ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2010.8.10 喉元過ぎれば・・・

2010-08-10 06:34:31 | 日記
 息子はまさに喉元過ぎれば・・・のタイプ。たとえば悪い成績をとったその時は、本当に地団太踏んで涙を流して、という言葉どおり悔しがるが、その悔しい気持ちが全く長続きしない。次の日にはケロリとして何事もなかったかのように振る舞う。

 しかし、わが身を振り返ってみてもそうだな・・・と反省する。
 息子が2歳児クラスに入った春から夏にかけて、大学のオープンカレッジで絵本作りを体験した。

 それぞれがいろいろな思いの中、子育てに関する絵本作りをした。本を作るには、まずその本に対する自分の気持ちを吐き出さなくては作れないということで、受講生それぞれがみんなの前で話をしたが、話をしながら泣いてしまう方もいた。
 先生がメイン1人サブ1人。さらにアシスタントがついて受講生は数人という贅沢な講座だった。

 私は「○(息子の名前)ちゃんがやってきた!」という題名で、絵本を作った。

 挿絵から文章から当然全部オリジナル。色塗りもして製本してビニールコーティングもして、それなりのものが完成した。とにかく手作り。正真正銘世界に1冊しかない絵本だ。

 作ってすぐ、息子を抱っこして何度か読んであげたけれど、本が読めるようになってからは、息子は忘れた頃に繰り返しめくっては読んでいた記憶がある。今でもひっそり本棚に入っている。そして、あの時の気持ちを、私こそ忘れてはいけない、と思う。
 今回ブログに書くにあたり、息子の本棚のどこにあるのか探してみたけれど、あまりにぐちゃぐちゃでわからなかった。息子に聞くと、すぐに探して持って来てくれたので、久しぶりに開いてみた。

 ○ちゃんは寒い冬の夜、赤い車に乗ってお母さんのところにやってきたこと(これは息子にどこからやってきた(産まれてきた)の、と聞いたところ答えてくれた言葉)、
 ○ちゃんをずっと待っていたのはもちろんお母さんだけじゃなくて、お父さんも、おじいちゃんもおばあちゃんもおじちゃんもおばちゃんも、みんなが○ちゃんがやってくるのをずっと待っていたこと、
 ○ちゃんは生まれて2ヶ月で一番小さい赤ちゃんとして0歳児組に入ったこと、首もすわらないふにゃふにゃの○ちゃんを「こわれもの」のように先生にそっとそっとお預けしたこと、
 ○ちゃんが「アンビだ!」と教えてくれる救急車にも乗ったこと、
 1歳児クラスでは、朝になると「保育園、行かないよ」、と言われて困ったこと、
 今は2歳児クラスですっかりお兄ちゃんになって「いってきます」の後の儀式(握手とチュッチュ)をすること
 ○ちゃんはもう決して赤ちゃんには戻らない、どんどん大きくなっていくこと
 「ママすきすき」とペタペタくっついてきてくれない日がやってくるかと思うとちょっぴり淋しい気がすること
 本当は○ちゃんがすくすく元気に大きくなってくれることが何よりも嬉しいこと
 お父さんとお母さんを飛び越えて自分の夢を叶えるために私たちの元から翔んで行ってほしい、
 言葉にするのは照れくさいけど、産まれてきてくれて本当にありがとう、一緒に大きくなっていこうね。

 というごくごく単純なお話。何のことはないのだが、名前の由来も一応そのストーリーに組み込まれている。

 最近、児童虐待の惨い事件が多いのがとても気になる。みんな最初は父親、母親1年生。試行錯誤をしながらだんだん親になっていくものだ。そして誰しも初めて自分の遺伝子を受け継ぐ新しい命と向き合った時に「産まれてきてくれてありがとう」と思ったはずなのに・・・。その時の気持ちを忘れてはいけない、と思う。
 子供は親を選ぶことはできないと言うけれど、とにかくとてつもない確率で自分のところにやってきてくれた授かりものなのだから。
 ・・・日々の子育てに反省と自戒を込めて。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする