平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

防衛費UP!~中国・ロシア・北朝鮮は本当に攻めて来るのか? 短絡思考はやめよう

2022年12月30日 | 事件・出来事
 年末、最後は政治の話。
 古舘伊知郎さんが以前僕が書いたことと同じことを言っていた。
「中国、ロシア、北朝鮮の危機というけれど、本当に攻めて来るのか?」

・ロシア
 地続きのウクライナであんなに苦戦しているのに、
 シベリアを越え、海を越えて攻めて来るのか?

・中国
 亡くなった安倍元首相が「新安保法制」で集団的自衛権を一部認めてしまったので、
 台湾有事の際、アメリカが参戦を決めれば日本も参戦せざるを得なくなったが、それでいいのか?
 米中を天秤にかけて、外交などでしたたかにふるまうべきではないか?

・北朝鮮
 攻めるとすれば韓国だが、同盟関係で当然、米軍が動く。
 おそらく日本も何らかの形で協力する。
 北朝鮮が韓国、米国、日本を相手に戦争するのか?
 彼らが望んでいるのでは体制の維持ではないのか?

 もちろん脅威がないとは言えない。
 だが、ロシア・中国・北朝鮮の危機→「さあ、軍事費UPだ」は短絡的すぎる。
 もっと多視点で安全保障を考えるべきではないのか?
 日本には食糧自給率、エネルギー自給率の低さの問題もある。
 食料を断たれたら、エネルギーが尽きたら、いくら優れた武器があっても戦えない。
 原発も危ない。攻撃されたら、それで終わり。
 ………………………………………………………

 古舘伊知郎さんは米国からの武器購入についても言及していた。
 日本は米国から言い値で武器を高く買っている。
 言い値で買うなよ。値切れよ。
 ドイツなどの他国はどうか?
「オフセット取引」
「バーター取引」
 というのをやっているらしい。
 これはどういうことかと言うと、
「アメリカから武器を買う代わりに自国の商品をアメリカに買ってもらう」という取引だ。
 これで双方がWIN・WINになる。
 アメリカの輸入しなければならないから当然、そこに値引き交渉が始まる。
 つまりアメリカの武器100万ドル=日本の農作物100万ドルのバーター取引があった時、
 100万ドルの取引はきついから80万ドルの取引にしよう、という交渉話が出て来る。
 結果、アメリカは利幅を少なくして武器価格を下げる。

 日本の外交下手、交渉下手は昔から言われていることだが、
 他国では当たり前の「オフセット取引」「バーター取引」くらいはやろうよ。
 日本の外交って、要はアメリカの言いなり。
 すべてはアメリカ様の言うとおり。
 思考停止でアメリカについて行っているだけ。

 それは日米安全保障条約を否定しようというわけではない。
 言うべきことは言い、交渉すべきことは交渉するということだ。
 そこから日本の外交が始まる。
 対中国に対しても、米中を天秤にかけた外交ができるようになる。

 まあ、アメリカ追随から脱出しようとすると、たちまち潰されるようなんだけど……。
 鳩山由紀夫、小沢一郎がそうだった。
 田中角栄もそうだったかもしれない。

 2023年はどのような年になるのだろう?
 タモリさんは『徹子の部屋』で「新しい戦前がやって来る」と発言したようだけど。

「中国・ロシア・北朝鮮の危機→軍事力UP」と短絡思考にならずに、
 もっと客観的、大局的に物事を見ていきたい。


※関連動画
 安全保障政策の大転換。アメリカの言いなりになるな(古舘伊知郎チャンネル・YouTube)
 時間のある方はぜひ御覧下さい。

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「頑是ない歌」 中原中也~思えば遠く来たもんだ。なんとかやるより仕方もない 。やりさえすればよいのだと

