5/24 商店街を抜け、山裾の、かつて窯元が多くあった場所へ向かいます。ここは、窯の中で焼き物を作るときの棚板などを建設資材として再利用した独特の景観のあるところです。
瀬戸蔵ミュージアムで案内の資料を貰ったので、行ってみることにしました。
広い道沿いの駐車場から上がった場所に道はあります。昔は職人さんに行きかうメインの通りだったそうです。
使わなくなった窯道具が並んでいます。
道端のホタルブクロ。
きれいですね
静かです。
きれいに組んでいます。
道の途中にある「窯垣の小径資料館」で。元は窯元寺田家の建物です。
裏山。土止めに利用している窯道具。
本業タイルの風呂場。本業とは、瀬戸の陶土に磁器の土をかぶせて滑らかに仕上げた焼き物。全盛期は明治、大正期だそうで、銅版転写で繊細な模様が産み出されました。
手洗い。
休憩所でお茶をいただきながら、瀬戸の歴史のDVDを鑑賞。アメリカ人のグループはシカゴ郊外の美術系の短期大学、陶芸部門の先生と社会人の生徒さんだそうで。
定年退職して陶芸を習っている女性が、通訳しながら旅行しています。こちらへ来たきっかけは一人がたまたまネットで「窯垣の小径」のことを知り、ぜひ行きたいとこの場所をpin pointで訪ねてきたとのこと。陽気でfriendlyな人たちとしばし国際交流をする。
さらに道は続きます。おしゃれと言うか、雰囲気がありますね。モダンでどこか懐かしくて。
組み方にもこだわりが感じられます。人が全然いないのがまたいい感じです。GWは大勢の人出だったようですが。
二つ上の場所を下から写す。
緑陰の小路。五月の昼下がり。
近寄る。いい感じに古びています。
いろいろな形
再び街へ戻ります。今度は緩やかな下り坂です。車で通りすぎるより、歩いて楽しい道。
横道へそれる。廃業した工場。もしかしたら陶磁器に関連する仕事だったのかも。
陶磁器の人形ばかりを集めた骨董屋さん。覗いてみたけど、だあれもいません。いったいどこへ行ったのでしょう??
美しいものに触れ、心癒される瀬戸の旅でした。また行きたいものです。
本日5/30は午後から急に思い立って、はつかいちギャラリーのこんなものに。
いゃあ、こちらも素晴らしい作品の数々に感動しっぱなし。一つ一つがどれも手が込んでいて、デザイン的にもどんどん洗練されて、感動しまくり。一つ一つの作品に感動していたら、感動する気持ちが足りなくなったので、ぐっと心を落ち着け、もう一度ゆっくりと見た。気持ちがまた湧き起ってきて、最後までゆっくり見た。よかった。
きょうはおひとり様が三人、その他には私と同世代の夫婦とそのお母さんだけ。ゆっくり見られた。夫婦がいちいち説明文を大きな声で読み上げ、「きれいだねーーー」とか言いまくるのでうるさかったけど、そのうち気にならなくなった。
日本人は・・・と言う言い方は好きではないけれど、明治になって開国して、一生懸命焼き物を作ってたのがよくわかった。生地を瀬戸など産地で作り、絵付けは東京や横浜でしていたのは貿易の便からだと思います。
初期の作品は大きな壷の上に龍などを立体的に貼りつけた、しつこいほどの装飾過剰なのもありましたが、次第に洗練され、日本の陶磁器の意匠はアール、ヌーヴォウにも影響を与えたとか。そして日本でも欧米のデザインを日本的感性で解釈した作品がたくさん作られたのでした。
本日、特に私が感動したのは京焼の高さ20センチくらいの小品。真っ黒な、手桶の形の壷に青い朝顔が一輪。つるが柄の部分にまで絡まっているデザイン。過不足のない洗練された表現。
「朝顔に釣瓶取られてもらい水」の世界ですね。
次には瀬戸焼の縦長の花瓶。表、アジサイとカワラナデシコ、裏は菊。面白いのは下三分の一くらいは水色の籠でカバーしていると見せかけて、それも焼き物。籠状に編んだものをあとから貼り付けて焼いたと思う。しゃれたデザインです。
さらには何焼きか失念したけど、カキツバタの生える水辺。水の中には鯉もいる。輪郭をわざとぼかした優しい絵付け・・・とここまではよかったんだけど、なんとクワガタが葉の上にとまり、花びらを挟んでいる。
これ、ありえんだろ。水辺にクワガタなんているはずない!!。重いクワガタが、カキツバタの縦に伸びる柔らかい葉の上に乗れるわけがない。と、ひっかかってしまった。
どんな優れた技術も、こういうcareless missがあって楽しめなかった。絵柄は好きだったのに。残念。
作品は薩摩焼、瀬戸焼、などが多く、有田は案外少なかった。この間行ったばかりの瀬戸蔵ミュージアムの収蔵品も大作が多かった。
7月初めまであるそうなので、興味のある方は是非どうぞ。