(「財産権の保障」が人間の自由を担保する)
これは、一種の「財産権」に関する問題になるかもしれません。人間の自由を担保しているもののなかには、どうしても財産権というものがあるからです。
「あなたは自由人ですよ」といくら言われたところで、財産権が保障されずに、財布を取り上げられ、預金を封鎖(ふうさ)されたら、どうでしょうか。
「あなたは、今日から自由の身ですから、どこへでもどうぞ」と言われて刑務所から出されても、財布もなく、預金もなく、お金をくれる人もいない状態で、自由が得られるかといえば、それは無理です。そこには「野良犬(のらいぬ)の自由」しか存在しません。
やはり、財産権の調整に対して、国家が果たせる役割もあるでしょうが、自由の確保のためには、「どの程度、個人の財産を保障するか」という問題は、どうしても入ってきます。そして、「どの程度保障したらちょうどよくて、どの程度保障したらやりすぎなのか」という判断は、極めて難しいものがあるのではないでしょうか。
---owari---
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