2022年12月28日 | 
「頑是(がんぜ)ない歌」
            中原中也

 思えば遠く来たもんだ
 十二の冬のあの夕べ
 港の空に鳴り響いた
 汽笛の湯気(ゆげ)は今いずこ

 雲の間に月はいて
 それな汽笛を耳にすると
 竦然(しょうぜん)として身をすくめ
 月はその時空にいた

 それから何年経ったことか
 汽笛の湯気を茫然と
 眼で追いかなしくなっていた
 あの頃の俺はいまいずこ

 今では女房子供持ち
 思えば遠く来たもんだ
 此(こ)の先まだまだ何時(いつ)までか
 生きてゆくのであろうけど

 生きてゆくのであろうけど
 遠く経て来た日や夜の
 あんまりこんなにこいしゅては
 なんだか自信が持てないよ

 さりとて生きてゆく限り
 結局我(が)ン張る僕の性質(さが)
 と思えばなんだか我ながら
 いたわしいよなものですよ

 考えてみればそれはまあ
 結局我ン張るのだとして
 昔恋しい時もあり そして
 どうにかやってはゆくのでしょう

 考えてみれば簡単だ
 畢竟(ひっきょう)意志の問題だ
 なんとかやるより仕方もない
 やりさえすればよいのだと

 思うけれどもそれもそれ
 十二の冬のあの夕べ
 港の空に鳴り響いた
 汽笛の湯気は今いずこ


                   ※頑是ない~子供じみて幼いこと
                   ※竦然~ぞっとずるさま
                   ※こいしゅては~恋しくては
                   ※畢竟~結局 
 ……………………………………………………

 海援隊の歌ではない。
 中原中也の詩の詩である。
 おそらく武田鉄矢さんはこの詩を本歌取りしたのだろう。

 前回「汚れっちまった悲しみに……」を紹介したが、
 この詩は対照的に、どこか心に余裕があって「前向きな明るい中原中也」である。

 十二歳の自分。
 将来に不安もあれば希望もあった。
 大人の世界に入ることに戸惑ってもいた。
 だが、今の自分は日常に流され、ただ漫然と生きている。
 将来に大きな希望もなければ不安もない。
 自分もすっかり退屈な大人になってしまった。
 そんな現在の自分を中也は肯定する。
 もはや、十二歳の自分には戻れないのだから。
 いろいろなものを背負っているのだから。
 だから中也は自分に言い聞かせる。

『さりとて生きてゆく限り
 結局我(が)ン張る僕の性質(さが)
 と思えばなんだか我ながら
 いたわしいよなものですよ

 考えてみればそれはまあ
 結局我ン張るのだとして
 昔恋しい時もあり そして
 どうにかやってはゆくのでしょう

 考えてみれば簡単だ
 畢竟(ひっきょう)意志の問題だ
 なんとかやるより仕方もない
 やりさえすればよいのだと』

 自分の現実の肯定。
 半ば諦めながらも、その日その日を懸命に生きていく。

「汚れっちまった悲しみに……」はつらい時に読みたい詩だ。
 一方、この詩は日常生活の何気ない時に口ずさみたい。
 口ずさんで今の自分を肯定し、命が尽きるまで歩み続ける。
 自分が死ぬ時、
「思えば遠く来たもんだ」とつぶやけたら穏やかな気持ちになれそうだ。

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「汚れっちまった悲しみに……」 中原中也~虚無の詩である。ここには「心の原風景」がある。

2022年12月26日 | 
「汚れっちまった悲しみに……」
              中原中也

 汚れっちまった悲しみに
 今日も小雪の降りかかる
 汚れっちまった悲しみに
 今日も風さえ吹きすぎる

 汚れっちまった悲しみは
 たとえば狐の革裘(かわごろも)
 汚れっちまった悲しみは
 小雪のかかってちぢこまる

 汚れっちまった悲しみは
 なにのぞむなくねがうなく
 汚れっちまった悲しみは
 倦怠(けだい)のうちに死を夢(ゆめ)む

 汚れっちまった悲しみに
 いたいたしくも怖気づき
 汚れっちまった悲しみに
 なすところもなく日は暮れる……

                   ※懈怠~けだるい
 ……………………………………

 この詩を読むと、映画『火宅の人』を思い出す。
 真田広之さん演じる中原中也がこの詩を読みながら、泥酔して雪の中を歩いていくのだ。
 映画を見た当時の僕は詩心など欠片もなかったので、
「中原中也、カッコイイ!」くらいにしか思わなかったが、妙に心に残るシーンだった。
 そして年齢を重ねて改めてこの詩を読む。

