今にも雨が降りそうな畑のなかで和宮様が血相を変えて叫んだ。
「早く、早く、来やしゃれ!!」
これはいつもとは違う事態が起きたかと、駆けつける。
静かに指差すほうを見ると、見事な「ジョウビタキ」が目の前にいた。
どういう絡みかよくわからないが、イノコズチの枝に挟まってしまったようだ。
羽ばたくこともできない悲しい瞳と目が合ってしまう。
和宮様はやさしくイノコズチから解放してやると雑草の茂みの中に消えていった。
するとまもなく、二羽のジョウビタキがその現場近くにやってきて横棒の支柱に止まった。
それはまるで、助けたお礼にやって来たようなしぐさだった。
そして、曇天のかなたに向かって飛び立ったのだった。
道草山では「コゲラ」の枝を叩く音が聞こえてきた。
コゲラはスズメくらいの大きさなので発見するのが難しいが、ドラミングする音は心地よい。
「早く、早く、来やしゃれ!!」
これはいつもとは違う事態が起きたかと、駆けつける。
静かに指差すほうを見ると、見事な「ジョウビタキ」が目の前にいた。
どういう絡みかよくわからないが、イノコズチの枝に挟まってしまったようだ。
羽ばたくこともできない悲しい瞳と目が合ってしまう。
和宮様はやさしくイノコズチから解放してやると雑草の茂みの中に消えていった。
するとまもなく、二羽のジョウビタキがその現場近くにやってきて横棒の支柱に止まった。
それはまるで、助けたお礼にやって来たようなしぐさだった。
そして、曇天のかなたに向かって飛び立ったのだった。
道草山では「コゲラ」の枝を叩く音が聞こえてきた。
コゲラはスズメくらいの大きさなので発見するのが難しいが、ドラミングする音は心地よい。