(情報を「知識」に変え、未来を創ろう)
「学習」について述べたいことがあります。
実は、学習というものは、「勉強のために勉強する」ということだけでは駄目ですし、また、「情報を得る」ということだけでも駄目なのです。
これは経済学者のドラッカーの著作を緻密に読めば分かります。彼は、「未来は知識のなかにある」という意味のことを述べています。
ただ、ドラッカーは、「知識は本のなかにあるのではない。本のなかにあるは情報である」とも述べています。もちろん、新聞やテレビ、インターネットのなかにあるものも情報でしょう。
ドラッカーは、「『これだけの情報を得たから、知識を得た』ということにはならない。その情報が、仕事に結びつき、仕事で使えるようなかたちになって、生きたときに、知識になるのだ。したがって、『勉強して試験に通ればよい』というレベルではなく、勉強したことを仕事に結びつけ、成果を出さなくてはならない。実際に使えるところまで勉強したら、本当の知識になる。そのなかに未来があるのだ」というようなことを述べているのです。
やはり、「情報を集めるだけではなく、それを、実際の仕事で使えるレベルで組み立てて出せるかどうか」ということが大きいのです。
知識のもとになる情報は、今、非常に大量にあります。ただ、これらの情報を単に見たり読んだりして時間を消費しては駄目なのです。情報のなかから、自分の仕事につながっていくもの、これからの仕事を生み出していくものをつかみ出し、それを実際に仕事で使えるようにしなければいけません。
実際に使えるような、情報の組み立て方、使い方に熟練すると、情報が知識として完成します。そして、この知識が未来を創るのです。みなさんの未来は、この知識のなかにあります。
要するに、仕事に使えるかたちで、情報を取ったり、情報を使ったり、情報を人に教えたりするわけです。こういうレベルまで行くと、ここから未来が出来上がってきます。
教育にも同じことが言えます。教育において、「出来合いの教育を、とりあえず済ませばよい。これだけを教えればよい」と思っていたら、それは間違いです。明日の仕事、未来の仕事につながっていくようなかたちで学習させ、知識を身につけさせると、そこに未来が開けてくることになるのです。
今、みなさんは、情報が氾濫する社会のなかで生きていますが、情報を取っていることで、「知識を身につけている」と思ってはいけません。情報を、仕事に結びつくかたちで、よく整理し、吸収し、違うものに変えていき、新しいものを創り出していくことが大事です。今まで世の中にないものを創り出し、そして、新しいニーズを創り出していくのです。
さらには、新しい時代を構想し、その時代を世間の人たちに追いかけさせるのです。個人的な小説家や評論家などの物書き、画家や音楽家などの芸術家、産業人、企業家等、どのような人にも当てはまりますが、時代を創り出し、その時代を人々に追いかけさせ始めたら、何をやっても大を成すことになると思います。
すべては知識の有効な使い方のなかにあります。
それを得るには「根性」と「継続」が大事です。そして、努力を「努力」と思わず、「楽しみ」と思い、努力を習慣に変えていくなかに、未来が開けてくるのです。
---owari---
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