「汚れっちまった悲しみに」

 生きるとは汚れることである。
 では「汚れる」とは何か?
 それはさまざまに解釈できる。
 たとえば、
 世間ずれすることであったり、
 ずるくなったり、嘘をついたり、裏切ることであったり、
 俗物になることであったり、
 性的なものであったり、
 悪事に手を染めることであったり、
 歳をとることであったり。
 それは人によってさまざまだ。

 そんな変わってしまった自分を中也は悲しみ、途方に暮れる。
 かつてはそんな自分に絶望したが、今は疲れ果て、もはや抗うこともしない。
「なにのぞむなくねがうなく」ただ惰性で生きるだけ、毎日、日が暮れるだけ……。

 虚無の詩である。
 そして、この詩がなぜか心に引っ掛かるのは、人の『心のふるさと』『原風景』だからだろう。
 人は心の奥底にこんな風景を抱えて生きている。

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霊媒探偵 城塚翡翠~「私ったら、うっかりさんです」 かわいい探偵・翡翠を見られるのもあと1回!

2022年12月24日 | 推理・サスペンスドラマ
 明日、最終回を迎える『霊媒探偵 城塚翡翠』

 1話~5話
 5話で話が一気にひっくり返ったのは面白かった。
 犯人は何となく予想がついたけど、実は驚きは他にある。
 1話、2話で挫折した方はぜひ5話まで見ることをお薦めします。

 6話~最終話までは『倒叙方式のミステリー』。
 犯人が最初にわかっていて探偵が推理して犯人を追い詰めていくミステリー形式。
 例をあげれば『刑事コロンボ』や『古畑任三郎』。

 解決編に入る前に城塚翡翠(清原果耶)は視聴者に向かって、こんな感じの口上をおこなう。
「さて、ここからは解決編です。
 ここまでで真相はすべて語られています。
 なぜ○○○は☓☓☓したのでしょう? キイワードは□□□。
 城塚翡翠でした」

 古畑任三郎か!笑
 でも、清原果耶さんがやるから可愛らしい!
 新しい古畑任三郎の登場だ。

 以下、少しネタバレになるので未見の方はパスして下さい。








 ………………………以下、少しネタバレ

 さて城塚翡翠。

 実は、この子、実は性格が悪い……笑
 こんなに可愛いのに……!
 清原果耶ちゃんなのに……!

 そして口調がムカつく。
「なるほどさんです」
「不思議さんですね」
「私ったらうっかりさん!」
 いちいち「さん」をつけるなっ!笑。
 まあ、清原果耶ちゃんだから許せるんですけどね。

 そんな視聴者の気持ちを代弁してくれるのが、翡翠のアシスタントの千和崎真(小芝風花)だ。
 真は漫才のツッコミのように翡翠の頭をパシッ! と叩く。
 その叩き方が心地よい。
「デコピンするぞ!」と翡翠を脅したりもする。
 それは今泉くんの頭を叩いた古畑任三郎の逆。

 でも、翡翠と真ちゃん、いいコンビなんですよね。
 翡翠には事件の全貌が見えているのに真にはわからない。
 それはまるでホームズとワトスンのよう。
 翡翠は着せ替え人形のように毎回、豪華な衣裳をしているのに、真はダサいTシャツ。
 たとえば、怪獣のプリントされたTシャツで『ぷてらの丼』と書かれている。笑
 そんなTシャツを真ちゃんはお洒落だと思っている。
 真は完全に翡翠の引き立て役で、翡翠にコキ使われるのだが、
 時には翡翠の頭を叩き、「デコピンするぞ」と言う。
 このふたりのやりとり、見ていて楽しい!

