折々スケッチ

小さなスケッチブックやハガキに水彩と鉛筆ペン等で描いた絵を中心に、感じたこと等日記代わりに添えています。

長江のバックウォーター現象

2020年07月10日 | 中国の想い出


長江・馬鞍山李白公園から



新型コロナのニュースでは新しいカタカナ言葉が沢山出てきて、耳になじむまでに時間がかかりました。そしてまた続く豪雨災害、テレビの解説者が「バックウォーターが起きたようです」と言ってます。私にとっては新語です。テレビなので図解していただければ状況は分かります。本来向かうはずの水が逆に流れたらどうなるか、水が押し寄せた後の映像は恐ろしくて悲しい。

画面を見ながら、以前見た長江支流の逆流を思い出しました。
20年ほど前に滞在した長江沿いの蕪湖市、ここで黄山から流れてきた青弋江が長江に合流します。
初めてここを訪れた時、昔は灯台の役目もしたという高い塔と支流に浮かぶ船が歴史を感じさせて感動しながら汗を拭きふきスケッチしました。当然のことながら支流の水は塔の向こうを流れる長江に向かって流れていました。翌年の春も同じこと、ところが7月に行ってみると濁った水がゆっくり支流を遡っています。海から遠いのだから潮の影響は考えられない。逆流する川に私の記憶がおかしいのか目の錯覚かとも思いながら本流の長江に出てみると、水かさが増して何もかも飲み込んでしまいそうな勢いが怖かったことを覚えています。渡し船の桟橋は沈んでいて仮の桟橋が架けてあり岸の灌木は半分水に浸かっているのを見てやっと本流の水位が上がって逆流しているのかもしれないと思ったものです。宿舎に帰って日本語の分かる中国人に聞くと10日ほど前に上流で大雨が降ったからだと言いました。船着き場の辺りも道路はひたひたと水が溢れていたし、宿舎の前の道ではいつも湧き出している水の出かたが増して道は半分以上水浸し、バスがしぶきをあげて通過です。でも、皆さん慣れた感じで慌てない。長江沿いの低い土地なのでよくあることのようでした。




長江の支流・7月増水して静かに逆流中



停滞している梅雨前線の西の端は中国長江辺りにあります。大丈夫だろうかとネットで見ると蕪湖辺りの様子は分かりませんが、もっと上流の重慶は6月から洪水が続いているようです。
100年に一度などと形容されるような大雨や災害が毎年のようにどこかで起きて、この先子供や孫の時代にはどうなるのでしょう。人の力で何とかなるものならできる事はできるだけ、とは思うのですが・・・まだ間に合うのでしょうか。

これから10日間の天気予報で晴れは一日もなし、新型コロナと長引く梅雨とどうにもすっきりしない夏です。





長江・運搬船

寂しい七月

2020年07月07日 | 風景


雨の散歩道



健康維持のために歩かなければと思い近くを歩いています。先日は降ったりやんだりでしたが名古屋城南のお堀沿いを歩きました。例年の七月なら名古屋場所の準備で櫓が立ち力士の名を染めた幟が見られる頃、風呂敷包みを提げて浴衣姿の若いお相撲さんが行き交う風景は名古屋の夏の始まりでした。一度は見たかった「土俵まつり」昨年はうっかり忘れていて今年こそと思っていたのに、新型コロナのせいで東京での開催。またしても「コロナメ~~ッ!」です。





「アガパンサス」左側が名古屋城空堀


「ヤブカンゾウ」



お堀沿いの歩道にはアガパンサスの薄紫の花、もう少ししてヤブカンゾウのオレンジ色の花が満開になると大相撲の時期。一つ二つと咲き始めたヤブカンゾウ、今年は寂しく咲くことになりそうです。
 



ユリノキの蕾?実? 


