(「プラスを増やしてマイナスを減らす」が基本原則)
コロナ禍のなかで、「ピンチをチャンスに変えていく」という意味では、「いかにして、自らの手金、お金を使っていくべきであるのか」を考えなくてはなりませんが、一方では、耐久力というものを維持する意味でも、*「ダム経営」ということが大切だと思います。この両者のバランスをどうすればいいのか。「お金の使い方」あるいは「投資判断の基準」はどうすべきなのでしょうか。
[*ダム経営:経営に必要な人・モノ・金に余裕を持った経営をする方法のこと]
基本は、防衛が大事ですから、普通の給料であれ、ボーナスであれ、あるいは会社の利益であれ、手堅く、蓄えるものは蓄えて、無駄な経費を使わない努力をすることです。
「プラスを増やしてマイナスを減らす」というのは基本原則なのです。個人においても企業においても、基本原則は一緒です。それについては間違いがありません。
ただ、こういう乱気流の時代は、“チャンスが生まれる時代”であることも事実であるのです。今まで、正当な、順風の時代には、大きいところ、強いところが必ず勝つのが普通です。しかし、これからは、そうでないことが起きる時代であり、気流が変わってくる、あるいは水の流れが変わってくる時代に入ってくるので、大手といわれるところが撤退を余儀なくされるようなことがあり、小さいところに実はチャンスが出てくるときもあると思います。
今、例えば宗教界は、神社もお寺もキリスト教会も、その他、新宗教も、どこも苦戦です。要するに、人が集まれないからです。これは、宗教にとっての最大の弱点です。「人が集まらない。集まって何かができない」ということだし、在家の人たちのお布施に頼っているところがほとんどですから、そこがみんな傾いていて、「金がない」という状況です。
ですから、宗教界も今どんどん縮んでいます。公称人数も、どんどんどんどん減っています。ものすごく減ってきておりますので、実態はもっと小さいぐらいまで減っていると思います。
そのなかで、何とか踏みとどまって戦っているとは思うのです。
(投資をする際の注意点とは)
投資に関してですけれども、「ダム型経営」「ダム経営」を勧めてきた企業群の財務内容を、以前、見せてもらったところ、「一般の企業に比べたら体質がいい」ということはありました。
借金が比較的少なめで利益率が高く、内部留保を厚めに取っている企業が多いので、こんな時代には間違いなく強いだろうと思います。
ただ、単に逃げているばかりでは、どうしようもありません。今まで、みんなが同じような競争をしているなかでは、とても勝てなかったようなもののなかで、チャンスが出てくることがあると思うので、実は、バブルでなければ「投資の時代」でもあるのです。お金を持っているところは「投資する時代」でもあると思います。
金利が、今、短期・長期ともこんなに安いときに、投資ができないでいるのだけれども、もし、自分のところの商品なりサービスなりに、未来性で可能性のあるものがあるならば、潰れない範囲内で一定の投資をしていくことも大事です。
私は借金してまでやりたいとは思っていませんが、企業のみなさまがたが借金を一切しなければ、銀行は全部潰れますので、それもよろしくないことではあると思うのです。返せる範囲内での借金で「投資効果が大きい」と思うものに、お金を使う必要はあると思います。
借金が売上の三割を超えたら、異常事態が来たときには倒産するのが普通ではあるので、三割ラインは超えてはいけないのです。
黒字体質で経営しているところであれば、投資の可能性は、だいたい三分の一ぐらいでしょうか。もし会社で百億円の内部留保があるとしたら、三十億か三十三億ぐらいまでであれば、将来的に発展するために、チャンスがあると見たら投資をしてもいいのではないかと思うけれども、半分を超えるような投資は、やはり、するべきではないと思います。
それから、内部留保はそこまではないけれども、借金をしなければ大きくならないような企業もあるだろうと思います。これは、本当に、心を透明にし、神仏に願掛けをして、やるべきでしょう。
十五兆も十六兆も銀行から借金しながら、「何兆円の利益があった」と言っているところもあります。
今はそういうことができる時期ですが、先行きには、やはり怖さはあります。一手、外したら、赤字に転落し、ものすごい赤字になって、銀行まで引き倒すぐらいの倒産を起こす可能性があるので、実に怖いところはあると私は思います。
---owari---
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