このゆびと~まれ!

「日々の暮らしの中から感動や発見を伝えたい」

世界を相手に優位戦を展開できる

2021年03月01日 | 日本
石原慎太郎氏との対談で、石原氏は<隣人と共存していく、それも敬意を払われながら繁栄していくための必要条件とは、強い的確な自己主張に他ならないでしょう。技術力にせよ財力にせよ、日本は相対的に勝る力を備えていながら独自の意思表示をしない。それでは愚かと見なされて疎(うと)んじられ、軽蔑(けいべつ)もされかねない>とし、

<メンタリティについて過去に何度か参加した国際ヨットレースでの経験から申し上げれば、大型のヨットがひしめいて一つのマークを回るときのきわどい作業の折々に、風の方角との関わり、それぞれの位置による権利非権利の複雑なルールにのっとった解釈と主張で舷(げん:船の側面)を接した船と船の間で激しいののしり合いが起こります。

観戦している審判団への抗議の提訴が行われもする。そして試合後の審判団による判定の際、これまた激しい相互の主張が行われるのですが、判決が下りペナルティがどちらかに科せられた後はウィスキーをトスして、「じゃ明日また海の上で会おう」と笑って別れてくる。こうしたトラブルの際に、沈黙はけっして「金」とはならない。

このところ日本の国際関係における姿は、相手に怒鳴られただけですぐに謝罪し、おろおろしている挙句の衝突で相手の船の舳先(へさき)でこちらの胴っ腹にどでかい穴を空けられて泣きべそをかいている船です>と述べたが、これはまさに民主党政権の姿ではないか。

そして、自身がただ摩擦や軋轢(あつれき)を抱えたくないのか、こうした意志の力の重要性を国民に伝えようとしないマスコミにも国際社会の現実を見抜くセンスがまったくない。けっして夜郎自大(やろうじだい:自分の力量を知らずにいばっているさま )ではなく、石原氏が述べるように、世界を相手に優位戦を展開できる力が日本に備わっているにもかかわらず、全然それが国民に伝わらないように遮断している(あるいは怠惰を決め込んでいる)インテリとマスコミは、本当に大バカというほかない。

実力を背景に優位戦を展開する。そうした日本の自立的変化について語ると、「日本はふたたび軍国主義へと向かうのか」などと質問してくる外国の記者がいる。そんなとき、私は自らの銀行マンとしてのビジネスの経験も踏まえ、こう答えるようにしている。

「それはあなたたち次第です。日本は、相手が紳士的に振舞う国であれば紳士的に付き合う。もし野蛮な、理不尽なことを積み重ねてくるようならば、こちらもそれに応じて変化する。日本の軍国主義化を心配するというのは、あなたがたが日本に対して理不尽なことを仕掛けているという自覚があるからではないですか」と。

「災後」の指導者には、こんな切り返しのセンスも発揮してもらいたい。

(日下公人著書「『超先進国』日本が世界を導く」より転載)

---owari---
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「親善」と「戦争」のあいだ | トップ | 己れに厳しくあれ »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

日本」カテゴリの最新記事