平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

鎌倉殿の13人 第45回「八幡宮の階段」~実朝、仲章、公暁──それぞれの死……

2022年11月28日 | 大河ドラマ・時代劇
 さまざまな死が描かれた。

 刃を前に実朝(柿澤勇人)は抵抗しなかった。
 実朝は公暁(寛一郎)の憎しみを受け入れた。
 斬られることによって、自分の罪を清算した。
 その罪は実朝の意思でおこなわれたことではないのだけれど……。
 実朝は生きることが嫌になってしまったのかもしれない。
・頓挫した宋船の夢。
・自らの性。
・鎌倉殿になった経緯。
 これらが実朝を絶望に追いやった。 
 あるいは自らの死を予感していたのかもしれない。
 歩き巫女(大竹しのぶ)の言葉が頭の中で響く。
「天命に逆らうな」

 ただ、唯一の心残りは千世(加藤小夏)。
 死を予感していた実朝は千世に歌を残していた。
『出ていなば
 主なき宿となりぬとも
 軒端の梅よ
 春を忘るな』

 源仲章(生田斗真)は死に際して、
「寒い! 寒いんだよー!」
 権力欲のかたまりで野心満々の仲章は、この世に未練を残す。
 その気持ちを表した言葉が「寒い! 寒いんだよー!」だった。
 天命を受け入れた哀しい実朝の死とは対照的だ。

 そして公暁。
 犯行の動機について、政子(小池栄子)にこう語る。
「知らしめたかったのかもしれません、私の名を。
 公暁──私には武士の名前はありませんでした」
 無抵抗な実朝を見て、公暁の実朝への憎しみは霧散してしまったのだろう。
 結果、残された動機は「武士の名前」がないことだった。
 公暁は「武士の名前」を取り戻すべく京で再起を図る。
 公暁はまだ生きることを諦めていなかった。
 しかし背後に三浦義村(山本耕史)の刃が……!

 実朝、仲章、公暁──それぞれに人生があり、さまざまな死があった。
 振り返れば『鎌倉殿の13人』は人の死の物語であった。
 上総介、義経、頼朝、比企能員、頼家、畠山重忠、和田義盛、時政、実朝──
 だから作品は義時の死で終わるのだろう。
 ……………………………………

 義時は完全に闇落ちした。
 運慶(相島一之)に「迷いがない顔」になったと言われる。
 三浦義村からは「脅えている」と言われる。
 義時は権力を維持するために迷いなく何でもする男になってしまった。
 一方で誰かが自分を殺すのではないかと脅えている。
 だから政子の威光にも頼った。
「頼朝様のご威光を示せるのはあなただけだ」
 一方、こんな自分になってしまった愚痴、怒りも吐露。
「あなたは何をしたのです!?」
 義時は、政子が汚いことに手を染めて来なかったことに怒りをぶつけた。

 義時は孤独である。
 絶対的な権力者になったのに不安でもある。
 運慶はどんな義時の仏像を彫るのだろう?

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今週の1枚~自民党の佐藤正久氏、Windowsのデスクトップの画像を北朝鮮のミサイルの炎と誤認。笑

2022年11月27日 | 事件・出来事
 ネットで見つけた今週の1枚。

 

 Windowsのデスクトップの画像を北朝鮮のミサイルの炎と誤認。笑

 指摘を受けて削除したらしいが、
 日本の防衛を担う自民党の議員がこんなレベルなんだぜ。
 笑うを通り越して、あきれてしまう。

 戦争したら絶対に負けるから、やめとけ。
 防衛費増額?
 まずはパソコンの勉強から始めてください。

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防衛費増額!~どうせ使えない武器をアメリカの言い値で買って中抜きするんだろう?

2022年11月25日 | 事件・出来事
 防衛費増額の議論が始まった。

 まあ、防衛予算が有効に使われるのなら仕方ないとも思うんだよ。
 でも、使えない兵器をアメリカの言い値で高く買って、
 仲介者は中抜き、議員は利権にして大儲けって図式が透けて見えるんだよな。

 その証拠に、現状でも「弾薬」が足りなくて継戦能力がないらしい。
 現在の5兆円の予算はいったい何に消えているのか?
 戦闘機や戦車をムダに買っていないか?
 防衛予算の使われ方を一回検証すべきだろう。

 あとは、「食糧自給率」と「エネルギー自給率」の低さ。
 戦争が始まって食料とエネルギーがなければ、
 いくら優れた武器を持っていても簡単に負ける。
 1945年に敗戦した太平洋戦争の時、日本の食糧自給率は高かった。
 それでも庶民は配給で食料をもらい、足りなければイモを食べていた。
 だが現在はそれ以下。人口もはるかに多い。
 いったいどうするの?
 エネルギーも平時の今でさえ、冬に節電しましょうと言ってるレベル。
 いったいどうするの?
 原発もなあ……攻撃されて爆発したらそれで終わり。
 いったいどうするの?

