ひとり紫苑・プチプラ快適な日々を工夫

書籍「年金五万円が教えてくれたお金の向き合い方」「あるもので工夫する楽しい節約生活」は9万部。工夫の毎日は続く。

ミニマリスト崩壊?「滅私」羽田圭介・持つことと持たないこと

2022-02-23 10:24:31 | きものの本&本

本日も変わらず寒い。
昨年は
この時期でも着物を着ていたのは、
寒さが緩かったせいでしょうか、

寒さで整理も進まないまま、
こんな本を読みました。

「滅私」(羽田圭介著・新潮社)2012/11月刊
表紙がいい。

文春だったかで、
大久保佳代子さんが
「お歳暮を差し上げるとき、
必要ないモノを贈るよりはと
カタログにしていたけど、
この本を読んで自分がいいなと
思ったモノを贈ろうかしら」
確かこんな内容。
も一人、どなたかが
やはり本を読んで
「~~無駄をしようと思った」とか。

ミニマリストを自称し、
「禅品質」とか「MUJOU」ブランドなどを
プロデュース、
持たない生活を提唱する主人公が
自分の生活に疑問を持ち
「崩壊」していく話。

「いつか捨てるなら、
すぐに捨てても同じだ」と
送られてきたモノを箱ごと捨てる!とか
お菓子も捨てる!とか
ちょっとやりすぎじゃないのと思うけど、
三人家族で1Kの部屋に
住む人たちなどの
コミュニティの様子などを描写。

あるとき、
過去の数々の「悪さ」をやったときの
写真を送ってきた知人が
なぜか同じコミュニティに
入ってくる~~。

そんなことから、
徐々に自分の生活に疑問を持ちだし。
「(何もない」部屋は刑務所のようだ」
「(貧乏人!が)生活や自分を変えたいなら
「捨て」は才能も財力もいらない方法だ」
とか
痛烈なミニマリスト批判が始まる~~。

ちなみに彼女の部屋はモノに溢れ~~。

キーになる坂口安吾の写真。

主人公はこの写真に惹かれていて、
「本や紙くずに囲まれたこの部屋は
(なぜか)妙に安心する」などと思う。
もうこの時点で、
この主人公は、
ミニマリストに向いてないよね。

そんなわけで、
ツッコミどころ満載の一冊。
ミニマリストが
「自分のライフスタイルをビジネスにして
モノをプロデュースして売る」
それに対して自己批判しているけど、
生き方とビジネスを混同しているのでは。
「生き方ビジネス」に憧れる人はいるけど、
そういう人は少ないし、
それはそれで大変。

前に
「ときめき」のこんまりさんがモノを
プロデュース展開しようとしたところ、
批判が殺到したそうです。

「捨て」本が売れたけど、
この方、
特にミニマリストでも反物質主義でもない。
ただ「ときめくモノだけ自分の周りに
置きましょう」と提案しただけなのにね。

どんなに捨てようとしても、
好きなモノは残る。私は、だけど。

「捨てる」ことが生活の目標ではないし、
居心地のいい空間を作ればいいわけで。

小説のなかで、
子持ちの夫婦の夫は
「何もない部屋には帰りたくない」と
帰宅拒否症になったり、
子どもは自分の作った工作を
隠し持ったり~~。

子どもは確かに行動制限されます。
泥だらけになれない、
刺激が限られる~?

ラストはあまりに唐突。
「崩壊」とミニマリストとの関係が不明瞭。
むしろ
「過去の悪行」が
自己崩壊を招いたのでは?

それでもページをどんどんめくらせるのは、
業界の話や「捨て」と「捨てない」の話が
面白かったから。

小説の面白さというより、
ハウツー小説かな。

「滅私」とのタイトルの由来は
本にはないけど、
「自分がなくなる、滅びる」
皆同じになる、
刑務所みたいになるとの意味?
少し言い過ぎな気がしますけど。

読み続けた日の夕食は、


魚と野菜をお皿に乗せて焼くだけ。
必要な栄養が摂れます、
後片付けも簡単。

ついでに~、

「スクラップ・アンド・ビルド」

この方の本初めて。
芥川賞獲ったこちらを読書中。
87歳の「早く死にたい」という祖父の
「望み」をいかにしたら叶えてやれるか?
という話~~?
半分読みました。
こちらのほうが「役に立つ」かも?

というわけで、
「無駄も必要」というより、
何が「無駄」で
なにが「必要」かも人それぞれ。
何かをやろうとすると
モノは増えていく~~。



私は、もらうならやっぱりはカタログがいいな~。

最後までお付き合いありがとうございます。
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コメント (2)
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