どんなことでも、思っている真逆(まぎゃく)の結果となれば、楽しいものも楽しくなくなるだろう。これは誰しも同じで、人はこれを、裏目(うらめ)に出る・・などと表現する。
「スリーカードだっ! お前さんの手はなんでぇ~~!!」
西部劇映画の酒場で行われているポーカーの一場面である。訊(き)かれた格好いい主役のカウボーイは、徐(おもむろ)に自分の手札(てふだ)を相手カウボーイに見せる。ローヤル・ストレート・フラッシュである。
「オッ!! きっ! 貴様(きさま)ぁ~~!! イカサマしやがってっ!!!」
とかいう場合を裏目と呼ぶ。訊いた相手役のカウボーイは自分が勝つと信じていたからで、結果がその逆になったからだ。こんなのもある。日本の時代劇の賭場(とば)の一場面である。かなり勝っている格好いい主役の旅烏(たびがらす)が、スゥ~~っと半(はん)の木札(きふだ)を置く。
「[両腕を広げて]どちらさんも、ようござんすねっ!! 丁半(ちょうはん)、駒(こま)、そろいやしたっ! 入りますっ!! [壷(つぼ)へ賽(さい)を二つ、馴(な)れた仕草(しぐさ)で入れ、閉じ、勢いよく畳上(たたみうえ)へと伏(ふ)せ] … [静かに壷を開け] … 五二(ぐに)の半っ!!!」
「フフフ…また、勝たせてもらったか…[呟(つぶや)くように]」
「貴様ぁ~~! イカサマしやがってっ!!」
「さあ~て、どちらさんがイカサマだろうなっ?」
格好いい主役の旅烏は居合いで刀を畳下(たたみした)へと突き刺す。畳下から、男の悲鳴が…。みたいな裏目もある。^^
孰(いず)れにしろ裏目は、それまでの展開を大逆転させる結果を齎(もたら)す。因(ちな)みに、野球の「ぎゃっ! 逆転サヨナラですっ!!」とか、競馬の「ゴール直前、さし切りましたっ! 万馬券ですっ!!」とかの裏目もある。
まあ、いい結果となる楽しい裏目はいいだろうが、概(がい)して、裏目に出るのは悪い場合が多い。日々、楽しい気分で過ごすには、裏目には出て欲しくないものだ。^^
完