しっしっしってたぁ~?」「ジ~~ザス2008」の持ちネタの後、新ネタを披露。
、『ユーロビートを聴きながら食器洗い』『ユーロビートを聴きながら掃除』『ユーロビートを聴きながら寄せて上げて』。
 青田典子は偉大だ。


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犬神家の一族

2008年02月19日 | 邦画
 犬神家は憎しみに溢れた場所。
 犬神佐兵衛(仲代達矢)は死んでまでも財産争いで娘たちを争わせようとする。
 結果、娘たちに生まれる憎悪。
 青沼静馬は犬神家で迫害された母の復讐を果たそうとする。
 佐智(池内万作)ら孫たちは財産と美貌求めて、珠世(松嶋菜々子)を襲う。
 美しい諏訪を舞台にしているが、そこには果てしない憎しみがある。

 この作品を二度映画化された故・市川崑監督。
 その切り口は憎しみに溢れた犬神家に唯一咲いた『愛』の花だ。

 すなわち珠世と佐清(尾上菊之介)の愛。
 犬神松子(宮司純子)は「父の怨念を断ち切って」と珠世に頼む。
 これは原作にはないせりふ。
 この家を救うにはふたりの愛しかないのだ。

 愛と憎しみ。
 この作品にはこの対立がある。
 それは映像にも。
 美しい珠世と醜い静馬。
 那須ホテルのはる(深田恭子)のおっとりした感じや等々力署長(加藤武)の勘違いぶりも陰惨な犬神家との対照となる。

 また映像として楽しいのは日本家屋や日本的な所作の美しさだ。
 瓦の並ぶ屋根。畳の大広間。床の間。琴。
 煙管の吹かし方、正座をしてお茶をいれる姿。
 失われたそうした美しさを市川監督はフィルムに焼きつけようとしている様だ。
 

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