平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

運命の人~真木よう子さんの抜群の色気!

2012年01月31日 | 職業ドラマ
 「運命の人」はドラマとしても面白いが、<目の愉しみ>もある。
 画面上に現れる1970年代の事物がすべて懐かしいのだ。

 たとえば、家の黒電話、がっちりした黄色の公衆電話、不格好なタクシー、NOTEBOOKと書かれたグレーのノート。

 政治家たちも懐かしい。
 佐橋慶作(北大路欣也)は佐藤栄作。
 田淵角造(不破万作)は田中角栄。
 福出赳雄(笹野高史)は福田赳夫。
 小平正良(柄本 明)は大平正芳。
 横溝 宏(市川亀治郎)は社会党の横路孝弘。

 笹野高史が演じる福出なんて、福田赳夫さんにそっくり。
 実際の福田さんもあんなふうに佐藤栄作総理にペコペコしていたのだろうか?
 柄本 明さんが演じる小平も大平正芳さんの雰囲気。目元なんかが本当によく似ている。
 実際の大平さんより体が大きくなくて、やせているから<小平>なのだろうか?

 いずれにしても当時の政界の縮図が見えて面白い。
 佐橋総理なんか、弓成亮太(本木雅弘)をスケープゴートにして、小平正良を追い落とそうとしてるし。
 一方で、沖縄返還密約で佐橋総理のクビを取ろうとする動きもあるし。
 昔から権力闘争が好きなんですね、政治家の皆さんは。

 <目の愉しみ>と言えば、やはり真木よう子さんが演じる三木昭子。
 すごくセクシー!
 文書漏洩の当事者として糾弾され、悲嘆に暮れて、畳にうずくまる姿なんかは抜群の色気!!
 男性の方はこのセクシーな真木さんを見ない手はないですよ。

 というわけで、映画やドラマの魅力はストーリーだけではない。
 右脳で感じる<目の愉しみ>もある。
 

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平清盛 第4回「殿上の闇討ち」~わしは王家の犬では終わりたくないのだ。

2012年01月30日 | 大河ドラマ・時代劇
 「わしは王家の犬では終わりたくないのだ」
 忠盛(中井貴一)の口から出た言葉。
 忠盛は「未熟な舞ゆえ、お目汚しになり申し訳ございません」と貴族たちに謝りながら、胸に刃を秘めていた。
 忍従は「武士が十分な力を得る」までのひとつの過程だった。

 忠盛が清盛(松山ケンイチ)を後継者にしたのは、王家に屈しない反骨の心を持っていたからだろう。
 あるいは既存の権威を疑う心。
 「何なのじゃ! 何なのじゃ! 何なのじゃ!」と叫べる心。
 これが弟の家盛(大東駿介)だったらそうはいかない。
 家盛は、忠盛が殿上人になったことを素直に喜んでいる。
 つまり家盛は、王家や貴族たち、既存の権威を信じる姿勢の人物。
 これでは<王家の犬>で終わってしまう。

 忠盛が「王家の犬で終わりたくない」と思ったのは、清盛が産まれた時だったらしい。
 この変化が起きたのは、清盛の母・舞子(吹石一恵)が王家のエゴによって殺されたからか。
 無惨な舞子の遺体を見て、これではいけない、自分はもっと力を持たなければならないと思ったからか。

 それにしても忠盛という人物は強い。
 清盛は「父上は気高く強き心の軸をなくしてしまった」と忠盛を非難したが、そんなことはなかった。
 どんな屈辱を受けても、ブレない心の軸を持っていた。
 屈辱を受けてキレてしまう心や、困難があってくじけてしまう心は、軸のない弱い心だ。
 本物の心の軸というのは何があっても動じない。
 目的のために忍従し、自制する。
 そのことを清盛は今回の父親の姿から学んだ。
 清盛がまたひとつ大きく成長した瞬間だ。
 「お前が思う以上に殿上は面白い所ぞ」というせりふも力強い。
 忠盛は、権力闘争が繰り広げられ、妖怪がうごめく殿上で生き残り、這い上がっていくことを愉しんでいる。
 「未熟な舞ゆえ、お目汚しになり申し訳ございません」と頭を下げることを、少しもつらいと考えていない。
 出世ゲームを愉しんでいる感じ。
 まさに「遊びをせんとや生まれけむ」である。

 もうひとつの親子、源為義(小日向文世)と義朝(玉木宏)の関係もよかった。
 「やられればよいのです。父上がやられた分は私がやり返します。父上がやられた分、私は強うなる」
 名セリフだ。
 父と子の絆を描くのに、こんな的確なせりふはない。
 このせりふを受けての為義のせりふも頼もしい。
 「お前に守ってもらうほど、わしは弱ってはおらぬわ」

 今回は二組の父と子の物語。
 <殿上の闇討ち>という史実をここまで膨らまして、力強い父と子の物語にした作家の力量はお見事!!


