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日本文明のエネルギー⑤「美しき最古の木造建築法隆寺五重塔」

2019年07月27日 | 日本
再び、建築の分野に戻るが、現存する木造建築として世界最古のものが法隆寺(ほうりゅうじ)である。その五重塔は高さ32メートル余、総重量は1200トン。心柱は直径2.5メートルで、樹齢2000年以上の檜(ひのき)材を用いている。

通説によれば、推古(すいこ)天皇9(601)年、聖徳太子が法隆寺を建立された。『日本書紀』には670年に焼失したという記事があることから、その後に再建されたという説もあるが、五重塔の心柱は年輪年代測定によって591年のものと判明している。いずれにせよ、これだけの建物が600年頃に建てられたという事実は動かない。

その後、約1400年間、記録に残っているだけでも40回以上の地震が畿内にあったが、倒壊せずに残っている。マグニチュード7.2の直下型地震に襲われても、塔は蛇のような動きをして衝撃を分散して、倒壊しないという、高度に合理的な構造設計がなされている。

また、法隆寺のデザインの秀逸さについて、国際美術史学会副会長の田中英道・東北大学名誉教授は、こう評価している。

右手に雄大な金堂を配し、左手に高秀な塔を置き、さらにそれを取り囲む回廊が、見事な統一性をつくり出している。左右に並ぶ独特な配置による、金堂、五重塔の黄金分割による比例美は、中国・朝鮮にも存在しない。(同前)

この寺院の中で、1400年後の現在も修行僧たちが勉学を続け、四季折々の行事を続けていることも、その美しさに花を添えている。

---owari---
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