夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『アザー・ファイナル』

2003年09月10日 | 映画(あ行)
『アザー・ファイナル』(原題:The Other Final: Bhutan v.s. Montserrat)
監督:ヨハン・クレイマー
出演:オットリー・ラボーデ,パサン・ツェリン,ポップス・モリス,
   チャールズ・トンプソン,ワンゲイ・ドルジ他

2002年6月、ワールドカップの決勝戦、
ブラジル対ドイツの試合が日本でおこなわれた日、
FIFAランキング最下位の2チーム、
202位のブータンと203位のモントセラトが、
ブータンで最下位決定戦をおこなっていた。

オランダのCM監督である男性が、
自国が予選敗退したのをきっかけに
「負ける」ということに興味を感じて企画したこの試合。

お互いの国がどこにあるのかもわからない状況で企画は進んでゆく。
数年前に火山の噴火で競技場が火山灰を浴びたモントセラト。
彼らの国では試合をすることはできない。
そこで、モントセラトの選手がブータンに出向くことになったが、
経由地のカルカッタで伝染病にかかったり、高山病の影響が出たり、
思うようにはうまくいかない。
両チームのコーチはかたや突然死、かたや突然辞職。
審判もそろわない状況。

それでもなんとか開催にこぎつける。
どちらも最下位にはなるまいという思いは強いけれど、
勝敗を越えて、そこには絆が生まれる。

めっちゃええ話ではあるけれど、
ドキュメンタリーと言いつつ、演出しすぎの感。
サッカーボールを2つ、いたる場面で飛ばしてみたり
(やるなら最初と最後だけでじゅうぶん)、
クライマックスで流れる曲も興醒め。
77分という上映時間の短さにもかかわらず、
「ここで終われ!」と思った箇所がなんぼほどあったことか。
映画を1本分の時間はCM監督には長すぎたか。
でも、やっぱりこれはいい話でしょ。

ナイキとアディダスにスポンサーの依頼をしたのに
あっさり断られたと作品内で暴露されています。
彼らにユニフォーム一式を提供することぐらい、
ベッカムの生涯契約に比べたら屁みたいな金額だったでしょうに。
この最下位決定戦はのちに各国で話題になりました。
スポンサーに名乗りをあげていれば、
すごい企業イメージアップの機会だったのにと思います。

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