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日本と日本人女性の名誉回復のために闘う杉田水脈氏

2019年07月17日 | 政治・経済
芝居の世界には一幕物があるが、現実の世の中は、一幕芝居では終わらない。第二幕、第三幕がある。安倍義経の第二幕には、日本のために、静御前(しずかごぜん)も、武蔵坊弁慶もいなければならない。

7年前、故・三宅久之氏が代表発起人となって発足した「安倍晋三総理大臣を求める民間人有志の会」には、安倍氏の掲げる日本再興の志のために武蔵坊弁慶や静御前になろうという人々が集(つど)った。

同会発足時に、<安倍晋三氏に再登板をお願いするに当たり、国民は反省して、まず自分が「強い国民」になることを誓わねばならぬ。今がそのときだ>と述べられた思いは、第二次政権発足から7年を経て、ますます強くなり、この思いを共有する「新しい日本人」の姿を追っている。

どうやら政官界には少ない。民間にはいる。先にスポーツや文化芸能の世界の話をしたが、直接、安倍氏と関係があろうがなかろうが、まるで母衣(ほろ:欧米でいうマントのようなもので、防御的な意味と儀礼的を飾りという意味を兼ね備えていた)武者のように、日本のために外務省に代わって「歴史戦」を戦い、あるいは権威に守られた「マスコミの不公平」を暴(あば)こうとする「新しい日本人」が出現している。

杉田水脈(みお)さんという女性がいる。兵庫県神戸市の生まれ。西宮市の職員から転じて平成24年の総選挙で「日本維新の会」から出馬し、議席を得た。平成26年の日本維新の会分党に伴って「次世代の党」の結党に参加、同党に参加する唯一の女性衆議院議員となったが、同年12月の総選挙で惜(お)しくも落選、いまは捲土重来(けんどちょうらい:物事に一度失敗した者が、非常な勢いで盛り返すこと)を期していると聞く。

*注(その後、平成29年10月の衆議院議員選挙で自民党から比例代表の公認候補で当選した。自民党の新しい歴史教科書をつくる会理事を務めている)

なぜ杉田氏が「新しい日本人」なのか。彼女の働き方を見れば納得する。国会にあっては、慰安婦募集の強制性を認めた平成5年の「河野洋平官房長官談話」を「反日の格好の情報発信源になっている」とし、河野氏を参考人招致(しょうち)するように求めた。民間人に戻ってからは、日本の名誉のために国連に乗り込んで、慰安婦問題がいかに虚偽であるかを訴える活動を続けている。

2016年2月、ジュネーブで開かれた国連女子差別撤廃委員会で、日本政府はやっと「慰安婦は強制連行ではない」と反論した。これは2015年7月、同委員会から「慰安婦の強制連行はないとの主張があるが政府としての見解を述べよ」と問われたことへの回答だった。この反論の機会をつくったのが杉田水脈さんらである。外務省の働きによるものではない。

杉田水脈氏らが2015年7月同委員会準備会合に参加し、日本軍による強制連行説には根拠がないと訴えたのがきっかけである。委員らは「初耳だ」と驚いて日本政府に問い合わせた。これはいわば「民間出動」によって日本の名誉回復の機会が設けられたようなもので、外務省がいかに国際社会に向けて何も発信していないかの現れでもある。

結婚し、家庭を持って政治活動をしている女性は少なくないが、杉田氏が「新しい日本人」と言えるのは、従来の女性政治家に多いフェミニズムへの傾斜や市民運動的な発想に囚われず、国家と個人の関係や共同体の意味、歴史伝統の連続性の尊重といった「昔の物事を研究し吟味(ぎんみ)して、そこから新しい知識や見解を得ること」を大切にしているからである。

「水脈」という名も、父親が「万葉集」の「武庫川(むこがわ)の 水脈(みお)を速(はや)みと 赤駒(あかごま)の 足掻(あが)く激(たぎ)ちに 濡れにけるかも」からとったという。

ちなみに杉田氏の活動は「杉田水脈のなでしこリポート」という産経新聞の連載や、ノンフィクション作家・川添恵子氏との共書『「歴史戦」はオンナの闘い』PHP研究所、平成28年6月刊)などを参考にされたい。

---owari---
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