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民主主義社会の「現実」と「理想」②

2020年02月21日 | 政治・経済
(投票制民主主義が生まれた背景)
「王の権限の制約事項が契約として成り立たねばならない」ということについては、近代以降、さまざまな試みがなされています。

例えば、モンテスキュー流の「三権分立」的な思想です。アクトン卿(きょう:イギリスの歴史家であり政治家)が言うとおり、「絶対権力は絶対に腐敗する」がゆえに、司法・立法・行政の三権が、権力を分け合って牽制し合うスタイルをとりました。これは、ある意味での「権力の性悪説」でしょう。

このように、「一元管理された場合には、必ず、腐敗し、堕落し、人々を抑圧する体系が出来上がるがゆえに、三権分立的な制度を立てるべきだ」という考え方もあるわけです。

また、これは、ある意味で、投票制民主主義ともつながっていくものではあります。国民のなかでも「有権者」として認められる者の層は時代とともに変遷(へんせん)してきたわけですが、「ある程度、国民を代表する者の投票によって選ばれた人が法律をつくる」とか、あるいは、「投票そのもので最終的な形態を選ぶ」とかいうことがありえるからです。

つまり、法律の制定、法律の形成に関して国民がかかわっていく制度も、近代以降にはできているわけであり、便宜(べんぎ)的な手段として、「投票制度」が整備されるなど、便利になっていくことにより、その加速度を増しているわけです。

---owari---
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