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最後から二番目の恋~ひどいことになったとしても何もないよりはいい。

2012年01月27日 | 恋愛ドラマ
 四十歳は不惑というけれど、人間、いくつになっても迷う煩悩のかたまりである。
 第三話ではこんなやりとり。

 典子(飯島直子)は、出会い系サイトに登録した夫・広行(浅野和之)に叫ぶ。
「寄りによって女房と同じ歳の女と! キャバ嬢に貢いでいた方がまだマシよ!」
 と千明(小泉今日子)に嫉妬。

 千明は若作りにメイクし着飾っていることを典子に責められて
 「きれいに着飾ってどこが悪いのよ!」
 そして夫・広行について言い合い。
 「悪いけど、(広行は)全然趣味じゃないし、あり得ない!」
 「あたしだって!」と典子。

 その後、夫・広行は、江ノ電の中で千明に「わたしじゃやっぱりダメですか?」(笑)

 和平(中井貴一)も迷う。
 部下の大橋知美(佐津川愛美)に「(呼び方は)知美でいいですよ」と言われて戸惑い、「好きになってしまいました」と言われてうろたえる。

 千明はテレビ局で、部下たちに写メールの真平(坂口憲二)を見られて、「新しい彼氏ですか?」と問われて「まあね」と満更でもなさそう。

 このように、この作品のオトナたちは、<不惑>からは程遠い人たち。
 夫の浮気の兆候を知れば嫉妬するし、若い部下に言い寄られれば動揺するし、若いイケメンの恋人が出来れば喜びをあらわにする。
 それがとても人間的で微笑ましい。

 千明は新恋人真平について、和平に次のように語る。
 「ひどいことになったとしても何にもないよりはいい。苦しくても悩んだ方がいい。ハッピーエンドではないと思うし、それはそれでいいかな」
 四十女のひとつの見解だ。
 しかし、江ノ電から真平が若い女の子と歩いているのを見てしまう千明。
 「何もないよりはいい」と割り切っていたはずなのに心穏やかじゃない。
 心の奥底ではハッピーエンドを望んでいる。

 人生の後半戦の世代。
 <不惑>なんてつまらない。大いに迷い、悩みましょう。
 迷い、悩む限り、人はいつまでも青春なのだ。


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相棒10 「藍より青し」~草木染めが国を越えて心を通わせたのですね

2012年01月26日 | 推理・サスペンスドラマ
 全体を貫くモチーフは<縁(えにし)>。
 ひとつの草木からひとつの色を作り出すのは縁。
 不法就労外国人・ソパートと出会い、心通わせるのも縁。
 生きることはすべて縁なんですね。
 自分の草木染めの技術を伝えたいと思っていた職人・葛巻彩乃(梶芽衣子)と草木染めに故郷を思い出したソパートが出会ったのは、単なる偶然なんかでなく、きっと天の意思みたいなもの、<縁>があったのでしょう。
 この縁で、彩乃もソパートも救われた。

 しかし、人と人が<縁>を結ぶには強い思いが必要であるような気もする。
 もし、彩乃とソパートが出会った時、ソパートが草木染めのことを強く主張しなかったら、ソパートは彩乃に追い出され、ふたりの関係はそのままになっていただろう。
 彩乃も自分の技術を誰かに伝えたいという強い思いがあり、人との出会いは、草木との出会いと同じように一期一会だと思っていたからこそ、ソパートを受け入れたのだろう。

 そして、この事件に右京(水谷豊)が絡んできたのも<縁>?
 右京さんがいなかったら、真相は明らかにされず、彩乃は罪に問われていた?

