夜な夜なシネマ

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『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』

2003年09月18日 | 映画(か行)
『キャッチ・ミー・イフ・ユー・キャン』(原題:Catch Me If You Can)
監督:スティーブン・スピルバーグ
出演:レオナルド・ディカプリオ,トム・ハンクス,
   クリストファー・ウォーケン,ナタリー・バイ他

フランク・W・アバグネイルは16歳の高校生。
両親をこよなく愛していたが、
父の事業が行き詰まったのをきっかけに
夫婦仲が気まづくなり、離婚してしまう。

あまりのショックに家を飛びだしたフランク。
手持ちのお金は父から受け取った小切手だけ。
ひとりで生きてゆくためにフランクが思いついたのは小切手詐欺だった。

まずは学校新聞の記者になりすまし、
航空会社の内情を取材という名目で探る。
パイロットの制服を入手した彼は、見事パイロットに変身。
飛行機にもタダ乗りし、手持ちの小切手を航空会社のものに偽造。
全米各地で現金化しまくり、荒稼ぎを続ける。

この詐欺事件の調査に乗りだしたのがFBIのカール・ハンラティ捜査官。
フランクを追って、ふたりの長い長い旅が始まる。

パイロット、小児科医、弁護士と、
普通は「んなもん、なれるわけないやろ!」と思うような職業に
本当に就いてしまう、実在の詐欺師フランク。
20歳そこそこで逮捕されるまでに400万ドルを稼いだそうな。

彼は金持ちになりたかったわけではなく、
両親とまた一緒に暮らしたいだけだった。
お金があれば、両親は別れることもなく、
父が借金の肩に没収されたジャガーを取り返し、
母をいいレストランに連れていくこともできるはずだった。
10歳近くもサバを読んで、誰しもがそれにだまされるけれど、
高校生に多く知り合いがいるはずもなく、
クリスマスになるとハンラティに電話をかける姿、
そして、母の再婚家庭を覗きこむ姿に胸が傷む。

『タイタニック』(1997)以降、
なんとなく仕事を遠ざけている印象のあったディカプリオ。
やっぱりうまい。
トム・ハンクスももちろんのこと、
息子を何がなんでもかばおうとする父親を演じる
クリストファー・ウォーケンが顔の怖さに似合わず温かい。

これは“Based on a True Story”じゃなく、
“Inspired by a True Story”でした。

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