ゆったり・・とは気分が自由で開放されているときに感じる心の有りようを言う。ゆったりすれば、心は束縛(そくばく)されていないから楽しい気分が、『やあっ!』っと、来やすくなる。^^ これが急(せ)いた状況だと、ゆったり感は来にくい。丁度(ちょうど)、いい気候で外出しやすい気分に似通(にかよ)っている。似通っていないかも知れないが…。^^
田畑が広がる、とある田舎(いなか)である。バッタリ出会った二人の老人が、細い畦道(あぜみち)で話をしている。
「いやぁ~、ゆったりとのんびりは違うでしょう!」
「そうですかな? どちらも似たり寄ったりに思えるんですが…」
「今、こうして話をしている私らは、ゆったりしている訳です」
「そうでしょうな。すると、のんびりとはしていない、ってことになりますが?」
「いや、ゆったりしておりますから、当然、のんびりもしている訳です」
「…ですかな? のんびりしておるから、こうしてお話できるのでは?」
「いや、のんびりしておっても、ゆったりしているとは…」
「言えませんかな?」
「いいえ、同じでしょう。ははは…」
二人は、顔を見合わせて笑った。話し始めてすでに小一時間が経過(けいか)していた。その近くを通りかかった買い物帰りの一人の農婦は、『あら、嫌(いや)だっ! まだ、あんなとこで話してるわっ! 暇(ひま)な人達っ!』と、二人を遠目に見ながら思った。
ゆったりとのんびりは、どちらも暇(ひま)なときに訪れる楽しい気分のようだ。^^
完