平成エンタメ研究所

最近は政治ブログのようになって来ました。世を憂う日々。悪くなっていく社会にひと言。

楽天・野村監督に学ぶ

2009年10月30日 | スポーツ
 報道ステーションにチャンネルを変えたら、楽天・野村監督が出演されていた。
 途中からだったが、自分は監督として江夏、江本、門田のクセのあるやつに鍛えられたという話をされていた。

 江夏をストッパーにしようとした時はひと悶着あったらしい。
 今までエースでやって来た自分を8回、9回だけのストッパーにするとは何事か!と江夏が怒ったのだ。
 当時は先発・中継ぎ・抑えという投手の分業態勢がなかった時代。
 先発投手として実績を作ってきた江夏としては怒るのが当然だ。
 しかし野村監督は地道に説得を続ける。
 これからの野球は先発・中継ぎ・抑えという分業態勢になること。
 勝つために江夏がストッパーになることが必要なこと。
 それでも江夏は納得しない。
 ある時、野村監督は江夏が幕末、新選組のファンであることを知る。
 そこで監督はこう江夏に話した。
 「お前がプロ野球史上はじめてのストッパーになって、球界に<革命>を起こそうじゃないか」
 この<革命>という言葉が江夏に火をつけた。
 以後、江夏はストッパーとして大活躍する。

 実に面白いエピソードだ。
 江夏というプライドの高い暴れ馬を野村監督は手なずけ見事に乗りこなしたのだ。
 野村監督はこういう体験こそ自分を成長させてくれたと言う。
 江夏を説得した体験はどんな馬でも乗りこなせるという自信を監督に与えてくれたのだ。
 だから楽天の山崎を手なずけることなどは赤子の手をひねるようだったらしい。

 苦労は買ってでもしろというのはこういうことなんですね。
 人間関係でわれわれは<クセのある人間>を敬遠しがちですが、そういう人間こそが自分を成長させてくれる。
 いい教訓話でした。

 <枯れて自分を突き放して達観して見ているようでいて、一方で野球への情熱、欲望でギラギラしている>と野村監督のことを評した古舘伊知郎さんのコメントもなかなか的確。
 途中からの5分くらいの視聴でしたが、わずかな時間でもいろいろなことが学べるんですね。


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相棒 「ミス・グリーンの秘密」

2009年10月29日 | 推理・サスペンスドラマ
 「ミス・グリーンの秘密」

 妹を殺されたミス・グリーンこと二宮緑(草笛光子)。
 池に落ちて心臓麻痺。
 戦後の混乱期からいっしょに生きてきた妹。
 その妹の死の原因は単なる悪戯、遊び。ハプニング映像を撮るため。
 この何ともやりきれない理不尽な死。
 ハプニング映像を撮ろうとした方に良心の呵責がないのも腹が立つ。

★よく出来た動機ですね。
 右京(水谷豊)さんも「ふざけているのは君の方です」と殺されかけた男を叱っていたが、見ている方も同じことを言いたくなってしまう。
 何しろ彼らの悪戯がなければ、ミス・グリーンは人生の残りの時間を心穏やかに過ごすことが出来たのだから。憎悪の炎を燃やさなくてもよかったのだから。

 推理ものにおける動機はドラマを形作るものですが、こういう犯人に共感してしまう動機というのはいいですね。
 前回のような<雑誌の存続のため><妻と別れるため>では使い古されていて動機としてはイマイチ。
 仮にも人を殺すんですから、それなりの強い思いがないと。
 そう言えばミス・グリーンがカメラの男を殴り殺したのだって、もつれあった果てのもので明確な殺意があったわけではないんですよね。
 人を殺すということが安易に扱われていないのがいい。

