理研の元研究員、小保方晴子さんの手記『あの日』(講談社)が1月28日に出版された。
2014年1月28日に行われたSTAP細胞の会見から、ちょうど2年後の出版でした。
小保方さんは、執筆の動機を「このまま口をつぐみ、世間が忘れていくのを待つことは、さらなるひきょうな逃げと思い、真実を書こうと決めました」と説明しています。
この一連の騒動については、皆さんもご存知のため、ここでは核心となる事柄についてお話します。
あなたに何が分かるのかとお叱りを覚悟で、書き留めておきたいと思います。
さて、その核心部分を書き出していきましょう。
(1) なぜ、共同研究者の若山先生は論文取り消しをマスコミに語ったのか?
(2) なぜ、検証実験に失敗したのか?
(3) なぜ、STAP細胞完成のレシピが書かれている研究ノートは2冊しか理研に提出しなかったのか?
(なぜ、小保方さんの研究ノートはスカスカなのか?)
大きな論点として、この3点に絞りました。
その前に、整理しておきたいことを、以下に書き出します。
・STAP細胞作製には二つの作業があります。一つは「マウスからSTAP幹細胞(万能細胞)を作りだす」もので、これは顕微鏡で緑に光る細胞のことで、これをSTAP現象と呼んでいる。この作業は小保方さんの担当です。
二つ目は「このSTAP幹細胞からキメラマウス(2種以上の遺伝的に異なる細胞から成る人工的に作られるマウス)を作りだす」もので、これは若山先生の担当です。
・小保方さんが作業するマウスはすべて若山先生の若山研からもらったものです。
・若山先生は元理研で研究していました。
それでは、論点について、考えていきましょう。
(1) なぜ、共同研究者の若山先生は論文取り消しをマスコミに語ったか?
ネイチャーに投稿した論文に、ねつ造や不正の疑惑があるために取り消した方が良いと、若山先生は語った。ここに、一つの疑問が出てくるのです。マスコミはネイチャー論文に不正があるので、この研究は不正であるという素人判断をしたわけですが、コピペと画像入れ替えは理研の調査委員長を務めた石井上席研究員の論文にも「画像入れ替え」があったと指摘され、辞任しているのです。
小保方さんの周辺の5つの研究室(小保方さんとは無関係)でも、多くのコピペが見つかっているのです。正しい行為ではないが、見やすい画像にするなどの判断から行われているのです。これが実態であり、STAP細胞の有無の研究成果とは別問題なのです。
若山さんは論文に不正があるため、取り消すべきだという判断は本質を外した安易な判断で、科学的な判断ではないと思います。若山さんが本当に危惧したのは、このように騒動となった場合、検証させる動きが出てきて、再現実験をやらされることを最も危惧したのです。それは、特許申請している理研も同じことです。その利害が一致したからこそ、幕引きを図ったのです。
ではなぜ、幕引きをするのかということですが、実は小保方さん担当のSTAP幹細胞作製は可能であるが、キメラマウス作製の再現性が十分でないためだと思います。
だから、小保方さんが作製したSTAP幹細胞は、ES細胞のマウスが混入していたとかなり無理があるシナリオで、強引に幕引きを図ったのでした。
小保方さんの手記では「私は若山研からもらったマウスでしか実験していないので、ES細胞のマウスが混入していた原因を問われても分からないとしか言いようがない」と語り、また、「若山先生が冷凍庫内の私の名前が書いてあるサンプルボックスから冷凍保存されていた細胞サンプルを抜き取って、山梨の若山研へ持って帰ったということを知った」と書かれています。
そして、小保方さんに渡したマウスと若山先生が解析したSTAP幹細胞のマウスの系統が違うとマスコミに報道したのです。この報道に関して、共著書たる小保方さんには何の連絡もなく、いきなり報道機関に発表しているのです。強引に幕引きを図ったというのは過言ではないと思います。
(2) なぜ、検証実験に失敗したのか?
前述のように、STAP細胞作製には二つの作業がありながら、キメラマウス作製の若山先生が検証実験に参加しなければ、STAP幹細胞を持ったキメラマウス作製はできないことは自明のことです。
小保方さんは若山研でのキメラマウス作製には一度も参加しておらず、作製方法を若山先生にお願いしたが、「僕のことを必要としなくなるから駄目です」と言って、先生は教えなかったのです。多分、現時点では本当にこの作業は天才的な若山先生しかできない作業ではないかと私は思っています。
そして、小保方さんにはできないことをわかっていながら、検証実験をさせた理研も罪がある。というか、元理研で働いていた若山先生と理研はつうつうの仲であり、幕引きの演技を小保方さんがさせられたのだと思います。ES細胞のマウスが混入した原因も調査することなく、暗に小保方さんが犯人だというようなシナリオにしたのです。
ただし、この検証実験で小保方さんは顕微鏡内で緑に光るSTAP幹細胞の作製には48回成功しているのです。しかし、理研はキメラマウスの作製をもって実験成功としているために、この幹細胞作製の成功はあえて言わなかったのです。 これも不自然です。
(3) なぜ、STAP細胞完成のレシピが書かれている研究ノートは2冊しか理研に提出しなかったのか?(なぜ、小保方さんの研究ノートはスカスカなのか?)