 こう考えると生きるということは不思議ですね。
 人はさまざまな<出会い>と<縁>に拠って生きている。
 なので、これからは、自分の前に起こる出来事や出会う人を大事にして生きていきたいと思います。
 きっと何かの縁で結ばれているはずだから。

 今回は、「相棒」でお馴染みの<職業物>、伝統を伝えたいという<草木染め職人>の物語でしたが、そんなことを考えました。

 作劇としては、小屋の使い方が上手かったですね。
 人に中を見せたがらない謎の小屋。
 もしかしたら行方不明の息子が埋められているのではないかと思いましたし。
 その他にもこの小屋は、染色廃液が隠されていた小屋、ソパートが隠れ住んでいた小屋、誰もいないはずなのに夜中に灯りが着いている小屋など、いくつもの意味が付与された。
 上手い小道具(大道具?)の使い方だと思います。


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行列のできる法律相談所~小林麻耶さんは魔性の女!?

2012年01月25日 | 監督・俳優・歌手・芸人
 小林麻耶さんは魔性の女である!
 1/22放送の『行列ができる法律相談所』で、明石家さんまさん、東野幸治さん、フットボールアワー後藤さん、雨上がり決死隊の宮迫博之さんといったそうそうたるメンバーを手玉に取った。
 以前別の番組で、小林麻耶さんが大暴れする泉谷しげるさんの被害に遭った時、司会のさんまさんは「やめなはれ」と泉谷さんを止めながら大笑いをしていた。
 番組的にはおいしい展開だったので、さんまさんは大笑いをしていたのだが、小林さんにとっては涙を流すほどのショック。
 このことで今回あらためて小林さんが文句を言うと、さんまさんは「悪かった」と謝罪。
 すると、小林さんは「うれしいです~♡」と可愛く返答。
 すると、さんまさんは「ほんま?♡」と小林さんの笑顔に魅せられてしまった。

 このように小林麻耶さんは、男を手玉に取る魔性の女なのである(笑)。
 さんまさんに拠れば、小林さんの思わせぶりにTBSの社員は何人も遊ばれたらしい(笑)。

 小林さんの魔性は続く。
 「彼女はすべてまやかしなんや」と東野孝治さんは責めると、小林さんは「違います~♡」。
 すると東野さん、「違うの?♡」とハートマーク。
 次にフット後藤さんが「魔性の女なんや」と指摘すると、「魔性じゃありません~♡」と甘い声で返答。
 すると後藤さんは「ほんまかい♡」と顔を赤らめる。
 そして今度は宮迫さんが「芸人をなめるのもいい加減にせい!」と怒ると、「なめてなんかいません~♡」。
 すると宮迫さんは「好き♡」

 このように小林さんの魔性は、男たちをメロメロにしてしまったのだ。
 もちろん、これらのやりとりは番組を盛り上げるためにやったことだろうが、実に面白い会話のキャッチボール。
 
 それにしても、人の魅力を引き出すのが上手いですね、さんまさんを始めとする芸人さんたちは。
 小林麻耶さんに<魔性の女>というキャラクターを与えた。
 当分、小林さんは、このキャラクターでやっていけるだろう。
 芸人さんが「魔性の女なんや」と振って、「魔性じゃありません~♡」と甘い声で答えるというギャグパターンで、他の番組でも活躍できる。飽きられるまで。

 というわけで、芸能人はキャラクター。
 <魔性の女>でも<私の体はワインで出来ている>でも<熟女好き>でも<キモい>でも<おバカ>でも、ともかくキャラクターが出来てしまった人の勝ち。
 それにしても、こうして自分のマイナス部分も含めて切り売りして生きていかなくてはならない芸能人って、大変な商売ですね。


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妄想捜査~<スタイリッシュ>と<妄想>、桑潟幸一という生き方

2012年01月24日 | キャラクター
 第1話を見た。
 ギャグがスベりまくり。ギャグってタイミングですからね。
 唯一、おかしかったのは、真犯人がのぞきをしていることがわかった時の主人公・桑潟幸一(佐藤隆太)のせりふ。
 「どうして仲間に入れてくれなかったんです!?」(笑)

 ギャグはイマイチだったが、興味深かったのは、<桑潟幸一>という生き方。
 ダメで情けない自分を隠すために<スタイリッシュ>を装う。
 劣等感を持った人間が何かを装って、自分を良く見せたいという気持ちはよくわかる。
 <スタイリッシュ>というスタイルが、今の女の子の気持ちをつかむとは思わないが、おそらくこれを信じている桑潟が<ズレた人物>であることを示しているのだろう。
 <桑潟幸一>という生き方の二番目は<妄想>。
 これもよくわかる。
 ちっぽけで惨めな自分。
 女の子に「すごい!」と言われ、ちやほやされたいのに、あるのは荒涼とした孤独。
 そんな現実を乗り越えるには<妄想>しかない。
 <妄想>から醒めれば、ふたたび過酷な現実が現れるが、<妄想>の間だけはハッピーになれる。