 あとは防衛費UPのために税金を上げるらしい。
 国債という案もあるらしいが、
 政府の有識者会議は「次世代にツケをまわすからダメだ」と否定的らしい。
 というわけで財源は税金。
 また増税かよ!
 人々はますますお金を使わなくなり、
 戦争やる前に、日本の国内市場は死ぬぞ。
 ………………………………………………

 以下は、防衛費を国債でなく増税でまかなうことに対するネットの言葉。

・ゾーゼイばっかり!

・後世に負担が駄目なら原発もNGな
 まあお得意のダブスタで増税すんだろ

・当面外国への資金援助は止める
 という声は聞こえてきません

・異次元緩和とかやっといて今更では?

・何度も何度も言ってるように!!
 くだらなく無駄な「男女共同参画費」と「子供家庭庁費」をゼロにカットして、浮いた13兆円を丸々軍事費に回せばいいだけ。

・可処分所得はますます減っていくからな
 消費は冷え込む冷え込む

 まさに、そのとおり。
 防衛費UPのために増税するのなら、防衛予算を含めて現状の予算の使われ方を検証すべき。

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「メタバース」と「web3」~この未開拓の市場に日本は参入できるのか?

2022年11月23日 | 事件・出来事
 先日の「朝まで生テレビ」を見ていたら、『メタバース』『web3』という言葉が飛び交っていた。
 現在の『web2』でがGAFA(Google・Apple・Facebook・amazon)が席巻しているが、
『web3』では、ビジネスで入り込める余地があるらしい。
 つまり未開拓の市場なのだ。

 まず『メタバース』
 wikipediaによれば
・「超(メタ)」と「宇宙(ユニバース)」を組み合わせた造語。
・コンピュータの中に構築された、3次元の仮想空間やそのサービスを指す。
 日本にあっては主にバーチャル空間の一種で、企業および2021年以降に参入した商業空間をそう呼んでいる。
 将来インターネット環境が到達するであろう概念で、利用者はオンライン上に構築された3次元コンピュータグラフィックスの仮想空間に世界中から思い思いのアバターと呼ばれる自分の分身で参加し、相互に意思疎通しながら買い物や商品の制作・販売といった経済活動を行なったり、そこをもう1つの「現実」として新たな生活を送ったりすることが想定されている。


 これはイメージしやすい。
 夏の日テレのドラマ『ユニコーンに乗って』でも、これが描かれていた。
『ユニコーンに乗って』は、仮想空間の教育ソフトをビジネスにする若き起業家の物語だった。
 ここでユーザーはアバターになって仮想空間に生き、英語などを勉強するのだ。
 着る服なども選べるので、それがマーケッティングになり、服飾メーカーとのタイアップ・資金援助も得られる。
 アクセスは基本無料だが、仮想空間の商品を買うなどの経済活動も可能。

 これは楽しそうだな!
 仮想空間に生きるのか。ワクワクする!
 ビジネスとしても無限の可能性がありそうだ。

 そして『web3』

・ユーザーが、サーバーを介さずネットワークで直接つながる分散型web。
・データを「ブロック」単位で記録。
・そのデータの履歴情報を「チェーン」のように連結して、保存して管理。


 わかりやすいのは『仮想通貨』だろう。
 ここには円もドルもない。
 この世界だけの通貨が存在して経済活動をおこなえる。
 その通貨でデジタル商品を売り買いできる。
 仮想空間であれば土地も買えるし、投機もできる。

 ちなみにweb3の前段階であるweb2は、サーバーを介しての他のユーザーとデータのやり取り。
 現在、メインでおこなわれているシステムである。

 メタバースとweb3
 まだまだ学ぶことがたくさんあるが、世の中が変わりそうな感じがする。
 国とか国境とか関税とかがなくなりそう。
 現実より仮想空間の方がリアルになりそう。
 そして未開拓の土地ゆえの無限の可能性。
 まあ、これらに対しても国は規制を入れて来るんだろうけど。