★今回の右京さんの推理は二段階。
 野鳥観察をする人はバッグをたすき掛けにするということを右京さんは知っていた。
 だが現場に行って水鳥を観察する時はバッグを地面に置くことを聞く。
 そこで犯人はバッグを池に放り投げたのではないかと右京さんは推理するのだが、<水鳥を観察する時はバッグを地面に置く>ことを知らなかったのがいい。
 そのことを右京さんが最初から知っていたら、<スーパー刑事>になってしまう。
 右京さんも知らないことがある。
 これで人物にリアリティが出るんですね。

★人物のリアリティとしては神戸(及川光博)もそう。
 キャリアにもかかわらず案外人情派なんですね。
 本人は「交渉人として自分が一番適切だと思ったから」と否定していましたが、ミス・グリーンの<盾>になったのは明らか。
 神戸にも亀山薫に通じるものがありました。
 右京さんも<相棒>として少しは信用したのではないでしょうか。

※追記
 水谷豊さんと草笛光子さんは「熱中時代」共演されてましたね。
 あのドラマ、好きでした。
 「久しぶりです~、校長先生の奥様~」みたいな会話が交わされたのだろうか?

※追記
 右京さんは米沢さんに「志ん朝」の落語のCDを借りていた。
 ふたりは「志ん朝」ファン!
 こうやって新たな設定が加えられていくんですね。
 

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リアル・クローズ 輝きたい症候群

2009年10月28日 | 職業ドラマ
 働く女性もの。
 香里奈さんが頑張っている。
 ともかく走る、走る!
 大日本繊維との宴会で答えたクイズの答えも……。
 ファッションに絡めた人生ウンチクもなかなか。
 たとえば「本当の自分がわからないと何を着たらいいかわからない」とか「つまらない物を着ているとつまらない一生になる」「服は自信さえも創り出す。私達は魔法使いにもなれるのよ」とか。
 原作は槇村さとるさん。だから物語がしっかりしているんだ。映画「プラダを着た悪魔」の感じがあるけど。

★ところでこうした働く女性ものは女性にどれくらい共感を得ているのだろうか?
 徹夜して接待して、秒刻みで働く美姫(黒木瞳)。
 これが幸せか?
 水嶋知子(片平なぎさ)だって、恋愛・結婚もせずに働いて、センスが時代に合わないということで結局はお払い箱。
 作家は生命を完全燃焼させて働く<輝く女性>を描きたいのだろうが、<輝く女性>が本当に幸せなのか?
 ある社会評論家は<輝くことは素敵>というのは高度経済成長期の価値観で、成長が横ばいの現在の成熟社会のものではないと言う。

 ということで、この価値観は十分に吟味された方がいい。
 少なくとも立ち止まってよく考えた方がいい。
 まず現実は<輝く女性>になれるのはごくわずか限られた人だけ。
 美姫のような生活が苦にならない人だけ。
 美姫にはイチローが毎日のトレーニングが苦にならないというのと同じように苦にならない才能があるのだ。
 この現実を忘れて、私も<輝く女性>になれる、なりたいと思うのは大きな間違い。
 これは女性だけでなく男性も同じ。
 いい加減、<輝きたい症候群>は幻想だと思って捨てた方がいい。

 ドラマで絹恵(香里奈)はいったんはそれを否定していたが、結局は<輝きたい>の方に行ってしまった。
 その結論は正しかったのか?
 絹恵のことを思って婚約指輪を引っ込めた彼氏と暮らす方が幸せに思えてならない。
 また、マネージャー試験を受ける姿は受験、偏差値に取り込まれていく受験生のような感じがした。
 マネージャー試験を受けるということはシステムに取り込まれるということ。

 結局、人は自分の身の丈に合った幸せ、生きがいをみつけていくしかない。
 そこに<勝ち組・負け組>はない。
 結局、自分に合った服探しということになるのでしょうが、高級品、ブランド品だけが幸せではない。


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JIN -仁- 第3話 恐るべし、内野龍馬!