 <スタイリッシュ>と<妄想>……これが桑潟幸一の生き方。
 でも、これって虚しいんですよね。
 結局は本当の自分ではないから。
 装うことは無理をしていることだし、妄想は醒めれば、一層惨めになる。

 しかし、そんな桑潟が<本当の自分>になった瞬間があった。
 犯人に向かって叫んだ瞬間だ。
 「あなたはずっと幸せじゃないですか! 愛する子供もいるし、子供もあなたを愛している。離婚はしたけど一度は結婚した。そんなあなたに比べたら。僕には何もない!」
 といった内容のことを叫んだが、これぞ桑潟幸一の<心からの叫び>。
 そして、心からの叫びであったからこそ、犯人は心を動かされたし、神野仁美(桜庭ななみ)も「スタイリッシュだった」と言った。

 この作品は、桑潟幸一の成長の物語。
 桑潟が、自分を素直に語り、ありのままの自分を愛せるようになる日が来るのだろうか。
 ギャグを小ネタ程度に抑え、推理部分とこのテーマを描き込んでいけばもっと面白くなると思います。


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平清盛 第3回「源平の御曹司」~俺はどうしようもない男じゃ! 俺などいらぬ!

2012年01月23日 | 大河ドラマ・時代劇
 鼻っ柱を折られるのが青春だ。
 清盛(松山ケンイチ)は打ちのめされる。
 海賊退治。
 しかし退治したことで、海賊の怒りを買い、逆に助けた民がひどいめに遭うことに。
 そのことに若い清盛は思い至らない。
 囚われた仲間を助けられない自分。
 清盛は、自分の無力を知る。平家の名がなければ何も出来ない自分を知る。
 そして、源義朝(玉木宏)との対決。
 結果は、「まことの武士は源氏だ」と言われて屈辱的な敗北。

 いいですね、こういう主人公の描かれ方。
 人は、自分が無力なつまらない人間であることを知り、それを克服しようとすることで大人になっていく。
 挫折を知らずに大きくなった人間はずっと自分中心の子供で、鼻持ちならない人間になる。
 無力なつまらない人間が克服しようとして立ち上がる所に、人の崇高さがある。

 なので、今回はこのせりふ。
「俺はどうしようもない男じゃ! 赤子のように守られているとも知らず、思い上がってひとりで生きておるつもりになって。俺は何も出来ない、つまらないヤツだ。平氏のもとにいなければ、のたれ死ぬしかない野良犬なのじゃ。俺などいらぬ! いらぬ!」

 前回は「俺は王家の犬にも平氏の犬にもならぬ。されど俺は生きる。野良犬の声がこの面白くない世を変えるまで面白う生きてやる」というせりふだったが、今回は完全な自己否定。
 清盛は、自己肯定し、さらにそれを否定して、どんどん新しい自分に生まれ変わっていく。
 肯定と否定を繰り返す激しい心の中の振幅。
 そして若さは生命力に溢れ、たとえ打ちのめされても、すぐに立ち上がる力を持っている。

 でも、こういう主人公が迷いながらたくましく成長していく作品って視聴率を獲れないんですよね。
 少し前の作品だが、宮本武蔵を描いた『武蔵』などを思わせる。
 <上昇志向><努力><挫折><迷い>といった主人公像が、時代に合わないのか?
 まあ確かに、家族や人と人の絆なんかを描いた作品の方が<今の時代>という気がしますが。
 だから、宗子(和久井映見)の「清盛は私の子でございます! 私の子なのです!」というせりふがグッと来るんでしょうね。

 さて、今回登場したライバルの源義朝。
 義朝は、静かに刃を研ぐタイプですね。
 北面の武士になり、王家に取り入ろうとしながら、「武士が王家を守っているのだ」という思いを心に秘めて、権力奪取を目論んだり、清盛の舞を見て、「この男に勝ちたい」と思って武芸を磨いてきたり。
 感情をあらわにして叫びまくる清盛とは対照的。
 「源義朝なくして平清盛なし。平清盛なくして源義朝なし」
 このふたりは、互いの良い所を取り入れ、刺激し合いながら成長していくのでしょうね。


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『さばドル』『数学女子学園』『ミューズの鏡』~深夜だからできる様々な実験!

