ロッキングチェアに揺られて

再発乳がんとともに、心穏やかに潔く、精一杯生きる

2019.6.7 ハラヴェン5クール2回目翌々日のこととかつらリニューアル!

2019-06-07 20:49:08 | かつら

 昨夕は帰宅後洗濯物の片づけを終え、夫が帰宅するまで横になる。朝も昼も普段の半分程度しか食べられていないので、空腹で胃が痛むほど。なのに気持ち悪さが勝って生唾が止まらない。
 夫の酸辣湯麺はどんどん本格的にグレードアップしている。少し少なめにしてもらい、ドンペリドンの助けを借りて完食することが出来た。お見事。
 食後は後片付けをしてからリビングでまったりとビデオを観たが、2人とも眠くて、途中何度となく記憶が途切れた。

 火照りもあるし気持ち悪い。お腹がぐるんぐるんしてどちらを向いても吐き気はある。お風呂でゆっくり温まって、ひとつだけPC上で用事を済ませて、ワイパックスを飲み、ベッドに入った。気持ち悪さの中、ベッドで延々とのた打ち回らないで眠りにつけるのが精神衛生上とても良い。

 6時間近く連続して眠って目が覚めた。お腹の痛みはなく下痢する兆しもない。
 ルーティンの瞑想ヨーガを終えてから、今日も夕食用のサラダだけ準備した。夜は「食欲がなくてもこれなら召し上がれるのでは」と頂いた伊勢うどんを頂くつもりだ。青ネギタップリに卵を落として、がお薦めだそう。夫はこれだけではさすがに物足りないだろうし、カロリー不足だから何か肉を足さなければ。
 漢方2種を飲んでから、朝食。昨日お持ち返りにしたデニッシュひとつとブドウ、アメリカンチェリー、ゴールデンキウイを少しずつ、バナナスムージーとロゼロワイヤルの紅茶。味覚異常はそれなりにあるけれど、香りは楽しめる。
 今朝もイメンド80mg、デカドロン4錠、タケプロン、ビタノイリン、ロキソニンを飲んで出勤。出勤前に少しだけ固めの便を排出出来た。少しずつでも腸が動いてくれると気持ち悪さが改善されるので有り難い。

 今日はお天気が崩れるという。いよいよ梅雨のスタートだろうと大きな傘を持ってウエストストレスフリーのサロペットを着て、出勤。それでも気持ち悪い。昨日の帰り道、大学の植え込みに様々な紫陽花が咲き始めていたのに気付いた。この花は陽射しタップリの快晴よりも雨の日の方が一段と美しい。

 何か集中していると気が紛れてその時は気持ち悪さを忘れるけれど、ふとするとやはりお腹ぐるんぐるん、ハンカチで口元を抑える。
 今日は夕方まで無事働けるだろうか、と自問しながら過ごす。気圧や気温の変化で職場でも体調を崩している人がそれなりで、空席が目立つ金曜日だ。
 かくいう私は治療2日後の金曜日の後半から土曜日終日までが辛さのピークだ。そして回を重ねて薬が溜まってきているせいか、復活までに時間がかかって日曜日まで食い込み出しているのも事実。
 昼には外は土砂降りの雨になった。関東地方も平年より1日遅れの梅雨入りだそうだ。午後早退できたら、と思ったけれどあいにく飛び込みの案件が入ってしまったので、それを片づけて2時間だけ早退。お昼はドンペリドンを飲んでピクルス多めのサンドイッチを何とか頂いた。
 明日はたぶん篭城蟄居、明後日はリハビリしつつゆっくり過ごして来週の休薬週に向けて体調を整えたい。たまたまラッキーにも誕生日は休薬週、楽しみなことが待っている。人参がぶら下がっていると回復が早いかも。

 さて、もうひとつの話題である。
 今回人生3度目の脱毛中。
 現在職場につけていっているかつらは、7年前EC治療をした時、百貨店でスペアを含めて2つ購入したショートのものだ。

