今日も国際関係アナリスト・北野 幸伯さんのメルマガからお伝えします。
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全世界のRPE読者の皆さま、こんにちは! 北野です。
今日は、岸田さんが、安倍元総理を超える方法についてです。
安倍さん、本当に偉大な方でした。
なぜ?
私は、三つの理由を挙げています。
1.中国の反日統一共同戦線戦略を無力化して、日本を破滅から救った
2012年11月、中国は、ロシアと韓国に
【反日統一共同戦線】
創設を提案しました。
@@@必読証拠↓
その中身は、
・中国、ロシア、韓国で【反日統一共同戦線】を作りましょう!
・中ロ韓で、日本の領土要求を退けましょう!
・日本に断念させるべき領土とは、北方4島、竹島、尖閣、【 沖縄 】
・日本に、【 沖縄 】の領有権はありません!
・反日統一共同戦線には、【 アメリカ 】も参加させます!
とまあ、驚愕の対日戦略だったのです。
その本質をいえば、
・日米関係を破壊する
・日露関係を破壊する
・日韓関係を破壊する
・日本を完全に孤立させた上で、尖閣だけでなく沖縄を奪う!
しかし、安倍総理は、
・日米関係を改善させ(例、希望の同盟演説、オバマ、トランプとの蜜月など)
・日露関係を改善させ(例、2016年のプーチン訪日)
・日韓関係を改善させ(例、慰安婦合意)
中国の反日統一共同戦線戦略を無力化し、日本を救ったのです。
このあたり、「信じられない!」という方は、拙著
◆『中国に勝つ日本の大戦略』
詳細は↓
を参考になさってください。
(@この本、出版社から「4月に出版終了します」と連絡がきました。
そのことを裏メルマガで告知したところ、申し込みが殺到しました。
そのため、終了するか検討中みたいです。
いずれにしても貴重な裏歴史を証拠つきで知ることができるので、
今のうちに入手しておいてください。)
2.欧米豪印共通の大戦略を考案した
安倍さんが偉大である2番目の理由は、
「自由で開かれたインド太平洋戦略」を提唱したことです。
安倍さんは2016年8月の演説で、この戦略を提唱しました。
そして、この戦略は、日本、アメリカ、欧州、オーストラリア、
インドなどの【 共通大戦略 】になったのです。
日本の総理大臣が提唱した戦略が、日欧米豪印の
【 共通大戦略 】になった!!!
当然これは、史上初めてのできごとです。
「・・・・・ふ、大げさな。
安倍さんの功績なんて、いってるのあんたと保守派だけだよ!」
こんな自虐史観病に犯された患者さんからクレームがくるかもしれません。
しかし、たとえばハドソン研究所のケネス・ワインスタイン前所長は、
<自由で開かれたインド太平洋を推進するという安倍氏の遺産を前進させなければならない。
彼の追憶だけでなく、人類の利益のために。>
(読売新聞2022年7月13日)
どうですかこれ?
ワインスタインさんは、
安倍さんの戦略を推進することは、【 人類の利益 】だと断言しています。
3.真の自立外交を実現
安倍さんについて、「トランプのポチだ」と不当に非難する人がいました。
しかし、安倍さんは、まったくトランプのポチではありません。
というのも、安倍さんは、トランプと、重要問題でことごとく
正反対の決断をしているからです。
証拠をお見せしましょう。
・トランプはTPPから離脱、安倍さんはTPP推進
・トランプはパリ協定から離脱、安倍さんはパリ協定支持
・トランプはエルサレムを「イスラエルの首都」と認定。安倍さんは、この決定に反対。
・トランプはイラン核合意から離脱。安倍さんはイラン核合意支持。
こう見ると、安倍さんは、「全然トランプのポチではなかった」ことがわかります。
実際、オバマ時代、トランプ時代も、安倍さんは、
日本の国益に沿った「真の自立外交」を行っていたのです。
以上三つの理由で、安倍さんは、偉大な総理した。
▼岸田さんが、外交で安倍元総理に並ぶ方法
というわけで、岸田さんが安倍元総理を超えるのは簡単ではありません。
しかし、岸田さんも、「偉大な総理」になれるチャンスはあります。
まず外交について。
さすが、安倍内閣で5年間近く外務大臣を務められただけあって、実に立派です。
具体的には、はっきりとロシアのウクライナ侵略に反対している。
以前も描きましたが、ウクライナ問題は台湾問題とリンクしています。
日本と欧米がウクライナ支援をやめれば、ロシアは勝つでしょう。
それを見ていた習近平は、
「日本と欧米は、ウクライナを見捨てた。日本と欧米は、台湾も見捨てるだろう。」
「プーチンは、日本と欧米に勝った。俺(習近平)も、日本と欧米に勝てるだろう!」
となり、台湾侵攻を決断する可能性が大いに高まります。
ですが、プーチンがウクライナに負けて失脚したらどうでしょうか?