 脚本では揉めたらしい。
 当初の脚本は黒岩勉さん。
『ライアー・ゲーム』『謎解きはディナーのあとで』『絶対零度』『ストロベリーナイト』
 ミステリーを書かせたら、今、一番の脚本家さんだ。
 原作のアレンジも上手い。
 そんな黒岩さんが原作の相沢沙呼さんと揉めたらしい。
 どんなことで揉めたのかはわからないが、
 黒岩さんは降板し、脚本を原作の相沢さんが書いたり、手直ししたりすることになった。
 まあ、さすが原作者だけあって、相沢さんの脚本、すごく面白いんですけどね。
 ただ黒岩勉版の『城塚翡翠』も見てみたかった気もする。

 さて、明日は杉本哲太さん演じる最強の敵との戦いの後編。
 そして最終回。
 楽しみだ!

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シン・ウルトラマン~テレビ版「ウルトラマン」の新解釈! 怪獣とは何か? なぜアキコ隊員は巨大化したのか?

2022年12月21日 | 邦画
 ゴメス、パゴス、メロンガなど懐かしい怪獣(禍威獣)が次々と登場!
 さて、令和の時代に、総監修・脚本の庵野秀明は『ウルトラマン』をどう描くのだろう?

 基本ラインは昭和のテレビ版『ウルトラマン』のストーリーである。
 ウルトラマン誕生→メフィラス星人→人の巨大化→ゾフィ登場→ゼットンとの最後の戦い。
『シン・ウルトラマン』では、テレビ版のストーリーの裏に隠されたストーリーを描いてみせる。

『シン・ゴジラ』でもそうだったが、活躍するのは霞ヶ関の官僚たち。
 ただし、今回は公安など警察系の官僚が多い。
 怪獣(禍威獣)攻撃にあたっては法的根拠を常に問題にしているし、アメリカや世界の諜報機関も絡んで来る。

 怪獣(禍威獣)が次々と出現するのは、使徒が不気味に襲ってくる『エヴァンゲリオン』のよう。

 人の巨大化はテレビ版のメフィラス星人のエピソードで出て来るのだが(アキコ隊員が巨大化する)、『進撃の巨人』を思わせる。
 当初、ウルトラマンは『銀色の巨人』と称されていた。

 というわけで『シン・ウルトラマン』堪能しました!
 あらゆるエンタメ要素が詰め込まれている感じ。
 音楽も懐かしい。
『シン・仮面ライダー』も楽しみだ。
 さて、以下はネタバレ。
『シン・ウルトラマン』を未見の方はここでストップして下さい。




 ………………………………………以下、ネタバレ。


 物事を大きな視点で見てみると世界は違って見えて来る。
『シン・ウルトラマン』は宇宙からの視点だ。

 怪獣(禍威獣)は実は宇宙人が放置した戦略生物兵器だった。
 大地を掘削したり、ウランなどの核物質を探したり、威力偵察をおこなったりする生物兵器なのだ。
 それが突然、目覚めてしまった。

 人の巨大化は人類を生物兵器にするためのメフィラス星人の陰謀。
 人類は知性を持っているので生物兵器として怪獣(禍威獣)より役に立つのだ。

 そして全宇宙の宇宙人たちは、地球という星に生物兵器に転用可能な人類という生物がいることに気づいてしまった。
 これからはさまざまな宇宙人が飛来して人類狩りが始まるだろう。
 そうすれば宇宙の秩序が乱れる。
 ゾフィはこれを阻止するために地球爆破を考える。
 天体制圧用最終兵器ゼットンを起動させる。
 このゾフィの動きにNOと言うウルトラマン。
 ゼットン破壊のための戦いを始める。

