(アルミニウム精錬所労働者)
(農業従事者)
※ やはり米国のリアルを知るには、トランプ大統領はFAKEと非難していますが、
信頼できる米メディアのニュースには、日経新聞にもないリアルなアメリカの
実態を見ることができます。
この記事ではトランプ大統領のツイートの進軍ラッパの景気の良い話しばかりでは
ありません。ミシシッピ川流域のこの一帯でも工業と農業の利害関係の対立が深刻な
問題を生んでいます。
① ヘッドライン
"焦点:トランプ貿易戦争、米中西部に生む「勝ち組と負け組」"
※ 記事の最初の一部分を引用
ロイターで検索して全記事を読むことをお勧めします。
[ニューマドリード郡(米ミズーリ州) 9日 ロイター] - 何世代にもわたり穀物生産と鉄鋼業が産業の柱となってきたミシシッピ川流域のこの一帯で、貿易関税について話したがる人は誰もいない。
教会のチャリティー活動では皆その話題を避け、農業者とアルミニウム工場の従業員が世間話に興じている地元のカフェやファストフード店でも、その話題にだけは誰も触れない。
ここミズーリ州ニューマドリード郡では、トランプ米大統領の貿易戦争の勝ち組と負け組みが、隣り合わせで暮らしている。
トランプ大統領による輸入鉄鋼・アルミ製品の関税引き上げにより、住民のほとんどが命運尽きたと考えていた地元のアルミ工場は、息を吹き返した。
だが工場の周りや郡に広がる農地では、米国産作物に課される報復関税を心配する農業者が、設備投資を遅らせたり、土地をハンターに貸し出したり、将来的な価格下落を恐れて収穫前に作物を売約し、現在価格での収入を固めたりしている。
「貿易について話したい人はいない」と、代々続く大豆と綿花農家のジャスティン・ローンさんは言う。「最適な栽培方法を話題にしておいて、身を低くして祈っていた方が安全だ」
米国と中国は6日、それぞれ相手国からの340億ドル(約3兆7000億円)相当の輸入製品に関税をかける措置に踏み切り、農業者の懸念は現実のものとなった。大豆を含む米国産農産品の多くは、中国への輸入時に25%の関税をかけられる。
二ール・プリゲルさんは、貿易戦争が地域に及ぼす影響の両面を知っている。
2016年に閉鎖されるまでノランダ・アルミニウム精錬所で働いていたプリゲルさんは、兄弟2人と4000エーカーの農場を経営する農業者でもある。
トランプ氏が3月に輸入鉄鋼・アルミニウム製品への関税を課すと発表したとき、プリゲルさんはテレビのニュースを見ながら、こう考えた。「助かった。これで仕事が戻るだろう」
次に考えたのは、こんなことだった。「農場を守らなくては」
有権者の約7割がトランプ氏を支持したこの地域では、プリゲルさんら農業者は、自分たちが栽培する作物が、米国に報復しようとする国からの格好の標的になることを知っている。また、輸入鉄鋼・アルミ製品への関税が、工場再開に動く新たなオーナーたちを呼びよせていることも知っている。工場は長年、農業者の隣人たちの住宅ローンやトラックのローン、生活費を支えてきた。
キャシー・ブラウンさんは、ノランダ精錬所で30年働いた。彼女は、新しく「マグニチュード7メタルズ」という名前に変わった精錬所に3月に戻り、1人しかいない人事担当者として働いている。彼女の電話は鳴りっぱなしだ。
工場が再開するって本当ですか。
私の申込書は届いていますか。
前の会社時代のインボイスでまだ引き出しがいっぱいの埃っぽい机の上に置かれた電話で、彼女が留守番電話を確認すると、またしてもメッセージで満杯になっていた。
電話してくる人の多くは、かつて工場で働いていた従業員だ。ブラウンさんが折り返し電話をかけると、泣き出してしまう人もいる。
工場の新たなオーナーは、ひとまず465人を雇用する考えだ。
その倍以上の人が、職を求めて申し込んできている。
(以下、略)