殿様は気短かではいけません。
「無礼者!!手打ちにいたす」なんて刀抜くのは時代劇の中だけ。本当の殿様はどんなときにも、耐えに耐える生活だったらしい。
ご飯にハエが入ってても、こっそり呑み込むしかない。だってわかると食事係が切腹させられるんだもの。(広島城四百年 中国新聞社編より)
君主の価値とは「ただあること」。無事に一生を務め上げ、子孫を残して家を存続させるのが一番偉い殿様。家を途絶えさせるのは殿様として最大の失策。
その点では赤穂藩の浅野内匠頭長矩、少し気が短いんではないだろうか。ハエを呑みこんだ、広島ご本家、浅野の殿様を見習ってもらいたいもんだ。
家も取り潰されて、その点では気の毒だけど、江戸城内で刀抜いてはいかんだろ。
どんな理不尽な目にあおうと、辛かろうと、刀抜いたら自分が不利。そこでもう負け。自分の肩には赤穂藩士と領民がのっかつてること、片時も忘れてはいけません。映画、ドラマでは決まって美男俳優がなるけれど、私は気の短い人には感情移入できませんねぇ。
で、何で赤穂浪士は敵討ちなんかしたのだろう。江戸時代初め、改易された大名は数知れず。相手が幕府なので恨みを胸深くしまい、新しい士官先を探したり、帰農したりとみんな苦労したはず。敵討ちしても殿様は生き返らず、家も復活しない。
その頃はまだ、敵討ちという野蛮な慣習を世間が許容する時代だった?それとも敵討ちってしないといけないものだったのだろうか。
うーーーん、わからん。そこのところをまともに考えた学者先生はいないのだろうか。
日本人の誰もが知っている「忠臣蔵」の話。忠義を称揚する分かりやすい筋立て。サイドストーリーのいちいちもよく出来ている。
昔は困ったときの忠臣蔵、芝居小屋が客を集められる演目だったらしい。年末興行で座員の餅代を稼ぐということでは、地方のオーケストラが「第九」をやるのと構造的には同じかも。ふだんクラッシツクに縁のない人も、年末、知り合いが合唱に出ていると見に行くもんね。
忠臣蔵の隠されたテーマは「忠義は大事だけど、世の秩序も大切」ということではないだろうか。時代は武断政治から文治政治への転換点だから「この平和な時代に敵討ちなんて、何とアナクロな」と思う人もいたと思う。
三次浅野家は赤穂浅野家とは親戚。浅野内匠頭の正室は三次出身。その縁で浅野家菩提寺には義士堂もあります。20代、30代でなくなった人が殆ど。死にたくなかっただろうなあ。卑怯者でもいいから私なら参加しないけどなあ。全ては殿様の短気から始まったこと。合掌。
残りはこちらでどうぞ。
三次・名残の紅葉
「無礼者!!手打ちにいたす」なんて刀抜くのは時代劇の中だけ。本当の殿様はどんなときにも、耐えに耐える生活だったらしい。
ご飯にハエが入ってても、こっそり呑み込むしかない。だってわかると食事係が切腹させられるんだもの。(広島城四百年 中国新聞社編より)
君主の価値とは「ただあること」。無事に一生を務め上げ、子孫を残して家を存続させるのが一番偉い殿様。家を途絶えさせるのは殿様として最大の失策。
その点では赤穂藩の浅野内匠頭長矩、少し気が短いんではないだろうか。ハエを呑みこんだ、広島ご本家、浅野の殿様を見習ってもらいたいもんだ。
家も取り潰されて、その点では気の毒だけど、江戸城内で刀抜いてはいかんだろ。
どんな理不尽な目にあおうと、辛かろうと、刀抜いたら自分が不利。そこでもう負け。自分の肩には赤穂藩士と領民がのっかつてること、片時も忘れてはいけません。映画、ドラマでは決まって美男俳優がなるけれど、私は気の短い人には感情移入できませんねぇ。
で、何で赤穂浪士は敵討ちなんかしたのだろう。江戸時代初め、改易された大名は数知れず。相手が幕府なので恨みを胸深くしまい、新しい士官先を探したり、帰農したりとみんな苦労したはず。敵討ちしても殿様は生き返らず、家も復活しない。
その頃はまだ、敵討ちという野蛮な慣習を世間が許容する時代だった?それとも敵討ちってしないといけないものだったのだろうか。
うーーーん、わからん。そこのところをまともに考えた学者先生はいないのだろうか。
日本人の誰もが知っている「忠臣蔵」の話。忠義を称揚する分かりやすい筋立て。サイドストーリーのいちいちもよく出来ている。
昔は困ったときの忠臣蔵、芝居小屋が客を集められる演目だったらしい。年末興行で座員の餅代を稼ぐということでは、地方のオーケストラが「第九」をやるのと構造的には同じかも。ふだんクラッシツクに縁のない人も、年末、知り合いが合唱に出ていると見に行くもんね。
忠臣蔵の隠されたテーマは「忠義は大事だけど、世の秩序も大切」ということではないだろうか。時代は武断政治から文治政治への転換点だから「この平和な時代に敵討ちなんて、何とアナクロな」と思う人もいたと思う。
三次浅野家は赤穂浅野家とは親戚。浅野内匠頭の正室は三次出身。その縁で浅野家菩提寺には義士堂もあります。20代、30代でなくなった人が殆ど。死にたくなかっただろうなあ。卑怯者でもいいから私なら参加しないけどなあ。全ては殿様の短気から始まったこと。合掌。
残りはこちらでどうぞ。
三次・名残の紅葉