それまで知らなかった事実の真相(しんそう)を知った途端、ぅぅぅ…と涙を流すことがある。今日は、そんな話をしたいと思う。^^
どこにでもあるような、とある普通家庭である。なにやら問題が起こったのか、居間は家族中で激論が交わされている。
「お父さんは、そう言われますが、正也がダメだったのは確かなんですから…」
「なにを言うかっ! 儂(わし)の孫だっ!! ダメな訳がないっ! 何かの間違いだっ!」
「私の息子でもありますっ!」
珍しく父親は祖父に反発した。
「なにっ!!」
「まあまあ! お義父(とう)さまもあなたも…」
そのとき、妹が学校から帰ってきた。
「なんか、よく分からないけど、お兄ちゃん、受かったみたいだよっ!」
「ぅぅぅ…そうだろ、ろうだろっ! みろ、お前っ!」
「…」
コトの真相は正也の受験校の不始末で、結果発表が番号間違いだったということのようである。なにはともあれ、受かったのだからめでたしめでたしだが、真相が違うと、こういう感激の涙も流れるのである。
ただし、逆の結果の涙もありますから注意をしましょう。^^
※ ご存じ、風景シリーズより、湧水家の皆さんのスピンオフ特別出演でした。有難うございました。^^
完