 すべてがうまく繋がりましたね。
 実に見事な裏ストーリー!
 テレビ版で描かれた個々のエピソードの行間を埋める作業でもある。

 それは先日、最終回を迎えた『鎌倉殿の13人』も同じ。
 脚本の三谷幸喜さんは『吾妻鏡』に描かれた個々の事実の行間を読み、波瀾万丈のドラマにした。
 ちなみに庵野秀明さんは1960年生まれ。三谷幸喜さんは1961年生まれの同世代である。
 庵野さんはテレビの「特撮」で、三谷さんは「歴史」で行間を埋める作業をしている。

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鎌倉殿の13人 最終回「報いの時」~この世の怒りと呪いを抱えて私は地獄へ行きます。

2022年12月19日 | 大河ドラマ・時代劇
「この世の怒りと呪いを抱えて私は地獄へ行きます。
 私の名が汚れる分だけ北条の泰時の名が輝く」

 頼朝(大泉洋)亡き後の義時(小栗旬)の思いはこれだった。
 すべては強固な板東武者の世をつくるため。
 そのために非道なことに手を染め、血を流して来た。
 汚れるのは自分だけで十分。
 泰時(坂口健太郎)には自分と同じような政治をさせたくなかった。
 他にもやり方があったかもしれないが、不器用な義時には血を流す方法しかなかった。

 そんな義時を理解している政子(小池栄子)。
 頼家(金子大地)が殺害されたことを知っても許した。
 生きて、なお帝殺害という罪を重ねようとする弟を見かねて
 政子は解毒剤を与えなかった。

 それでも生きようとして床の解毒剤を啜ろうとする義時。
 うめき声をあげて床を這う。
 もうこれで十分だ、これ以上罪を重ねなくていいという思いで床の解毒剤を拭う政子。
 それでも啜ろうとする義時。
 そして力尽きて「姉上……」
 この「姉上……」は政子への恨みや怒りの「姉上……」ではない。
 弟が姉に甘えるような感じ。
 義時は昔の小四郎に戻った。

 そんな義時に政子は「ご苦労様でした。小四郎……」

 本当に「ご苦労様でした」の生涯だった。
 その姿は運慶(相島一之)が彫った仏像のように「化け物」になってしまったが……。
 人は罪を重ねれば、こうした醜悪な姿になってしまうのである。
 だが、そんな義時には政子という理解者がいた。

 泰時という希望も残すことができた。
 泰時は言う。
「新しい世を作るのは私です」
 これに対して義時。
「きれいごとでは世は治まらぬというのに。いちいち腹の立つ息子だ」

 以前も書いたが、歴史にはブルドーザーのように荒々しく道を切り拓く者がいて、その後に整地する者が現われる。
 司馬遼太郎の言葉だ。
 そして今作の場合、ブルドーザーが義時であり、整地する者が泰時である。
 泰時は武家のルール『御成敗式目』を作成した。

 希望はトウ(山本千尋)も。
 トウはいくさで親を亡くした子供たちに武術を教えることに。
 もはやトウがその手を血で染めることはない。

 平盛綱・鶴丸(きづき)は生きていた。
 自分は何かに守られていると言っていたが、それは八重(新垣結衣)?

 三浦義村(山本耕史)とはこんなやりとり。
「おなごは皆、キノコを好むと言ったのは嘘だ」
「早く言ってほしかった~」

 りく(宮沢りえ)は時政(板東彌十郎)がサツキ(磯山さやか)の世話を受けて亡くなったと知って、「あの人はおなごにもてるのです」と呆れながら涙。
 実はなかなかいい夫婦だった。

 いい夫婦と言えば、泰時と初(福地桃子)も。
 初にとって『真面目』は『偉い』の意味らしい。

 彼らは良い顔になりましたね。
 トウや義村は憑き物が落ちたよう。
 義時も死によって解放された。
 義時は「報いを受けて地獄へ行く」と言ったが、おそらく義時が行ったのは穏やかな世界だろう。

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素朴な疑問~「台湾有事」と言うけれど、日本はこれに介入するのか?

