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気象庁/地震情報 ; 10月03日18:31分、 八丈島東方沖で最大震度3!!!

2020-10-04 21:14:27 | ☀防災・自然災害/環境対策; 地震.津波.警報、気象・天気、…

   

<map name="quakemap"> <area title="伊豆諸島" coords="362,221,368,214,386,214,386,264,362,264" shape="poly" href="http://www.jma.go.jp/jp/quake/4/20201003093534395-03183141.html" /> <area title="小笠原諸島" coords="388,334,429,334,429,416,388,416" shape="poly" href="http://www.jma.go.jp/jp/quake/4/20201003093534395-03183141.html" /> <area title="関東・中部" coords="329,129,296,176,308,202,309,205,312,207,317,203,320,199,321,201,323,206,323,209,322,214,320,216,316,216,316,217,318,220,318,224,317,230,315,233,315,237,315,239,326,264,362,264,362,221,368,214,445,214,446,178,386,178,384,180,380,175,377,172,368,178,364,169,368,165,372,163,372,155,375,152,370,146" shape="poly" href="http://www.jma.go.jp/jp/quake/3/20201003093534395-03183141.html" /> <area title="東北" coords="341,90,329,129,370,146,373,150,376,152,373,154,372,161,371,164,367,167,364,167,366,174,368,177,375,173,378,172,383,177,390,178,459,178,459,109,427,97,404,89,392,92,381,96" shape="poly" href="http://www.jma.go.jp/jp/quake/2/20201003093534395-03183141.html" /> </map>
<input id="operate" class="switchShingenLocal" name="g" type="button" value="この地震の各地域・市町村の震度" />

 ◎◎  気象庁/地震情報 ; 10月03日18:31分、 八丈島東方沖で最大震度3!!!

 

各地の震度に関する情報


令和 2年10月 3日18時35分 気象庁発表

3日18時31分ころ、地震がありました。
震源地は、八丈島東方沖(北緯33.5度、東経141.1度)で、震源の深さは約70km、地震の規模(マグニチュード)は6.0と推定されます。
この地震による津波の心配はありません。