 生まれて初めてかつらを購入したのは、11年前にタキソテール治療を始めることが決まった時。かつら専門のいわゆる大手のサロンで、当時のヘアスタイルに合わせミディアムボブのものを購入した。これは高価だった。本体20数万円也だったと記憶している。がん患者回復支援サービスで2割引き適応だったけれど、あれこれ薦められるがまま附属品やらケア用品を一式揃えたら、値引き分は全てふっ飛んだと記憶している。患者というのは本当に金食い虫だと思い知らされた。

 そのサロンは自宅から近いバス停から揺られること30分、ドアツードアで45分ほどで通えて、大きさの調整はずっと無料。ただしかつらのシャンプー・カット・トリートメント等は普通の美容院で自毛にかける代金と同じくらいのお値段だった。けれど、その場で雑誌を読みながら待っていれば、すぐに綺麗にして返してもらえたので、スペア要らずで便利だった。
 ところがそのサロンが閉店になり、4つ離れた別のJRの駅近くにある別支店に統合されて、そこが一番最寄りになった。これでは、私鉄、JRを2回乗り換えて正味でも1時間近くかかる。その連絡が来てから、すっかり足が遠のいてしまった。まあ、シャンプー・トリートメントは自宅でも出来るけれど、たまにプロにやってもらうと仕上がりもセットの仕上がりも全然違うので、ちょっと残念に思っていた。

 百貨店にある、今使っているかつらのお店は、残念ながらシャンプー・トリートメントをその場では対応してくれない。3週間もお預かりなのである。3週間禿げ頭もしくは帽子を被って職場に行くわけにいかない。そのため、仕方なくスペアとして同じ物を2つ買った。ミディアムボブより大分安価ではあったけれど、それでも2つで10万を超えるお買い物である。なかなか不便を感じざるを得ない。

 さて、かつら生活で何が辛いって、とにかく夏の暑さである。これからのことを考えるととてもブルーだ。夏は帰宅すると、手を洗って口をゆすいで・・・よりもまず、玄関に入った途端「アタマを取りたい!」と思うのだ。ネットを被ってさらに毛の生えた帽子を被っているのだから、蒸れて暑いことこの上ない。自毛は発汗調節してくれるけれど、かつらはそんなことはない。緩ければズレるから、それなりにフィットさせるわけだが、すると頭を締め付けられるようで、調整がうまくいっていないと頭痛になる。

 というわけで、ここは暑さ対策も念頭に、最初に買ったかつらを復活させ、使える数を増やしたいなと考えた。しかし、ショートで通っている職場でいきなりミディアムボブを復活させるわけにいかないし(まあ、かつらなんですよ、というカミングアウトをするというのもひとつの選択肢ではあるけれど)、JRを乗り継いで行かなければならないサロンを予約して、ショートにカットしてもらうのが前提条件。けれど、このところの体調不良のため、すっかり頓挫している。

 そんな折、たまたま病院の化学療法室で医療用ウィッグのパンフレットを見つけた。夏向きの軽くて涼しいものや、耐熱でそのままお風呂にも入れますという進化したものがあるようだ。近くにあればいいけれど、と見ると通院時の乗換駅前のショッピングセンターにあった!もう一つのサロンは病院から2駅戻ったショッピングセンターに!
 ひとまず通院帰りでまだ体調が悪化する前に予約を入れ、OKが出たかつらサロンを訪れた。

 それにしてもここにこんなお店があったとは、と行ってみてびっくりした。このショッピングセンターには何度か入ったことがあるが、かつらサロンには全く気が付かなかった。普段どれだけボーっと生きていることか。それこそチコちゃんに叱られそうだ。訊けばお店は随分長い年月このショッピングセンターにあり、フロアで今のスペースに移動してから3年になるとのことだった。