風雨で枝ごと落ちている街路樹のユリノキ(ハンテンボク)の小枝を拾って帰ってスケッチしようと良さそうなのを選んでいると誰かが見ている「んっ?」見ていたのは植え込みの中の猫さん。丸く空いた空間にすっぽり収まってスマホを近づけても動じない。ここで雨宿り?「ご飯をくれる人を待っているの、ジャマだからあっちへ行って」多分そう言っています。エサも持たない私は相手にしてはもらえません。庭を荒らしたりスズメを捕らなければ大好きな猫、雨の続く季節にこんな植え込みの陰で過ごせるのか、寝る場所は別にあるのかしら、などと思いながらこの日は3kmの散歩でした。




ス・ズ・メ・・・・・

2020年07月05日 | 
  ミニ水連




先日出かけようと玄関を出るとスズメの警戒する鳴き声が「ヂ ヂ ヂ」と聞こえます。
なんで私を警戒するのと思って見ると玄関先のミニ水連の鉢に雀が止まっています。まだ羽毛がボサボサしているので小スズメらしい。どうやら水を飲もうとしているのに水が少なくて頭を下げても飲めない様子です。しぐさが可愛いのでスマホを出して写していると目の前に親スズメ(多分)がやって来て足を踏ん張って私を見ます。「子供に手を出さないで!」と睨まれている気がします。私はそっと離れてはがきを出しにポストまで行き帰ってみればいなくなっていました。庭の方に水飲みと水浴び用の鉢を置いてあるのに何もこっちで飲まなくてもと思いながらメダカの鉢にも水を足しておきました。このメダカの鉢の水は家の猫も好みのようで外に出ると必ずここで飲みました。
庭の方の小鳥用の鉢のそばに鳥のフンがあるので来てはいるようでした。










そして今朝の事、朝食用にミニトマトを収穫しようと庭に出ると、水の鉢のすぐそばに地面を引っ掻いた跡と数枚の羽。
昨日の雨が上がってから今朝までに・・・起きたことは想像できます。







低い位置の水の鉢、これがなければこんなことにはならなかっただろうと思います。
早速片付けていると、屋根の上で「チュンチュン」鳴いています。子供を探しているのかもしれません。自然に生きている鳥、自己責任とは思いながらやっぱり・・・「ごめんね・・・」・・・。

まだまだ「正しく恐れる」

2020年07月04日 | 身のまわりの物


ドライフラワーと貝殻ー1




新型コロナウイルスが広がり始めた頃、ウイルスの脅威から自身や大切な人を守るために賢明な行動が求められる「正しく恐れる」という言葉をよく聞きました。あれから何ヶ月かたち自粛も解除されましたが、周りの友人知人たちの多くは今も外出を控えて過ごしています。
「初めてバスに乗ったわ」とか「まだ、地下街には行ってないの」という会話が普通に交わされています。正しく恐れているのか恐れ過ぎているのかは分からないけれど見えないコロナには近づかないという気持ちです。
私は7月2日に2月以来初めて電車に乗り県外に出かけました。自粛中なら不要の外出と言われるスケッチ旅です。ラッシュを避けて人の少ない静かな場所で会話もしないで過ごして家に着くと「東京の感染者は100人を超えた」というニュースです。まだこんな状況で出かけて良かったのかしら・・・と。

出かけた帰りの名古屋駅で夕食用に駅弁でも買おうとキオスクに寄ると棚に商品が少ないのにびっくり。弁当類は棚の半分近くが空いています。まだお客さんが戻っていないからでしょう。
食べたいものが見当たらないので買わずに出てコンコース隣の高島屋で大好きな御座候を買って帰ろうと地下へ降りてまたビックリ!食品売り場は大混雑。あれでも間隔をあけて並んでいるのか店のガラスケースの前は人がいっぱい。目的の御座候は一番奥、伸びあがって見るとかなり並んでいそうです。この混雑した中を通り抜けて並んでまで買うことはないとここも買わずに大急ぎで外に出ました。買わないとよけいに食べたくなったけれど・・・地下の食品売り場を見る限りすっかり日常が戻っている感じのデパートでしたがあんなに密、密、密で大丈夫かなと思います。

スケッチにも携帯用の消毒スプレーを持ってマスクして、人から離れて、できる事はしたつもり。
「正しく恐れる」を思い出しながら過ごさねば、まだまだ・・・まだのようです。



ドライフラワーと貝殻ー2

梅雨の晴れ間に・揖斐川(続)

2020年07月03日 | 風景

「揖斐川堤の上から美濃の山を望む」



揖斐川の堤防の上でスケッチしている時に出会ったのはトレーニング中らしい自転車の方だけ。できる事なら広い風景の中でいつまでもボーっと座っていたいのに、帰る時間が気になって駅に向かいました。





後ろの山は養老山地、孝子伝説の養老の滝も近いです





堤防を降りるとやっぱり山も一枚は描かなきゃと農機具小屋の日陰でスケッチ、それから往きにも気になっていた用水路の水門を描き始めたもののうまくゆかずペンだけで止めて家で着色しましたが、やはり少し変ですね。昨日の坂道の小屋、この後の駅のホームもペンだけで描いて家で色を塗りました。時間がない時や足場が悪い時などはペンや鉛筆だけで描いて色は後でということを時々、現地で仕上げるのが一番とは思いながらうまく出来ないことで時間を取られるより次に行きたいと心が急くのです。




「水門」




電車が来るまで誰もいない本当の無人駅のホームで短時間スケッチ。
13時11分発大垣行き、ちょうど2時間美濃山崎スケッチタイムでした。
養老鉄道養老線は現在は近畿日本鉄道の子会社です。私は頂き物の近鉄のチケットで乗れるかと思っていたのに乗れませんでした。かもしれないと思い駅員さんに聞いたので改札で止められた訳ではありません・・・一つ勉強になってチケット買いました。往きも帰りも同じではつまらないので帰りは大垣に出てJR東海道線で名古屋まで。

養老線の三重県よりの水田は青々としていたのに大垣近くはまだ田植えが終わって間がないような稲の間に空が映る田んぼでした。稲刈りもこの辺りは遅いのです。
ゴトンゴトンと大垣までの途中で魅力的な駅に止まっても思いつきの途中下車はしない。家で夕食を待っている人がいた頃はハラハラしながらも降りたのに・・・時間がある今は体力に自信がない。スケッチ先でもトイレがなければ長い時間行かなくても平気だったのにこの頃は熱中症予防で水も飲むし、長時間の我慢は難しくなりました。すこーしずつ・・・・・




「無人駅」




往復の市バス以外はかなり空きがある電車の旅、気持ちが明るくなる一日になりました。
名古屋→近鉄・桑名→養老鉄道・美濃山崎→大垣・JR東海道線→名古屋
6時間の旅でした。





(揖斐川・おわり)

梅雨の晴れ間に・揖斐川

2020年07月02日 | 風景

「坂道の小屋」




何ヶ月もの間自粛して遠出はせずにいました。
天気予報を見ると7月2日は晴れて後しばらくは梅雨空続きのようです。
自粛も解除されたし出かけるなら暑さが厳しくなる前の今がチャンスと出かけることにしました。名古屋駅に行くのも電車に乗るのも本当に久しぶり、電車のゴトンゴトンという音の懐かしかったこと。


目的地は山と水田と川がある風景、それもあまり遠くなく・・・Googleマップで探しておいた場所です。ラッシュを避けて家を出たのが9時過ぎ。バスで名古屋駅へ、近鉄で桑名まで行きそこから養老鉄道養老線に乗り換えて美濃山崎で降りました。ここは岐阜県海津市です。着いたのが11時10分、それから2時間、近くを歩いてはスケッチして久々に広い風景を楽しんで来ました。


山と青田の広がる風景を期待したのですが駅から歩き始めると水田にはあちらもこちらもソーラーパネルが並んでいてがっかり。
それなら川を見に行こうと堤防に行く途中で小さな小屋?が目にとまってスケッチ。
小屋の前の坂道を上ると揖斐川です。数日前までの大雨を受けて岸の木々の裾を洗うようにたっぷりと流れていました。堤防の上は舗装されて両側の斜面は一面の草原に白いヒメジョオン、ピンクのムラサキツメクサが群れていてお花畑のような清々しい風景を私は独り占め。ただ日影がないのは難点ですがまだ風は涼しくて、スマホの気温は27度表示。セイバンモロコシの穂が気持ちよさそうにサラサラ揺れて描くのを忘れてうっとり眺めてしまいました。







パイプの折り畳み椅子に座っておにぎり食べながらスケッチしていると「チュ チュッ~・・・」と何かが鳴いています。なんだろうと思っていると目の前の茂みからいきなり大きな声で「ホーホケキョ」「これでもわからないの?」とばかりに何度も聞かせてくれました。今年はまだウグイスの声を聞いていないので私にとっては初音です。今朝は家でアブラゼミの初鳴きを聞いたばかりなのにウグイスまで聞けて「7月2日は初音記念日」かなー。






「揖斐川堤から」
対岸のはるか向こうに名古屋駅のビル群がかすんで見えました


スケッチブックはF1サイズ
揖斐川はもう1日続きます(*^^*) 

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