2012年01月20日 | アイドル
★テレビ東京で放映中の『さばドル』(土曜0:53)はこんな設定。

 『とあるヤンキー工業高校で古文を教える38歳の冴えなくて生徒にバカにされている教師 、宇佐しじみは今をときめく大人気アイドル・渡辺麻友17歳、通称「まゆゆ」として21歳も 年齢のさばを読んでいる「さばドル」だった』(Wikipedeaより)

 現実とフィクションが交差する虚実皮膜のドラマである。
 渡辺麻友さんが38歳であるわけがないが、「もしそうだとしたら」と想像して愉しむドラマ。
 あるいは「ひょっとしたら38歳?」と思ってしまうドラマ。
 何しろ最近は往年のアイドルたちから、かつて自分たちが語ったことは全部<作られたウソ>だったということが暴露されていますからね。
 たとえば、<趣味はお菓子作り><好きな食べ物はイチゴ>とか!
 まゆゆの場合はそんなことはないと思うけど。
 まゆゆの憧れの男性は、あくまで二次元の「フランシスお兄ちゃん」なのだ!
 でも、もしかしたら、作品中で描かれていたように、翌日のインタビューに備えて言うことを予習をしているのかもしれない?
 好きなアニメは『いなかっぺ大将』なのかもしれない?
 まゆゆは乃木坂46に移籍してしまうのかもしれない?

★同じくAKB48の指原莉乃さんが初主演したドラマ『ミューズの鏡』(日本テレビ 日曜2:10)。
 物語の設定は完全に『ガラスの仮面』!?
 ラーメン店で働く貧乏少女の向田マキ(指原莉乃)が演劇に憧れ、女優になるため、ライバルと死闘を繰り広げる。
 そんなマキの才能を見出し、指導するのは沖田先生!←『エースをねらえ!』か!?
 第1話はこんな話だった。
 役者の発声に必要なのは腹筋。
 沖田先生は、劇団の女優たちの腹筋の強さを確かめるために、ひとりずつ腹を拳で叩いていく。
 そしてマキの順番。
 マキの腹を叩いた沖田先生が10メートルくらい弾き飛ばされる(笑)。
 マキの腹筋はメチャクチャ強いのだ!
 これはコントか? ドラマか?

★モーニング娘。出演の『数学女子学園』(日本テレビ 木曜1:14)の第1話はこんな物語。
 階段の下から立川さゆり(道重さゆみ)のスカートの中を覗いたと言いがかりをつけられた男子生徒を救うために、数学の天才・町田ニーナ(田中れいな)が<この角度からではスカートの中は見えないこと>を数学を使って証明する!!(笑)
 そして覗かれたとウソをついたさゆりには、机の上に昇らされ、下敷きでスカートの下に風を送られるという恥ずかしい罰!
 何という内容だろう!
 バカバカしいけど面白い!

 バカバカしいけど面白い!は、『さばドル』にも『ミューズの鏡』にも言える。
 これらの作品は、深夜枠で、アイドルファンのみを対象にしているから成立しているんでしょうけど、既存のドラマにない荒削りなパワーと面白さを感じる。
 様々な実験もしている。
 深夜枠から火がついて、ゴールデンに降りてくるバラエティは多いのですが、ドラマの場合はまだまだ。
 ドラマも深夜枠でどんどん新しい実験をして、目新しさのない現在のドラマに新しい風を呼び込んでほしいと思います。
 深夜には様々な可能性がある。


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相棒10 「つきすぎている女」~今日ほど下らない一日はねえ!

2012年01月19日 | 推理・サスペンスドラマ
 ジグソーパズルのように事実の断片を再構成して、真実を描き出していくのが推理ドラマ。

 今回の断片は
★壁に書かれた「たすけて」の文字
★前家政婦・串田ユキの失踪
★串田ユキが持っていた名刺の天体構造学研究会、そしてカルト宗教・太陽のしもべ
★天体構造学研究会の信徒が黒い服を着ており、月本幸子(鈴木杏樹)も家政婦の仕事で黒い服を着るように言われたこと
★社長・間宮清彦(田中壮太郎)の開かずの書斎にあった洗脳や宗教に関する本、天体構造学研究会に関する新聞の切り抜き、パンフレット
★月本幸子も串田ユキも身寄りのない人間。いなくなっても誰も探さない。