 さあ、このweb3に関して、日本はどう対応する?
 すでに台湾、中国に遅れをとっているようだけど。
 当然、GAFAも全力投球しているだろう。

 だから、頭の古い政治家や企業経営者はご退場いただきたい。
 特に自民党の先生方、利権を貪っている時代じゃないぞ。
 デジタル人材の育成、新規デジタル企業への援助こそ急務なのだが、
 やっているのは経団連などの大企業優遇。
 既得権を持った企業への予算配分なんだよなぁ……。
 日本では台湾のオードリー・タンのような人材は出て来ない……。

 ちなみに1980年代の『ジャパン・アズ・ナンバー1』と言われていた時、
 日本の企業は世界の有力企業10社に名を連ねていたが、現在はTOYOTAでさえ42位だそうだ。
 
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鎌倉殿の13人 第44回「審判の日」~ここからが修羅の道だ。つき合ってくれるな

2022年11月21日 | 大河ドラマ・時代劇
 実朝(柿澤勇人)暗殺の背景は次のようなものだった。

・公暁(寛一郎)の憎悪。実朝、義時を排除する!
・公暁を使って鎌倉でのし上がろうとする三浦義村(山本耕史)
・しかし暗殺の企ては事前に発覚。
 三浦はいったん様子見。状況次第で公暁に荷担することに。
・義時(小栗旬)は企てを事前に察知したが、黙認。
 逆にこれを利用して実朝、源仲章(生田斗真)を一掃しようとする。
 義時が実朝を見限ったのは、実朝が武家の都を京に遷そうとしたからだ。
 義時は時房(瀬戸康史)に言う。
「これからは修羅の道だ。つき合ってくれるな」

 見事な歴史ミステリーですね。
 三谷幸喜さんは『古畑任三郎』などのミステリーを書いているが、それが大河ドラマでも。
 ………………………………………

 そんなミステリー仕立てのドラマの中に、さまざまな人間ドラマがあった。

 政子(小池栄子)の喜びと絶望。
 冒頭、政子は右大臣になった我が子を喜ぶが、
 頼家(金子大地)の死の真相が実朝の耳に入り、拒絶される。
「私には母上がわからない! あなたという人が!」
 母親として、こんなにつらいことはないだろう。
 そんな政子に義時は言う。
「私たちは自分のしてきたことを背負って生きていくしかないのです」
「私たちは正しかった。いつだって」
 この言葉、政子だけでなく、自分に対しても言ってる言葉なんだろうな。

 母親の物語はもうひとつ。
 公暁の母・つつじ(北香那)は企てを止めるように公暁に言う。
「おのれの道(八幡宮の別当)の道を行くのです」
「母は少しも惨めでなかった。あなたがいたから生きて来られた」

 実朝と公暁。
 実朝は公暁に謝罪し、北条を排除して、鎌倉を源氏に取り戻そうと語る。
 しかし、実朝は純粋すぎて、公暁の闇は深すぎた。
 公暁は言う。
「だまされるか……!」

 三浦義村はしたたか。
 義時と敵対勢力を天秤に掛け、状況が少しでも悪い方向に傾くと、すぐに方針転換する。
 ふり返れば、義村はずっとこうして生き抜いて来た。
 
 トウ(山本千尋)はしくじった。
 三浦義村暗殺にも失敗したし、考えてみるとトウは結構しくじっている。
 ネットでは鋭い指摘。
「トウは元は普通の少女だったし、根っからの暗殺者じゃなかったんだよ」
「善児(梶原善)を殺害した時点で、彼女は燃え尽きたんだろうな」
 それにしても源仲章は性格悪い!
 鶴岡八幡宮で義時に、生きてるアピール!笑

 さまざまな登場人物の思いが交錯し、ぶつかりあって描かれる鶴岡八幡宮の悲劇。
 三谷幸喜、円熟の筆である。

 義時もなあ。
「立ちはだかる者は皆、同じ道をたどる。これが鎌倉の流儀。源仲章を殺せ」
 いまだかつて、こんなことを言う大河ドラマの主人公がいただろうか?
 今後の大河ドラマの製作者は頭を抱えていることだろう。
 善良で正論だけを語る主人公はたちまち義時と比べられてしまう。
 
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銀河英雄伝説を読む6~オーベルシュタイン登場! 光には影がしたがう。お若いローエングラム伯にはご理解いただけぬか

2022年11月18日 | 小説
 ヤンのことばかり書いて来たので、帝国のことも書こう。
 若くして帝国で元帥の座にのぼりつめたラインハルトはこんなことを考える。