2022年12月17日 | 事件・出来事
 あれよあれよと「防衛費倍増」と「敵基地能力保持」が決められちゃったよ。
 しかも「閣議決定」で。
 首相の岸田文雄は「わが国の安全保障政策の大転換」と表現したが、
 だったら閣議決定はダメだろう?
 これを公約に掲げて選挙で信を問えよ。
 この前の選挙で「防衛費倍増」とか言ってたか?
 やり方が「国葬」の時と同じだな……。
 閣議決定で何でも決めてしまう。
 しかも臨時国会が終わったと同時に。やり方が姑息なんだよ。
 来年の通常国会で審議されるのかね?
 ………………………………………………

 軍拡を推進する勢力は「他国が攻めて来ることへの抑止力」と言うが、本当に攻めて来るのか?

 ロシア?
 ウクライナ侵攻で余力はありません。
 攻めて来るとしたら北海道だが、シベリアを越えて軍隊を動かさなければなりません。

 北朝鮮?
 攻めるとしたら、歴史的な経緯からいって韓国だろう?
 海を渡って攻めて来るリスクを犯すバカはいない。
 仮に半島有事で日本の米軍基地にミサイルを撃ち込んで来るかもしれないが、
 国力のない北朝鮮がアメリカ・韓国・日本に戦争を仕掛けて来るとは思えないんだよね。

 中国?
 これも歴史的な経緯から言えば、攻めるのは台湾だろう?
 そのどさくさに紛れて、尖閣や先島諸島は占拠されるかもしれないけれど。
 だったら島の防衛に予算を全力で投入すべき。

 故・安倍晋三氏は「台湾有事は日本の有事」と勇ましいことを言ったが、
「台湾有事」で日本はこれに介入するのかね?
 ウクライナ侵攻が示すように、EUやアメリカがやっているのは「武器供与」だけだ。
 第三次世界大戦になってしまうから「軍事介入」はできないのだ。
「台湾有事」でもそれは同じ。
 日本が軍事介入などできるわけがない。
 隣国の友人として両者の間の仲介をするのがベストではないか?
 それに対中国強硬派の台湾の蔡英文総統は、先日、選挙で負けて辞任したぞ。
 台湾は中国融和路線に向かうかもしれない。

 というわけで、今回言いたいのは、
『中国・ロシア・北朝鮮が攻めて来るぞ→よし、軍拡だ!』
 という単純思考はやめてほしいということだ。

 別に中国・ロシア・北朝鮮の脅威を完全に否定するわけではないが、
 その可能性は何%なのか?
 当然、政府や防衛省はプロだからそういう分析をしているだろうが、
 大ざっぱでなく、もっと現状を踏まえた安全保障の議論をやってほしい。

 まあ、毎回書いているように、
 食糧自給率37%、エネルギー自給率12%の国が戦争しても勝てないんですけどね。
 だから勇ましいことを言うのはやめましょう。

 ネトウヨさんは「日本が占領されたらどうするんだ?」と言うが、
 ひとつの国を占領統治するって、とんでもないコストが掛かるんだぞ。
 それは中東を見れば明らか。
 ロシアはクリミアを併合したが、それは親ロシア派が多かったから。
 台湾も親中国派が実権を握って、多少のゴタゴタはあるかもしれないが、
 案外簡単に中国といっしょになるかもしれない。
 結果、台湾有事に備えて軍拡した日本がバカを見るかも?

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生駒里奈の歩みを描いた映像を見た!~生駒ちゃんには「涙」と「笑顔」がよく似合う!