2009年10月27日 | 大河ドラマ・時代劇
 蝶のはばたきが嵐になる。だから自分は自分のできることを精一杯やっていく。
 
 深いですね。
 確かに歴史の大きな流れの中では、大河の一滴、自分の存在などちっぽけなものですが、それで懸命に生きることは捨ててはならない。自分の信じることをやめてはならない。
 ちっぽけな一滴だが、まわりを少しは潤している。(仁が咲に与えた影響のように)
 ちっぽけな一滴だが、それが集まれば大きな力になる。(江戸をコレラから救ったように)
 こんなことをハラハラドキドキの物語の後で語ってくれるとは!
 どこかのテーマもくそもない大河ドラマとは大違いです。

★今回は内野聖陽さんの演じる龍馬について。
 いやあ、体がよく動く。
 「風林火山」の勘助の時にも感じたけど、内野さんって体幹がしっかりしているんですよね。
 すっと背筋が通っている。ふにゃふにゃしていない。
 これは海老蔵さんとか歌舞伎系の役者さんにある特徴ですが、歌舞伎系でない内野さんもそう。
 体がしっかりしているから肥桶担いでハチャメチャに体を動かしてもせりふがしっかりしているんですね。

 これを「天地人」の悪口ついでに、妻夫木聡さんと比べてみるとよくわかる。
 妻夫木さんの兼続はほとんど動かない。座ってしゃべっているだけ。しかも声量、深さがない。
 一方、あれだけ体を動かして声量、メリハリのあるせりふを言える内野さんってすごい。
 そして体を動かせる役者さんって見ている方も気持ちがいいんですよね。
 アニメでよく動いている絵が気持ちいいのと同じ。
 竹中直人さんの演技が面白いのもそういうこと。

 役者さんを見る時のポイントは体がしっかり動いているか。顔がしっかり動いているかなんですね。
 動かない役者さんはカメラワークやカット割で助けられている役者さんと言っていい。
 役者さんは体で何かを表現しないと。体を使わないと。

 ところで来年の福山雅治さんの龍馬は脅威ですよ。
 内野さんの龍馬とどうしても比較されてしまう。
 こういう比較もドラマを見る楽しみですね。

※追記
 咲(綾瀬はるか)の母・栄(麻生祐未)は立派な武家の母親でした。
 帰るように言われた咲に「いくさの途中で戻れる家などありません。そのようなことでどうしていくさに勝てるのです」と一喝。
 本当は咲のことが心配で戻ってきてほしいのに敢えて突っぱねる。
 この作品には凛とした人物が多いですね。


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天地人 第43回「実頼追放」

2009年10月26日 | 大河ドラマ・時代劇
 「実頼追放」

★兼続(妻夫木聡)は<現実路線>の武将として描かれるべきでしたね。
 上杉家を守ること、民を守ること、生きることのためには<義>など関係ない。<義>の理想などくそ喰らえ。
 そんなふうに描かれれば、人物として一貫していた。

 今回注目すべきはこのせりふ。
 「弟らは道を誤っておりまする。義だ誇りだと申しておる輩は、己の体面のみを欲している者。上杉の目指すものはそんな小さなものではない」

 こう言われたら実頼(小泉孝太郎)はつらい。
 確かに世間の評判は気にしていたけど、実頼がしたことはもっと純粋なところから来ていた行動。
 現に景勝(北村一輝)は実頼のことを<気骨のある男>と評しているわけだし。
 それをこんなに簡単に否定されては浮かばれない。

 あるいは石田三成(小栗旬)との約束はどうなったのか?
 兼続は「われらの正義を伝えるために生きたはず」。
 でも本音はどうあれ世間の目には徳川に擦り寄っているように見えるわけだし、<正義>を伝えることにはなっていない。
 あるいはこの擦り寄りの背後に隠された本音があるなら、「正重殿をお迎えするのは我が家にとって大きな誇りでございまする」と絶対に言ってはならない。
 他に言いようがあるはず。