習近平は、
「日本と欧米の支援でウクライナが勝ち、プーチンは失脚した。
台湾に侵攻すれば、同じように、
日本と欧米の支援で台湾が勝ち、俺は失脚することになるだろう」
と恐怖し、台湾侵攻を延期する可能性が高くなるでしょう。
もちろん、その分台湾での工作は強まるとは思いますが。
しかし、工作の方が、リアルな戦争よりマシです。
というわけで、岸田総理は現状、正しい外交をされています。
ウクライナ戦争で決着がつけば、今度は、再び米中覇権戦争が
中心テーマになってくるでしょう。
その時、安倍総理の路線を踏襲していけば、大丈夫でしょう。
▼岸田さんが、安倍さんを超える方法
ところで、安倍さん、外交は偉大でしたが、経済はイマイチでした。
確かに、株は上がり、雇用は大いに改善された。
その前の民主党政権3代よりは、全然マシです。
しかし、GDP成長率を見ると、結果はかなり悲惨です。
2013年から安倍さんが辞めた2020年までのGDP成長率は、年平均0.28%(!)。
これは、「ほぼ無成長」といえるでしょう。
別の言葉でいえば、2010年代は「暗黒の30年目だった」といえる。
なぜ、「ほぼ無成長」だったのか?
皆さん、もうおわかりですね?
2014年と2019年に、消費税率を二回も引き上げたからです。
もちろん、「新型コロナパンデミック大不況」の影響も大ですが、
そもそもコロナ前から成長していなかったのです。
さて、岸田さん。
主な国益は、「安全」と「金儲け」(経済)です。
「安全」を確保するのに重要なのは、外交と軍事力。
岸田さん、こちらはうまくされています。
経済は、どうでしょうか?
ここ数年、日本国民は大変でした。
2019年は、消費税率引き上げ。
2020年、21年は、新型コロナパンデミック大不況。
2022年、ウクライナ戦争インフレ。
後から後から困難と試練が襲いかかってくる。
しかし今、ようやく光が見えてきた感じがします。
3月末、大阪、京都、奈良を回りました。
どこにいっても、ものすごい人でした。
そして、外国人観光客の数がものすごい。
タクシーの運転手さんたちにきくと、
「ようやく景気がよくなってきました。
でも、中国人観光客は、まだほとんどいません。
中国人が戻ってくると、ものすごいことになるでしょう」
と話していました。
ちなみに日本政府観光局によると、今年3月の外国人観光客は181万人。
これは、昨年比で27倍増(!)だそうです。
さらに、「賃上げ」の機運も高まっています。
今年の春闘は「満額回答」が相次ぎました。
NHK3月15日。
<ことしの春闘は、15日が最大のヤマ場となる経営側からの集中回答日です。
記録的な物価の上昇に見合う賃上げが大きな焦点となり、
大手企業を中心に異例の早期決着や労働組合の要求どおりの満額回答が相次ぎました。>
もちろんインフレがあって相殺されますが。
それでも、「インフレでも給料を上げない」より全然マシです。
というわけで、最近の動きを見ると、
・日本国民が、コロナを恐れず、どんどん出かけるようになっている。(消費増)
・ものすごい勢いで、外国人観光客が戻ってきている(消費増)
・賃上げの機運が高まっている(所得増)
これらの要素が重なって、「好況スパイラル」に入ろうとしている感じです。
つまり、
消費増 → 生産増 → 所得増 → また消費増 →
また生産増 → また所得増 → またまた消費増 →
またまた生産増 → またまた所得増 → 以下同じプロセスの繰り返し。
偉大な安倍元総理は、日本経済を復活させることができませんでした。
なぜ?
そう、2013年に好況スパイラルがはじまった直後に
「消費税率を5%から8%に引き上げたから」です。
アベノミクスによる
消費増 → 生産増 → 所得増 → また消費増 →
また生産増 → また所得増
【 消費税引き上げによる転換 】 → 消費減 →
生産減 → 所得減 → また消費減 → また生産減
→ また所得減 → 同じプロセスの繰り返し
安倍さんは、消費税を2回引き上げなければ、経済においても偉大な総理になれたのです。
では、岸田さんは、どうすれば安倍元総理を超えることができるのか?
簡単です。
今の好況スパイラルの流れに、冷や水をあびせたり、ドロップキックを食らわせないことです。
要するに、【 増税をしない 】ということです。
岸田さんが経済面で偉大になる条件は、たった一つ。
【 増税しないこと 】
これだけで、経済面で安倍さんを超えることができる。
簡単ですね。
PS
読者の皆さん。
とはいえ、実際は国民生活に大打撃を与える増税計画が着々と進行中です。
・防衛増税
・異次元の少子化対策増税
・消費増税
是非官邸に
「増税はやめてください!」
とメールを書いてみてください。↓
日本が「暗黒の40年」にならないように・・・・。
---owari---
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