水本爽涼 歳時記

日本の四季を織り交ぜて描くエッセイ、詩、作詞、創作台本、シナリオ、小説などの小部屋です。

涙のユーモア短編集 (64)片思い

2023年10月17日 00時00分00秒 | #小説

 好きになった相手が別の相手とイチャイチャしていたとき、思わず『ああ無情…』と思ったことはありませんか?^^ 私などはその一人で、人生を通じてそればっかりでした。^^ 要するに、片思いに涙した・・というやつです。まあ、私の話はともかくとして、今日のお話をさせて頂きたいと存じます。
 男性Aは女性Bにぞっこんだったが、その女性Bは男性Cに惚れていた。ところが上手(うま)くいかないもので、その男性Cは女性Dが死ぬほど好きだった。しかし、女性Dは男性Aにすっかり絆(ほだ)されていたと、まあ話はこうなる。A、B、C、Dの男女四人は全(すべ)てが片思いだったことになる。片思いはその事実が発覚しなければ慕情としていい訳だが、一度(ひとたび)発覚してしまえば、これはもう悲劇と言う以外、なにものでもなく、一人寂しく涙することになる。
 AとCが話している。
A「ははは…俺はBが好きなんだ」
C「なんだそうか…。だが、Bは『Cが好きなの…』と言ってたぞ」
A「そうか…(内心で涙する)。上手くいかないもんだ。Dが俺のことを好きだそうだ」
C「そうか…(内心で涙する)」
 これが片思いの発覚という現象で、自ずと涙することになる訳です。皆さん、涙するほど余り思いつめず、気分を転換しましょう。^^

                   完


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