2022年12月15日 | アイドル
 世の中には素晴らしい人がいて、乃木坂46時代の生駒里奈の歩みを動画でまとめている人がいた。

 映像は──
・オーディションの時の生駒里奈。
 後ろには現在、日テレのアナウンサーをしている市來玲奈さんの姿。
・16人のプリンシパルの時の生駒里奈。緊張した顔!
・AKB48のリクエストアワーに登場して、
「乃木坂46には超えなければいけない目標があります。その目標とは……AKB48さんです!」
 と号泣した生駒里奈。
 楽屋で抱きしめているのは衛藤美彩さん。
・神宮を始めとするライブの生駒里奈。
・紅白歌合戦に乃木坂として初出場した時の生駒里奈。
『君の名は希望』は短縮版でなくフルでやってほしかった。
・AKB48を兼任。
 その年の選抜総選挙で14位を獲った時の生駒里奈。
 僕も投票しました。
・メンバーのスキャンダル。
・6枚目シングルでセンターから解放されて倒れた生駒里奈。
・卒コンの生駒里奈。

 全編を見て思ったのは、生駒ちゃんには「涙」と「笑顔」がよく似合う!
 僕も生駒ちゃんを応援して、いっしょに歩んで来たから、見ていると涙が出て来る。
 誰かを推したり応援すると、こういう思い出がついて来るんだなあ……。
 この映像を見るたびに僕はあの頃に戻れる。
 そして気づく。
 やっぱり僕は生駒里奈が好きだったんだ、って。

 それでは御覧下さい。
【生駒里奈】やっぱり最強でした~Against~ 10thバスラ(YouTube)
 バックに流れているのは卒業曲『Against』

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鎌倉殿の13人 第47回「ある朝敵、ある演説」~家族が再生した! 死のうとする義時を守る政子、実衣、泰時!

2022年12月12日 | 大河ドラマ・時代劇
「鎌倉が守られるのなら命を捨てようと、この人は言った」
「この人は一度たりとも私慾に走ったことはありません」

 前回、僕は本作を『家族崩壊の物語』と書いたが、違っていた。
 今回は『家族再生の物語』だった。
 政子(小池栄子)は義時(小栗旬)を守った。
 実衣(宮澤エマ)も「わたしも保証します」と守った。
 泰時(坂口健太郎)も守った。
 時房(瀬戸康史)もムードを作った。
 北条一家がひとつになった瞬間だ。

 義時はうれしかっただろう。
 政子を始めとして、自分を理解してくれている人がたくさんいた。
 少なくとも北条の家族には、憎まれていなかった。
 自分は孤独ではなかった。

 政子の演説は義時の思いでもある。
「上皇様に従って西の言いなりになるのか? 戦って板東武者の世をつくるのか?」
「三代にわたる鎌倉の遺跡(ゆいせき)を守るのです!」
「頼朝様の恩に今こそ応えるのです!」

・板東武者の世をつくること。
・鎌倉を守ること。
・頼朝の恩に報いること。
 これらのために義時は行動して来た。
 非道なこともすべてはこれらのためだった。
 それを政子が代弁してくれた。
 政子は義時のすべてを理解していたのだ。
 義時にとってこんなうれしいことはないだろう。

 政子の演説を、武士たちを鼓舞する演説で終わらせず、義時の思いも表現した所はお見事!
 ……………………………………………

 義時は人生のまとめと終わらせ方を考えている様子。

 朝廷が対峙した清盛、義経、頼朝と比較して、
「北条の小せがれが彼らと並んだのです。面白き人生でございました」
「これが執権としての最後の役目。良い頃合いかと」
 そして跡を継ぐ者として泰時を指名。
 義時、まだ御家人を怒鳴りつけたりしているが、別の境地に入りつつありますね。
 最後に彼はどんな風景を見るのか?

 一方、実衣と政子。
 義時の言葉を受けて、
「カッコ良すぎるのよ!」
「大丈夫、カッコ良いままでいかせません」
 カッコ良く死ぬな。
 美しく死ぬな。
 どんなにカッコ悪くても、地面に這いつくばってでも生き抜け。
 これ、三谷幸喜さんが書き続けていることなんですよね。

 だから三浦義村(山本耕史)もこんな生き様。
 上皇の院宣をもらって北条討伐を企むが、状況が変わると、
「これが私の所に届きました」笑
 決して褒められた生き方ではないが、三谷さんはこれを肯定している様子。
 義村はどんなにカッコ悪くても、しぶとく生きることを選んだのだ。
 それにしても義村はいつもこれだなぁ。
「とりあえず様子をみよう」笑
「俺に任せろ」笑