この件もよく取り上げられていることですが、研究ノートは全部で4冊しかなく、理研には2冊しか提出しなかったと、全部提出しなかったことを、マスコミは騒いだのです。
よく考えて見てください。この研究の成果は数百兆円の価値があると言われているのです。すべてのレシピを公開すれば、すぐにまねをして特許申請することが目に見えているのです。実際にこの検証実験中に、中国・香港中文大学の李嘉豪教授は、このほど正しい手法を特定できた可能性があると発表したのです(それ以降の発表はない)。
小保方さんは会見で「STAP細胞作製にはある種のレシピやコツがある」と発言しています。
すべて網羅しているレシピを公開すれば、それは特許に支障がでます。
これほどの利権がからむ特許の論文や研究ノートに、レシピを全部載せるかといえば、答えはNOです。これは当たり前のことで、細胞を生み出すいわば美味しい料理のレシピを全部公開すれば、あっという間に真似されて、権利も利権も全部盗られてしまう可能性が大きいのです。
そして真似したものが何の苦もなく、将来のSTAP細胞による数百兆円規模の利権を得ることになるのです。小保方さんだけのレシピが、公開情報となることによって、誰にでもできるものになってしまうことが問題だったのです。
STAP細胞は、ただの細胞ではなくて、将来、ものすごく大きな経済的利益をもたらす細胞なのです。これが実現すれば、まさに従来の医療をひっくり返す、まったく新たな治療方法が確立するわけです。そして、STAP細胞の世界特許を持った人もしくは団体は、将来にいたるまで、数百兆円規模の巨額の利権を手に入れることができるのです。
それで、その利権を狙う不可解な組織は、メディアを使って小保方さんを追いつめて、公表させようとしたのだと思います。しかし、肝心なところを小保方さんは研究ノートに書かなかったので、頭のなかに記憶として、体に覚え込ませているので、研究ノートもスカスカだったのだと思います。
検証実験で烙印を押し、小保方さんを理研から追放し、その実験結果と実験ノートを手に入れることができれば、STAP細胞に関する将来の利権は、すべて理研のものとなるのです。
理研は検証実験の最終報告で、STAP細胞は再現できなかったと発表した後に、責任者の相澤慎一チームリーダーが会見場に引き返し、印象的な発言をしたのです。今回の検証実験は「科学のやり方」ではなく、小保方氏を「犯罪人扱いをしたような形」になったことに「責任を感じている」と陳謝したのです。
本心は、小保方さんを犯罪者扱いして、モニターを置いたり、立ち会い人を置いたりして検証実験するというあのような屈辱的な実験をさせたことに責任を感じたということではないでしょうか。また、そこまでは言わなかったが、初めからできないことをわかっていて、検証実験させた理研に文句を言いたかったのだと思いました。
ここで、昨年12月に週刊新潮に掲載された「理研CDB副センター長・笹井さんの奥さんの手記」についてお話します。手記によれば生前、笹井さんは「小保方さんは研究職には向いていない」とは言いながらも、「主人はSTAP現象そのものについては、最後まで『ある』と思っていたと思います」と語っています。
「主人はそれこそ山のようにES細胞を見てきました。その目から見て、『あの細胞はES細胞と明らかに形が異なる』という話を、家でもよくしていました」と書かれているのです。
だから、小保方さんが担当したSTAP幹細胞の作製は成功していると見ていいのではないでしょうか。問題はキメラマウスの作製です。現時点での技術では再現性良く実験できないために、若山先生は検証実験に参加しなかったのだと私は判断しています。
実は、1996年スコットランド・ロスリン研究所が作ったクローン羊のドーリー誕生のときも、実験が再現できなくて、不正ねつ造疑惑が起きたのでした。
ドーリー自身を作るときも数百回の試行を重ね、ほぼ偶然的にできているため、本人や他の科学者が再現実験しても、1年半の間、クローン羊は作れませんでした。
世界中の化学者がドーリーの再現実験をして、1年半後に日本の科学者が再現実験に成功しました。
その人が今回のSTAP細胞の共同研究者、若山先生なのです。
若山先生は羊の代りにマウスの体細胞を使って、クローンマウスを作り、ドーリーの再現をしました。ところが、ここでも同様な問題が発生しました。他の科学者がクローンマウスの再現実験をしても容易にできなかったのです。いずれも、重要な「何か」が足りていません。
だから、偶然の確率が高すぎて、実用化まで至らないのです。
クローン羊ドーリーが誕生した2年後、日本の石川県畜産総合センターで体細胞からクローン牛が誕生していたのです。その後、日本の家畜業界では、200頭以上のクローン牛が誕生しています。ただし、現在、体細胞クローンができた動物は、羊、牛、豚、マウスだけで他の動物は成功していません。つまり、確実性がないので、まだ実用化していないのです。
家畜業界にとって、この研究は「特許」をとって、実用化するのが最終目標ですから、途中経過を公表したり、体細胞を万能化する方法を発表する段階にはないわけです。
以上の経緯、考察から考えて、再現性の確率が非常に低いキメラマウスの作製を若山先生や理研が嫌がり、ES細胞のマウス混入というシナリオで、小保方さんに幕引きさせたというのが真相ではなかったかと推測しています。
私の推測に何の威力も効力もないですが、謎解きの介助の一つになれば幸いです。
---owari---
度々のコメント有難うございます。
渾身の力作とご評価いただき、うれしい限りです。
稚拙な推測ですが、力を込めて、投稿させて頂きました。
ゆめとttm21さんのご声援に感謝いたします。
有難うございました。
この事件は このままうやむやに風化させてはいけないと思います。今後とも宜しくお願い致します。