ふぶきの部屋

皇室問題を中心に、政治から宝塚まで。
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下流社会

2005-10-04 10:41:02 | つれづれ日記

 下流社会(三浦展・光文社) 

 

あなたは「上流」?それとも「下流?」

多分多くの人たちは「上流でも下流でもない。中流かな」と

思っている筈

でも、年功序列社会が崩れて、完全に「成果主義」の社会に移行しつつ

ある今の時代は、人々の階層は「上流」か「下流」に分かれてしまう・・・

というお話。

その人が「上流」になれるか「下流」になってしまうかは

実は性格やライフスタイルによる。

「上流」

社交的で上昇志向が高く、仕事に意欲的で真面目。

高学歴・高収入・・・

(女性の場合は+キャリアウーマンだけど

上流との婚姻で裕福な専業主婦になる。

子供の教育にも熱心)

 

「下流」

非社交的でひきこもりがち。仕事・消費に意欲的でない。

「今が楽しければいい」タイプで上昇志向もなし。

低学歴・低収入

(女性の場合は+できちゃった結婚による

低収入夫との共稼ぎが多い。子供の教育には興味なし)

 

で、この「上流」「下流」親に育てられた子供達は、生まれた時から

生活レベルや教育レベルに差がつき、その事が後々の仕事や

結婚・消費生活にまで影響していくというもの。

つまり「貧乏人の子供は永遠に貧乏人」

「お金持ちの子供は永遠にお金持ち」という事。

まあ、それでも以前なら

「幸せかどうかは個人の判断で、お金持ちだから幸せとか

貧乏だから不幸せとは限らない」と思っていたと思うのねーー

ところが!

生まれた時から差別されて生きるという事は(貧乏な家からみると)

「幸せと感じることがある」と思う?

ましてや、それが

自己責任というよりは「親世代の財産のあるなし」とか

「親世代の価値観の貧しさ」にあるのだとしたら・・・・

どっちの世代からみてもあまりにも報われない社会だよねーー

 

自分の好みはさておいて、

とにかく寝る間も惜しんで勉強していい学校に入って、

好みの別なく大きな会社に入って、

好きか嫌いかは別にして「成果」をどんどん上げていくことで、

スキルアップし、収入をあげていく

「上流」の人達からみると、(働く上流

「自分らしさ」ばかり追い求めて、

仕事にも勉強にも意欲的でなく

きちんとコミュニケーションすら取れない「下流」の人達

「敵」以外の何者でもなくなるわけ(踊る下流

 

小泉政権は、アメリカのように

「少数のエリートが国富を稼ぎ出し、

多くの大衆はその国富を消費し

そこそこ楽しく歌ったり踊ったりして暮らす

社会を目指しているんだとか。

でもそういう社会では「上流」は「下流」を慮らなくなる。

ゆえにハリケーン「カトリーナ」の場合のように、「下流」が一方的に

差別されるような社会になるわけ。

 

」一つとっても

「上流」は高くて健康にいい新鮮な「水」を購入できるけど、「下流」の人たちは

水道水を飲まなければいけない・・・そういう「差別」ね。

 

この本を読んでいると、うちなどは「下流」も「下流」なので、

知らず知らずのうちに「差別」されているのかなーーと思ったりするし

「上流」の多い宝塚歌劇なんか、実は見る資格がないんじゃないかと

思ってみたりしますしねーー

ましてや私達が両方とも地方出身者で親に財産がないばっかりに

その因果がモロ3人の子供達の将来を決定付けるはめになるのかと

思うと・・・もう不憫で不憫で

(かといって、昔のようにバリバリ働けない・・働くチャンスを得られない

私だし。そういう自分にもとーーっても腹が立つのよね)

 

ともあれ「社会学」「経済学」から見た「現代」を知るには

とってもわかりやすい本なので、ぜひご一読を

コメント (8)
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