 これからの事実の断片から、月本幸子は真実を次のように考えてしまった。

『間宮清彦は天体構造学研究会の信徒。
 前家政婦の串田ユキはいけにえとして殺されてしまった。
 そして、自分もいけにえにされようとしている』

 一方、右京(水谷豊)の描いた絵は違っていた。
 上記の事実に以下の事実を加えた。
★簡単に開けることのできる畳の床下
★前社長・政二郎の若すぎる50代での引退
★高額預金者のみに送られる信用金庫のお歳暮
 そして、こう推理した。

『前社長の脱税。
 その脱税したお金を前社長は床下に隠していた。
 それを見つけた前家政婦の串田ユキは持って逃げた。
 間宮清彦はユキの失踪を天体構造学研究会による拉致と考え、研究会のことを調べていた』

 右京と月本幸子の思い描いた真実は、このように大きく違う。
 右京の方が多くの情報を持っていたとはいえ、違いすぎる。
 結果、<おっちょこちょい>と評されてしまう月本幸子。
 だが人間の現実認識など、多かれ少なかれこのようなものであろう。

 人は目の前にある事実を自分勝手に再構成して、真実であるかのように思い込む。

 今回はそんなお話。
 古い映画で言えば、黒澤明の『羅生門』。
 最近で言えば、三谷幸喜さんの『12人の優しい日本人』や今回の脚本を書かれた古沢良太さんの『キサラギ』。

 伊丹刑事(川原和久)の「今日ほど下らない一日はねえ」という捨てぜりふが楽しい。

 ところで今回の右京さんのスランプは何だったのだろう?
 これも思い込み?
 ただ、真実にたどりつくための情報が足りなかっただけ。
 こんな所だろう。
 なぜなら後半はいつもの右京さんだったし、前半も間違った推理を全くしていないのだから。
 もっとも、右京さんは無意識に<花の里でくつろぐこと>を求めていたのかもしれませんね。


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運命の人~弓成の志を継ぐジャーナリストよ、現れよ!

2012年01月18日 | 職業ドラマ
 スクープを狙う記者・弓成亮太(本木雅弘)。
 「部数が欲しけりゃ、スクープを連発すればいい」と販売部に食ってかかる傲慢さ。
 これだけだと、ただの自信過剰の野心家だが、弓成にはその根本となる思想があった。
 それは敗戦で理解した<国家>というものの真実。
 国は国民をだまし、戦争を続行し、多くの国民を苦しめ、死に追いやったという現実。
 弓成は言う。
 「国が本当のことを言っているとは限らない。いつの時代でも苦しむのは国民だ。俺は国のウソや欺瞞を暴く」
 こんな発言もしている。
 「政府の欺瞞に見て見ぬふりをしろと言うのですか。それでは新聞記者をやっている意味がありません」
 「俺の記事で日本を動かしたい。未来を変えたい」
 弓成はただの自信過剰な野心家ではなかった。
 上に書いたような思いで行動している新聞記者だった。

 その志は素晴らしい。
 しかし、理念と戦術は違う。
 自分の理念や目的をどのように実現するかは個人の裁量だが、弓成はやり方(戦術)を間違った。
 事務官の三木昭子(真木よう子)を使った情報漏洩。
 それを巨大権力につけ込まれた。
 権力は自分を脅かす存在を許さない。あらゆる手段を使って葬り去ろうとする。
 弓成の場合は昭子とのスキャンダル。

 この作品は、国家という巨大権力に立ち向かった弓成というドン・キホーテの敗北の物語である。
 それがどのように今後描かれるかは楽しみであるが、一方で現在のマスコミのことを考える。
 現在のマスコミに弓成のような記者はいるのか?
 記者クラブでの発表をそのまま記事にしている、事なかれ主義の<御用記者><サラリーマン記者>ばかりではないのか?
 元沖縄防衛局長・田中聡氏の不適切発言をスッパ抜いたのは、地元の琉球新報だった。
 他の新聞は何をしていたのか?
 「オフレコだよ」「書いたら出入り禁止だよ」と言われて、口を閉ざしていたのではないか。

 弓成はやり方を間違えて権力につけ込まれたが、志はジャーナリストだった。
 弓成の志を継ぐジャーナリストよ、現れよ!

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