 次回は最終回。
 義時が殺害されるとすれば、『のえ説』が有力になって来た。
 政子、実衣、泰時は今回和解したし、義村は様子を見て終わりそう。
 となると動機を持つ残りの人物は、のえ(菊地凛子)。
 政治的な動機でなく、半ば私怨の不慮の死。
 これの方が義時に合っている気がする。

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また増税かよ? 防衛費1兆円を国民負担でお願いしたいで岸田内閣、大炎上!

2022年12月10日 | 事件・出来事
 防衛費倍増。
 それに伴い、1兆円分を国民負担でお願いしたい、と岸田首相と鈴木俊一財務大臣が表明。
 国民負担=増税である。
 増税、増税、増税──増税ばっかりだぁ。
「お願いしたい」と言うが、政府は一度だって国民のお願いを聞いてくれたことがあったか?
 岸田首相の「聴く力」とは何なのか?

 聞く所に拠ると、今年は過去最高の税収らしい。
 財務省は過去最高の税収だから、増税してもいいと考えているのかね?
 でも最高になったのは、物価が上がったからだ。
 物価が上がれば消費税に拠る税収が増える。
 あとは円安差益かな?
 でも円安は輸出企業は儲かるかもしれないが、国民には物価高をもたらす。
 結果、国民は節約を強いられる。
 結果、日本の国内市場はどんどん縮小していく。
 政府や財務省はこれがわからないのかね?

 防衛費2%の財源を生み出す方法はもうひとつある。
 景気を良くするのだ。
 単純すぎる例えだが、わかりやすく書くと、景気が2倍になれば、税収も2倍になる。
 そうすれば防衛費2倍のために税金をあげなくていい。
 その方法のひとつは『減税』だ。
 政府よ、財務省よ、一度減税してみろ。
 これで人々はお金を使う。
 消費が増えて、景気が回復する。
 減税すればいったんは税収が減るが、減った分は景気が回復するまで国債で補えばいい。
 これまでも経済対策として補正予算が組まれていたが、このやり方で効果があったか?
 焼け石に水。
 一時的なカンフル剤にはなるが、すぐにその効果は消えてしまう。
 …………………………………………………

 防衛費2倍については言いたいことはこれ。

①アメリカの言い値で買うな。
②中抜きをやめろ。
③使えない武器を買うな。
 1台の戦車より万の数のドローンの方が有効なんじゃないの?
④食糧自給率、エネルギー自給率の低さをどうするの?
 どんなにご立派な武器があっても燃料がなければ動かないぞ。
 腹がへってはいくさはできないぞ。
⑤原発はどうするの?
 攻撃されたらそれで負けだぞ。
⑥ムダな予算の削減をしてから防衛費UPを言え。
 何で足し算ばかりなんだ? たまには引き算をしろ。

 この防衛費1兆円の国民負担については、自民党でも炎上しているらしい。
 ここで増税すれば、今度の選挙で逆風が吹くからだ。
 何しろ自民党のやっていることは増税ばかりだからなぁ。
 結果、岸田首相は昨日、1兆円の財源は『法人税』からと言い出した。
 でも、これは財界が反対するだろうな。
 どうする、総理大臣・岸田文雄?
 まあ、岸田首相としては低支持率でいいから、国民に評判の悪い『増税』と『原発再稼働』を決めて、来年夏、広島でおこなわれるG7サミットを花道に退陣するというのがシナリオだろう。
 そして自民党の重鎮として居座る。

 それにしても検討ばかりの岸田首相、決断する時はどうして悪手ばかりを打つのかねえ?
 国葬しかり、原発しかり。
 国葬は右派の支持を得るため、原発は財界の支持を得るため。
 たまには国民の言うことに耳を傾けろ。

コメント (9)
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