 参謀がほしい──ラインハルトの願望はこのところ強まる一方だった。
 彼の望む参謀とは、必ずしも軍事上のものとはいえない。
 それならラインハルト自身とキルヒアイスで充分だ。
 むしろ政略・謀略方面の色彩が濃い。
 これからは、宮廷に巣喰う貴族どもを相手に、その種の闘争が、はっきり言えば陰謀やだましあいが増えるだろう、とラインハルトは予想している。
 とすると、その方面における相談の相手としてはキルヒアイスでは向いていないのだ。
 これは知能の問題ではなく性格や思考法の問題なのである。


 政治的にのし上がっていくためには陰謀やだましあいが必要なんですね。
 これを似合う相談相手としてキルヒアイスは善良すぎるとラインハルトは考えている。

 そんなラインハルトの心の中を読んで登場したのがオーベルシュタインだった。
 ここでのラインハルトとオーベルシュタインの駆け引きが面白い。

 オーベルシュタインは言う。
「私は憎んでいるのです。ルドルフ大帝と彼の子孫と彼の生みだしたすべてのものを……ゴールデンバウム朝銀河帝国そのものをね」
「銀河帝国、いや、ゴールデンバウム王朝は滅びるべきです。
 可能であれば私自身の手で滅ぼしてやりたい。
 ですが、私にはその力量がありません。
 私にできることは新たな覇者の登場に協力すること、ただそれだけです。
 つまりあなたです。帝国元帥、ローエングラム伯ラインハルト」


 ラインハルトもゴールデンバウム王朝打倒を企んでいるのだが、
 オーベルシュタインの誘いに簡単には乗らない。
 もしかしたら罠かもしれないからだ。
 だから言う。
「キルヒアイス、オーベルシュタイン大佐を逮捕しろ。
 帝国に対する不逞な反逆の言辞があった。
 帝国軍人として看過できぬ」


 これに対してオーベルシュタイン。
「しょせん、あなたもこの程度の人か……。
 けっこう、キルヒアイス中将ひとりを腹心と頼んで、あなたの狭い道をお征きなさい」

 ここで原作では地の文でこう書いている。
 半ば演技、半ば本心の発言だった。
 オーベルシュタインは、ラインハルトが自分を試しているのか、本心で謀反人と考えているのかを探っているのだ。
 もしラインハルトが本心で謀反人と考えているのなら、オーベルシュタインの賭けは失敗したことになる。

 オーベルシュタインは、逮捕を命じられたキルヒアイスにも語りかける。
「キルヒアイス中将、私を撃てるか。
 私はこの通り丸腰だ。それでも撃てるか?
 撃てんだろう。貴官はそういう男だ。
 尊敬に値するが、それだけで覇業をなすに充分とは言えんのだ。
 光には影がしたがう……。
 しかしお若いローエングラム伯にはまだご理解いただけぬか」


 オーベルシュタイン、カッケー!
「お若いローエングラム伯にはまだご理解いただけぬか」と言ってのけた!
 もちろんラインハルトは「光には影がしたがう」ことを理解している。
 冒頭に書いたように「影」を求めていたからオーベルシュタインを参謀に抜擢する。
 自分の本心を見抜いて賭けに出たオーベルシュタインの手腕も評価したことだろう。

 権力闘争では「汚れ仕事」をする人間が必要なんですね。
 リアルな政治学だ。
 日本の野党にはこれが欠けている……。
 一方、与党もなあ……。
 世界でおこなわれている「汚れ仕事」と比べたら、底が浅くてお子ちゃまレベルだろう。

 話を『銀英伝』に戻すと。
 オーベルシュタインは自分の能力と限界がわかっている。
「私にはその力量がありません。
 私にできることは新たな覇者の登場に協力すること、ただそれだけです」

 キルヒアイスが権謀術数に向かないように、
 オーベルシュタインが覇者になれないように、
 人には能力の限界と役割がある。
 田中芳樹先生の人間観は実にクールだ。

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ファミレス『ガスト』で、ロボットが料理を運んで来た話

2022年11月16日 | その他
 ひさしぶりにファミレス『ガスト』で食事をした。
 都内のすこし大きな店舗。
 注文はタブレットで。
 はいはい、いくらおっさんでもタブレットでの注文くらいできますよ。
 注文したのはチーズイン・ハンバーグ&コーンポタージュ・ライス・ドリンクバーのセット。