★まあ、義や兼続の人物像を論じていると、この作品は矛盾だらけなので、ここまでにするが、今回はドラマとしても実に薄い。
 疑問だが、実頼は本当に改心したのであろうか?
 この状態なら普通切腹している。一回刀を振り上げたんですからね。
 あるいは高野山に身を潜め、幸村と共に再起を図るぐらいのことをするはず。
 この辺、どうも説得力がない。

 こうなるとどうしても気になるのは最終回の最後のナレーションですね。
 兼続の生涯を総括してどうナレーションするか?
 ここに作家が描きたかった兼続像が表現されてくるはず。
 「義に生きた生涯」なんてことは絶対に書かないで下さいよ、小松先生。


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オトメン 乙男 恋愛講座

2009年10月25日 | 学園・青春ドラマ
 少し遅れましたが第2話。
 今回は恋愛の相性について考えてみる。

★飛鳥(岡田将生)は萌松音羽(市川由衣)の元カレにこう言った。

 「女らしいとか、男らしいとか、外見とか、人を好きになるのに、そんなこと関係ないんじゃないですか」

 恋愛って基本的には<本当の自分>を認めてくれる人探しなんですね。
 萌松音羽のようにモテ女を演じて仮にモテても空しいだけ。
 なぜなら本当の自分が愛されているわけではないから。
 おまけに演じることって疲れてしまう。

 でも飛鳥とりょう(夏帆)は違う。
 りょうは乙女な飛鳥を認め、飛鳥は男らしいりょうを認めている。
 第三者から見ると、飛鳥の男らしくないこと、りょうのがさつはマイナス要素。
 だが、ふたりにとってはそれらが美点に見える。お互いにマイナス要素を肯定し認めている。
 こんな相手にめぐりあえたら人は幸せだ。
 無理をせず自然な自分でいられること。
 これが恋愛における必須条件。

★ただ、世の中、こんなに恋愛がうまくいかないのはなぜだろう?
 外見とか、演じている相手の演技に惑わされてしまうから?
 一般に言われているイイ男、イイ女の基準に縛られているから?
 こんなことをしたら嫌われると思って自然な自分を見せられないから?
 イイ男、イイ女を演じてしまうから?

 いずれも正解だと思うけど、少しずつ自分を見せる努力をしてみよう。
 たとえば、充太(佐野和真)のように熱く少女マンガを語るとか。
 自分の好きなものなら熱く語ることが出来る。
 それで引かれたらその相手とは相性が合わなかったということだ。
 少女マンガを熱く語れる男子を求めている女子はきっといるはず。

 それにしても今回はF4か。
 少女マンガで遊んでますね。
 そして少女マンガは昔からたくさんの人に恋愛を教えてきたんですね。


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不毛地帯 第2話

2009年10月23日 | その他ドラマ
★今回は社会勉強。
 戦闘機購入をめぐる政官財の関係の勉強。
 それは次のようなもの。

 ラッキード社の戦闘機の戦闘機の売り込みを図る近畿商事。
 グラント社の売り込みを図る東京商事。
 争うふたつの商社は政治家に接近する。
 政治家・大川一郎(佐々木敏)への賄賂。
 しかも海外の銀行を迂回してのマネーロンダリングのような送金。
 官房長官の貝塚道生(段田安則)は戦闘機の性能比較の書類を握りつぶし、グラント社を有利にする。

 なるほど、こういうからくりか。
 政治家、官僚、そして企業はこんなふうにもたれ合って、金儲けをしてきたんだ。
 これでは政治家は儲かるはず。国の借金は増えるはず。
 権力には金がついてくる。
 川又(柳葉敏郎)のような正論を言う官僚は飛ばされる。

★今回、社会勉強としてさらに面白かったのは、政治家・大川が当てにならないとわかった壹岐(唐沢寿明)が国防委員会の政治家の久松清蔵(伊東四朗)を動かすところだ。
 大川がダメなら別の政治家・久松を動かす。
 結果、久松の方にまた金が流れる。
 こうして大川派、久松派という派閥が出来てくるんですね。