 サロンを訪れて個室に入り、パンフレットを見ながら気を惹かれたものを幾つか出して頂いた。
 かつらを取ると、「治療が終わって生えてきたところですか。」と訊かれた。そう、オラウータンの赤ん坊の頭のようだ、といつか書いたけれど、落ち武者のようにザンバラで髪の毛が残っているので、そう言われればそういえないこともない。「いえ、今回3回目の脱毛で、2回はツルツルの丸坊主になったのですが、今回の薬はこういう抜け方をして・・・まだバリバリの治療中です。」とお話しする。

 回復支援割引サービスは、普通は1年間無料のメンテナンスだ。まあ初発で期間限定の脱毛ならそれで大体カバーできるわけだが、私は再発患者だから「死ぬまで治療が続くのですが、それでもずっと調整やメンテナンスはして頂けるのですか。」と訊くと、「もちろんです!」との有難い返事があった。家から2駅なら体調が悪い時もタクシーで通うことだって可能。もうここで買おう!と気持ちを決めた。

 さすがに前々回から10年経過、前回からも7年経過しているから、かつら業界も進化している。必要とする患者さんも増えているのだろう。吸熱性を持つクーリング効果のある素材で、蒸れ、暑さが解消されるという商品があったので、迷わずこれをチョイス。10年前はこんなのなかったなあ、としみじみ。
 最新の商品だというなんと20gしかない超軽量のショートのものと、60gほどあるボブのもの2種類を購入した。超軽量のものはサイズがかなり小さめで、被りたくても被れなくて諦める方が結構多いという。

 サイズ小さめということは、私は頭の中身が詰まっていないのね、、とちょっとトホホな気分になるが、これもご縁。「被れるのはラッキーですよ。」と言われる。かつらの下に被るキャップは最初SSを被らせて頂いたが、「まだ緩いので、ちょっとこのあたりにダーツを入れて詰めなければなりませんね。」と。うーん、そうなんだ、と思っていると、「試しにジュニアサイズのLを被せてみていいですか。」と訊かれ、被ったらこれでピッタリだった。そんなに頭が小さいとは知らなかった・・・。ケモブレインで頭の中が縮小しているのではないか。

 今のかつらが殆ど自然の黒色だし、またかつらを外せるほど長く髪が伸びたとしても、敏感肌になった皮膚にも良くないし、あえて髪の毛を明るく染めることはないだろう。だから「いきなり明るい色はちょっと抵抗があるのです。」と言うと、「瞳が茶色だし肌が白いので黒より明るい色の方が軽い感じでお似合い、お薦めです。」と言われる。超軽量の方は少し明るめの栗色で、初回調整で毛量増量も出来るというので、少しだけ自然の色の毛を組み込んで頂くことにした。そんなことが出来るのも驚き。「さすがに今日のお渡しは厳しいですが、明日以降なら」ということだったが、全くノープロブレム。実にハンドメイドな作業を施して頂けるのである。

 もう一つのボブスタイルはとても好みでいい感じ。サイドからフロントにかけての部分が少し長いので、こちらをフェイスラインに自然につながるよういカットしてもらい、大きさを少し詰めて頂くことにした。
 こちらは耐熱ウィッグなので、お風呂やサウナにもつけたまま入れますとのこと。これは凄い。今まで使っていた人毛ミックスのかつらは、冷水でシャンプー・コンディショナーするしかなかったので、冬の寒い時期、体調が悪いと、手から身体が冷えてしまい、結構辛かった。これもぬるま湯まではOKということで解消。

 メディカルサポートの期間限定キャンペーンで2割OFFと治療中の調整は何度でも無料という特典も頂戴し、とても満足。丁寧に調節してくださる担当のNさんともすっかり仲良くなった。
 体調が落ち着いたら受取に行こう。いつ新しい夏スタイルデビューするか今から楽しみなことである。少しでもご機嫌な夏を過ごせますように。
コメント
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