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見栄で空母をつくる国

2022年04月14日 | 政治・経済
―― 日下公人著書「『日本大出動』トランプなんか怖くない(2016年6月発刊)」から転載します ――

中国に遅浩田(ちこうでん)という人がいます。1993年から2003年に引退するまで、国防部長(国防大臣)を務めた軍人ですが、その彼が国防部長をしているとき、私は人民大会堂の中の途方もなく大きい部屋で二人だけで会ったことがあります。

そのとき、なんでも聞いてくれと言うから、こう聞いたんです。
「なんで中国は海軍に金をかけるんだ。私の勉強では、世界の大国になろうとして陸軍と海軍の両方を持った国は五十年後か六十年後に必ず滅びています。日本もそうでした。中国もまた同じことをするんですか」と――。

それに対して遅浩田氏は、「海軍?あんな金のかかるものを誰がやりますか」と答えました。彼は国防部長時代には「武力による台湾解放」を主張、引退後の2005年にも当時の国家主席、胡錦涛氏の平和的発展路線を批判して、「台湾の武力解放やアメリカおよび日本殲滅(せんめつ)のために核の使用さえ辞さない」と発言したほどのゴリゴリの軍人です。その遅浩田氏ですら、海軍がいかにコストのかかるものかを十分にわかっていたから、海軍の増強など考えていないと言うのです。

しかし、その後の中国は、愚かにも海軍の増強に踏み切りました。
1998年にはウクライナに建造途中でほったらかしになっていたソ連の航空母艦を、マカオの中国系民間会社を通して「海上カジノとして使う」と嘘をついて購入し、わざわざ大連まで持ってきて、2012年には「遼寧」と名づけて就航させました。

ただし、カタパルトがないからたいした飛行機は飛ばせません。兵器としてはまったく意味がないシロモノです。結局、見栄を張っているだけなんです。

---owari---
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