 しばらくすると驚くべき事が起こった。
 何とロボットが料理を運んで来たのだ!
「アオイ・トレイノ・リョウリヲ・トッテクダサイ」と言ったように聞こえたので、料理を取る。
 料理を取って終了ボタンを押すと、ロボットはそのまま帰っていった。

 いやあ、すごい時代になったものだ。
 回転寿司では注文したお皿がレールで運ばれて来るシステムがあるが、まさかロボットとは!
 これも時代の変化だなあ。
 大きな時代の転換期を目撃していると思う。
 今後、世の中はどう変わるのか?
 もう少しがんばって生きてみたいとも考えた。

 さて、話は戻って『ガスト』。
 おっさんは新たな難問に悩み出す。
 食べ終わった料理の皿をどう下げてもらうか?
 よく見ると、ロボットが他のお客さんの料理を運んで行き来している。
 では、帰って来るロボットに空の皿を乗せればいいのか?
 他のお客さんを観察する。
 料理の皿をテーブルに残して席を立った。
 なるほど、そのままにしておけばいいのか。

 これで安心して、ドリンクバーのコーヒーを飲みながら本を読んでいると、
「お皿、お下げしますか?」
 店員さんが声をかけて来た。なかなか可愛い店員さんだ。
「お願いします。ごちそうさまでした」
「ごゆっくりお過ごし下さい」

 たったこれだけのやりとりだったが、ほっこりした。
 やっぱり人間がいいよな。
 ロボットではこういうやりとりはできない。
 客がお皿を下げてほしいと思っていることにも気づかない。
 仮にロボットがお皿を下げに来て
「ゴユックリ・オスゴシクダサイ」と言っても、ほっこりすることはない。
 こちらもロボットには「ごちそうさまでした」と言わない。
 これがアナログの良さである。

 近い将来、自動車の自動運転はあたりまえで、
 ドローンが荷物を運んで来る時代が来ると言われているが、
 社会はどのように変わっていくのだろう?

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鎌倉殿の13人 第43回「資格と死角」~北条がまつりあげた源実朝は鎌倉殿にあらず!

2022年11月14日 | 大河ドラマ・時代劇
 義時(小栗旬)は泰時(坂口健太郎)に語る。
「お前なら私が目指していてなれなかった者になれる」
「いずれあの男が立ちはだかる。源仲章に借りをつくるな」

 義時が目指していたのは、朝廷から独立した武家政権の維持だ。
 そのために非道なこともやって来た。
 だが修羅の道を歩むのは自分だけでいい。
 聡明さとやさしさを備えた泰時なら穏やかな政治ができるだろう。
 自分はそのための礎になる。

 義時の本意はこんな所にあるのだろう。

 しかし課題は山積みだ。
・実朝(柿澤勇人)と後鳥羽上皇(尾上松也)の蜜月。
・源仲章(生田斗真)の台頭。
・公暁(寛一郎)の帰還。
「必ず鎌倉殿になってみせる。私はそのために戻って来た」

 さて義時、この難問をどう解く?

 そんな中、義時の思いを打ち砕く決定打が生まれた。
・頼仁親王が鎌倉殿に。
 これには誰も異を唱えることができない。

 これには政子(小池栄子)も荷担した。
 藤原兼子(シルビア・グラフ)と政治的な駆け引きをする政子。
 最後には兼子の心もつかんで従三位に。
 トキューサ、もとい時房(瀬戸康史)も蹴鞠で後鳥羽上皇と親交を深めたようだ。
 鎌倉はどんどん西の方の方に傾いていく。

 茨の道、修羅の道を歩く義時。
 孤独だなぁ。
 頼仁親王を人質にする、と考えているようだが、果たして?

 そんな中、三浦義村(山本耕史)が公暁を焚きつけた。
 公暁の父・頼家(金子大地)が暗殺されたことを語り、
「北条を許してはなりませぬ」
「北条がまつりあげた源実朝は鎌倉殿にあらず」
 義村にしてみれば、公暁が鎌倉殿になることは「三浦が這い上がる好機」なのだ。

 同時にこれは義時にとっても形勢逆転の好機でもある。
・実朝がいなくなれば鎌倉の朝廷勢力は一掃される。
・公暁を謀反・暗殺の罪で死に追いやれば源氏の勢力は鎌倉から一掃される。
 まさに一挙両得の策だ。
 義時がどこまで読んでいたかはわからないが、
 朝廷から独立した武家政権を確立するために、西の方に尻尾を振る実朝が邪魔なことは確か。
 公暁の行為を義時は黙認するのだろう。
 三浦義村と義時はどこまで通じているのか?