 そして企業にとって壹岐のような人脈を持つ人間は大変重宝。
 なにしろ川又や久松と信頼関係があり話が出来るのですから。
 だから企業は様々な人脈を持つ官僚の天下りを受け入れるんですね。

★この様に「不毛地帯」には戦後社会の縮図がある。
 縮図といえば、毎朝新聞の政治部記者・田原秀雄(阿部サダヲ)の存在も面白い。
 壱岐と川又が癒着しているのではないかと探る田原の行動は、一面、東京商事を利する行為でもある。
 そしてラストではラッキード社の戦闘機事故を東京商事航空機部の鮫島辰三(遠藤憲一)にリークされ、記事にする。
 政財官の関係にマスコミも重要な役割を果たしているわけだ。

 結論!!!!!
 戦後社会は政治家、官僚、大企業、そしてマスコミに支配されている。
 この四者が世の中を自分達に都合のいいように動かしている。
 互いに利益誘導している。
 何も持たない庶民はそりゃあ生きづらいはずだ。

 2009年、民主党政権はこれらの重くのしかかった構造をぶち壊してくれるのだろうか?


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相棒 「さよなら、バードランド」

2009年10月22日 | 推理・サスペンスドラマ
 鈴虫の鳴き声の波長は携帯電話で聞こえない。
 そんなことを知ってる右京(水谷豊)さんって……。

 ともかくそのことから嘘がバレ、真相追究になった今回の事件。
 見事なのは<交換殺人>というトリックをさらにひとひねりしている所だ。

 ネタバレになるので詳しくは書かないが、右京が<交換殺人>と断定した瞬間、次のような事態が発生する。
 何と交換殺人で殺されたはずの妻・梨絵(大竹一重)が生きていた!
 そして交換殺人を依頼した夫・黒木(神尾佑)東が地下室の階段から転落して死んでしまう!
 黒木の死は事故と警察は断定。
 では<交換殺人>ではなかったのか?

 ここから「相棒」独特のひとひねりが出て来る。
 実は黒木の転落死は巧妙に仕組まれた殺人だった。
 若い頃、梨絵を愛していた犯人は、黒木が梨絵を殺そうとしていることを知って彼女を守ったのだ。
 この犯人の思いがドラマになっている。

 いささかひねりすぎの感じもあるが、これが「相棒」。
 これを同じ推理ドラマ「アンタッチャブル 事件記者・鳴海遼子」第1話と比べてみるとその差がわかりやすい。
 「アンタッチャブル」一話のトリックを簡単に言えば、<報道キャスターが予告して起きていた事故はある宗教団体がやっていたことだった>というもの。
 このことが番組の中盤でわかってしまう。
 そしてこのトリックが物語の最後まで続き、何のひねりもない。
 犯人を追いつめ方もイマイチ。
 それは犯人が主人公を屋上から突き落とそうとする所に警察が駆けつけ逮捕されるというもの。
 今回の右京さんのように罠を仕掛けて、証拠品の回収に来た犯人を捕まえるというこみ入ったことをしない。
 「アンタッチャブル」の作りは実にシンプルなのだ。

 「相棒」の複雑さと「アンタッチャブル」のシンプルさ、どちらが好きかは意見の分かれる所だが、「相棒」を見てしまうと、シンプルな作りの推理ドラマは物足りなくなる。

※追記
 今回の右京さんのラストワードは「愛と利益は両立しない」。
 雑誌「バードランド」存続のための殺人と梨絵を守るための殺人を同時にやったことで失敗した犯人のことを言っているんですね。
 毎回、右京さんがどんなラストワードを言うかも注目です。

※追記
 前回が<学生運動>で今回が<ジャズエイジ>。
 シーズン8は60~70年代のこだわりがあるのだろうか?


