電網郊外散歩道

本と音楽を片手に、電網郊外を散歩する風情で身辺の出来事を記録。退職後は果樹園農業と野菜作りにも取り組んでいます。

R.シュトラウス「アルプス交響曲」を聴く

2011年04月10日 06時02分38秒 | -オーケストラ
春の日差しが暖かく感じられるようになる直前、今の時期には、早朝に雲一つない晴天になることがあります。純白の朝日連峰や月山などに光が当たり、それはそれは見事な風景が見られます。このところずっと、早朝の通勤の車内では、リヒャルト・シュトラウスの「アルプス交響曲」Op.64 を聴いておりました。ルドルフ・ケンペ指揮のシュターツカペレ・ドレスデンによる、1971年のアナログ録音(EMI TOCE-13060)です。

添付のリーフレットの解説は、「ケンペの演奏について」を幸松肇さん、曲の解説を門馬直美さんが書いています。それによれば、この曲は1911年に着手、1914年に書き進められて1915年2月に完成、同年の10月にベルリンで初演されたとのこと。このときの指揮は作曲者自身で、演奏はドレスデン宮廷管弦楽団だったそうな。たぶん、このオーケストラの前身でしょうから、いわば、ゆかりの曲というわけです。ロシア革命を目前にするアヴァンギャルドな時代に、堂々たる音楽です。たぶん、作曲者も自信作だったのでは。

01 夜
02 日の出
03 登り道
04 森への立ち入り
05 小川にそっての歩み
06 滝
07 幻影
08 花咲く草原
09 山の牧場
10 林で道に迷う
11 氷河
12 危険な瞬間
13 頂上にて
14 見えるもの
15 霧が立ちのぼる
16 しだいに日がかげる
17 哀歌
18 嵐の前の静けさ
19 雷雨と嵐、下山
20 日没
21 終末
22 夜

R.シューマンの音楽では、崩れ落ちるように下降する音型が特徴的ですが、ニーチェの超人思想を信奉したというR.シュトラウスの場合は、力強く隆起するように上昇するエネルギーがあります。音楽による自然の描写も嵐の場面も、いかにも強くエネルギッシュなタイプの人が「上から目線」で描くみたいなところがありますが、それが逆に人間の都合などお構いなしの自然の暴威を描くにはプラスに作用するようです。大オーケストラの表現力に、パイプオルガンやウィンドマシーンまで投入した管弦楽の響きは、カーステレオでの再生ではいささか不満が残りますが、自宅のステレオ装置で、音量を上げて聴くときには、第21曲からのオルガンの響きなども、かなり満足(^o^)/

余談ですが、地震や大津波や福島第一原発のニュースなどを、カーラジオで聞くことも多かった時期でした。もしもタイムマシンでニーチェが現代にやってきたら、日本の現状にどんなコメントをしただろうかと、ふと思います。もちろん、あまりにひどいことを言ったら豆腐でもぶつけてやるつもりですが(^o^;)>poripori

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