 暗殺・粛清に拠る政治と武家政権の確立。
 義時はこれを引き受けている。
 その手法は実に荒っぽいが、これが鎌倉という時代なのか?
 義時、乱暴で不器用過ぎないか?
 政子の「融和」「相互理解」の方向の方がいい気もするが、
 まだ時期尚早なのだろうか?

 サブタイトルは「資格と死角」
 資格は公暁。
 死角は頼仁親王。
 確かに頼仁親王の鎌倉殿抜擢は義時にとって「死角」であった。
 あるいは鶴岡八幡宮・大銀杏の「死角」を表しているのか?

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CMで木村拓哉さんと共演した話

2022年11月12日 | その他
 岐阜・信長祭りで木村拓哉さんが話題になっているが、僕は木村さんと共演したことがある!

 と言っても、CMのエキストラとしてなんですどね……。
 今の仕事で食えない時にエキストラの仕事をしてた。
 仕事の単価は安いが、数をこなせば月10万くらいは稼げたし、芸能人に会える!←ミーハー。

 僕が木村拓哉さんと共演したのが、某CM。
 木村さんクラスになると、本人が出演するのは本番くらいで、
 カメラリハーサルなどは「スタンドイン(代役)」を務める。
 あの代役の方、木村さんにそっくりだったな。
 おそらく木村さんのものまねで時々テレビに出ている芸人さん。
 いっしょのロケバスに乗って撮影現場の河原に行った。

 スタッフの木村さんに対する気の遣い方もハンパじゃなくて、
「本人の前では決して『キムタク』って言わないで下さい」
 と注意される。

 さて撮影。
 僕は河原を散歩するおじさんの役だった。
 待機していると木村拓哉さんがゆっくりと歩いて来た。
「おおっ、キムタクだ! いや木村拓哉だ!」
 遠くからでもハッキリわかる。
 ためらったが、ここは社会人の常識として挨拶した方がいいよね、と思って、
「おはようございます」と挨拶すると、
「おう……」と返してくれた。
 この感じ、やはり木村拓哉だなぁ。

 そして撮影は一発OK。

 撮影現場でのことを外でしゃべるのは基本NGなのだが、
 まあ、10年以上前のことなので時効だろう。
 かくして僕には「木村拓哉と共演して挨拶を交わした」という武勇伝? が生まれた。
 女の子に話すと結構食いついてくれる。

 隙間時間で稼ぎたい方。
 芸能人に会いたい方。
 エキストラの事務所に登録してみるのもありかもしれません。
 登録料を取られますが、僕が在籍していた頃はほぼ毎日仕事があって、元はすぐに取れました。

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相棒21 「眠る爆弾」 ~今回のエピソードは「旧統一教会問題」をモチーフにして作られたのだろう

2022年11月10日 | 推理・サスペンスドラマ
 3つの爆弾の物語である。
 ひとつめは、冒頭の大学校内で爆発した爆弾。
 ふたつめは、三沢准教授(山崎潤)に仕掛けられた爆弾。
 みっつめは、眠る爆弾。

 みっつめの「眠る爆弾」について書けば、
「大学の研究費の低さ」だ。
 社会に有益な研究なのに国から資金が下りない。
 不況で資金を出す企業もない。
 これが今回の犯行を招いてしまった。

「眠る爆弾」
 言い換えれば「潜在する社会問題」だ。
 ラスト、右京さん(水谷豊)は言う。
「眠る爆弾。これは積もり積もっていつ爆発するかもしれません」
 亀山薫(寺脇康文)は言う。
「俺たちが気づかないだけで、本当はそういう爆弾がまわりにたくさんあるのかもしれませんね」

 さて、この「眠る爆弾」について、最近起こった事件を思い起こす人も多いだろう。
 安倍晋三氏銃撃事件だ。
 安倍氏は「旧統一教会」という「眠る爆弾」が爆発して殺害された。
 あの事件が起こるまでは、旧統一教会は一部の人を苦しめていたが、
 この20年間、社会問題として大きく取り上げられることがなかった。
 このことが山上容疑者の犯行を招いてしまった。

 今回のエピソードは、7月8日の事件をモチーフにして製作されたのだろう。


※追記
 三沢准教授に仕掛けられたふたつめの爆弾についてはネタバレになるのでキイワードだけ。
 下半身に掛けられた毛布。
 クラッシュ・シンドローム。
 なるほど、こういう殺害方法のトリックもあるのか。

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