 
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JIN -仁- 第2話

2009年10月21日 | キャラクター
 第2話

★世の中には突破力のある人がいるもので、この作品では咲(綾瀬はるか)。
 咲は未来を変えてしまうことに悩む仁(大沢たかお)を責め、帰ろうとする緒方洪庵(武田鉄矢)に意見する。
 咲はこの物語の推進役だ。
 あれこれ悩む登場人物たちに叫び、彼らを行動に移らせる。

 突破力という点では龍馬(内野聖陽)もそう。
 龍馬は何のためらいもなく、友人を背負い、コロリで隔離している長屋に入り込む。
 洪庵が仁を信じる信じないでなかなかでウジウジ言っていることなど関係なく、仁を信じている。

 咲や龍馬には<とらわれ>がないんですね。
 人は様々なしがらみや保身でなかなか行動に移せない。
 あれこれ理由をつけてやるべきことをやらずに済ませようとする。
 でも彼らにはそれがない。
 だから痛快でさわやかなのだ。
 龍馬が幕末のヒーローなのは、とらわれがなく自由だからだ。

 今回、「頼むぜよ!南方先生!!」と言って龍馬が友人を背負ってコロリの長屋に入ったシーンは隠れた名シーンだと僕は思う。


★このようにわれわれも<しがらみ>や<保身>を捨てて自由に道を切り開いていきたいものですね。
 そして道を切り開いた後には新しい自分が見えてくる。
 仁は第一話で「痛みを与えない縫い方も知らないヤブ医者の自分」を発見し、第二話では「心から患者を助けたいと想っていた昔の自分」を取り戻した。

 とらわれなく生きていくことは、すごくエキサイティングで発見の連続なのだと思います。

※追記
 咲には<家族>というとらわれがありましたね。
 仁に「治療に関わって命を落としたら母上が悲しむ」と言われ、いったんは帰ってしまう。
 しかし「戦わずに逃げるのは我慢できない」と言ってコロリの現場に戻ってくる。
 突破力があるんですね、彼女には。


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東京DOGS

2009年10月20日 | 推理・サスペンスドラマ
★日本の刑事ドラマに銃撃戦は合わないんですね。
 なぜなら日本で銃を発砲することってほとんどないし、外国の映画やドラマの銃撃戦を見ている者ならそのチャチさがわかってしまう。
 役者さんも本物の銃を日常的に持っているわけではないからイメージしづらいだろうし。
 だから銃撃戦はドラマの味付けならありだが、前面に出てしまうと子供の拳銃遊びに見えてしまう。

★ギャグもすべり気味なのがつらい。
 小栗さんや水嶋さんのようなイケメン漫才コンビがいたらすごい人気になるだろうが、やはり本職にはかなわない。おまけにカメラワークのせいでボケツッコミの間やテンポが微妙にずれる。
 視聴者はレッドカーペットなどで、本物の漫才を見慣れて目が肥えていますからね。どうしてもすべった感が強くなってしまう。

 このように銃撃戦にしても漫才にしてもやらされている感が強く、小栗さんも水嶋さんも可哀想。
 彼らの本質は心のドラマを表現することにあると思うのだが、ドラマは非常に薄い。というよりほとんどない。

★刑事ドラマとしてもイマイチ。
 彼らが戦っているのは麻薬組織とのことだが、今ひとつ敵の姿が見えてこない。
 狙われている松永由岐(吉高由里子)を外に出すのもおバカだし、重要な事件であろうはずなのに捜査本部も置かれていない。関わっているのは三人だけ。
 不審車輌の男ふたりを捕まえたら当然尋問するでしょうし、ふたりのいたアパートを鑑識を入れて念入りに捜査するはず。
 視聴者は目が肥えていますからね、こういう嘘をつかれるとシラけてしまう。

 まあ、製作スタッフが狙っているのは刑事ドラマではなく、マンションの3つの部屋に住んだ男女三人のラブストーリーなのかもしれませんが。


※追記
 お母さんの電話ギャグも3回やられるとさすがにつらい。
 最初はおかしかったけど。
 これからも続けるのだろうか?


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