この地震により観測された最大震度は3です。

[震度1以上が観測された地点]
*印は気象庁以外の震度観測点についての情報です。

東京都  震度3  八丈町三根 八丈町富士グランド*     震度2  新島村大原 神津島村金長 三宅村神着 三宅村坪田          御蔵島村西川 八丈町樫立 青ヶ島村     震度1  東京千代田区大手町 東京中央区勝どき*          東京港区海岸 東京新宿区上落合*          東京江東区越中島* 東京江東区森下*          東京品川区平塚* 東京国際空港          東京大田区本羽田* 東京大田区多摩川*          東京世田谷区世田谷* 東京世田谷区中町*          東京渋谷区宇田川町* 東京杉並区桃井*          東京杉並区高井戸* 東京板橋区高島平*          東京板橋区相生町* 東京練馬区東大泉*          東京足立区神明南* 東京足立区伊興*          東京江戸川区船堀* 八王子市堀之内*          調布市西つつじヶ丘* 町田市忠生* 町田市森野*          小金井市本町* 小平市小川町* 日野市神明*          国分寺市戸倉 国分寺市本多* 清瀬市中里*          西東京市中町* 伊豆大島町差木地          伊豆大島町波浮港* 東京利島村東山 新島村式根島          新島村本村* 神津島村役場* 三宅村阿古*千葉県  震度2  館山市北条* 鴨川市八色 鴨川市横渚*          鋸南町下佐久間*     震度1  千葉中央区中央港 千葉花見川区花島町*          千葉美浜区ひび野 館山市長須賀 木更津市太田          東金市日吉台* 勝浦市墨名 勝浦市新官*          鴨川市内浦 君津市久留里市場* 富津市下飯野*          南房総市上堀 南房総市富浦町青木*          南房総市白浜町白浜* 南房総市岩糸*          南房総市谷向* 山武市松尾町富士見台          山武市蓮沼ニ* いすみ市国府台* 多古町多古          一宮町一宮 睦沢町下之郷* 長南町総合グラウンド          長南町長南* 大多喜町大多喜*神奈川県 震度2  横浜港北区日吉本町*     震度1  横浜神奈川区神大寺* 横浜中区山手町          横浜中区山下町* 横浜保土ケ谷区上菅田町*          横浜磯子区洋光台* 横浜金沢区釜利谷南*          横浜戸塚区鳥が丘* 横浜港南区丸山台東部*          横浜旭区川井宿町* 横浜緑区十日市場町*          川崎幸区戸手本町* 川崎中原区小杉陣屋町          川崎宮前区宮前平* 川崎宮前区野川*          相模原緑区中野* 相模原中央区水郷田名*          横須賀市光の丘 横須賀市坂本町* 平塚市浅間町*          藤沢市朝日町* 藤沢市長後* 茅ヶ崎市茅ヶ崎          三浦市城山町* 秦野市曽屋 厚木市中町*          海老名市大谷* 綾瀬市深谷* 中井町比奈窪*          湯河原町中央 清川村煤ヶ谷*宮城県  震度1  岩沼市桜*福島県  震度1  田村市都路町* 田村市滝根町* 玉川村小高*          浪江町幾世橋茨城県  震度1  日立市助川小学校* 石岡市柿岡 笠間市石井*          筑西市舟生 坂東市岩井栃木県  震度1  宇都宮市明保野町 益子町益子群馬県  震度1  桐生市元宿町* 桐生市黒保根町* 沼田市白沢町*          渋川市赤城町* 邑楽町中野*埼玉県  震度1  さいたま北区宮原* さいたま大宮区天沼町*          さいたま大宮区大門* さいたま中央区下落合*          さいたま浦和区高砂 さいたま南区別所*          さいたま緑区中尾* 川越市旭町 熊谷市大里*          川口市青木* 加須市騎西* 加須市大利根*          春日部市粕壁* 春日部市金崎*          春日部市谷原新田* 狭山市入間川*          鴻巣市吹上富士見* 草加市中央* 越谷市越ヶ谷*          和光市広沢* 久喜市下早見 久喜市青葉*          富士見市鶴馬* 三郷市中央* 鶴ヶ島市三ツ木*          白岡市千駄野* 毛呂山町中央* 川島町下八ツ林*          埼玉美里町木部* 宮代町笠原*新潟県  震度1  南魚沼市六日町山梨県  震度1  大月市御太刀* 山梨北杜市長坂町*          富士河口湖町船津長野県  震度1  諏訪市湖岸通り 茅野市葛井公園* 佐久市中込*          小海町豊里* 長野南牧村海ノ口*静岡県  震度1  沼津市高島本町* 富士宮市弓沢町 富士宮市野中*          富士市吉永* 伊豆市中伊豆グラウンド          伊豆の国市四日町* 伊豆の国市長岡*          東伊豆町奈良本* 東伊豆町稲取* 河津町田中*          南伊豆町下賀茂* 松崎町江奈* 松崎町宮内*          西伊豆町仁科* 西伊豆町宇久須*

ウェザーニューズ / 熱帯低気圧情報 ; 10月04日17:21分、 日本のはるか南海上で熱帯低気圧発生 沖縄に影響する可能性

2020-10-04 20:58:38 | 日本;自然災害、台風 熱帯低気圧、実況と予報、被害状況…

  

🌀🌀   日本のはるか南海上で熱帯低気圧発生 沖縄に影響する可能性

 

配信

 
 
 

気象衛星可視画像(NICT-情報通信研究機構)

☁☁☁  日本の南海上の大きな雲の塊が次第にまとまりつつあり、気象庁は4日(日)15時に熱帯低気圧として解析しました。 熱帯低気圧は、やや発達しながら西よりに進むと見られます。

■□⇨⇨   4日(日)午後の世界各国のコンピューターシミュレーションの予測では、南北の進路のブレや、勢力のブレが大きく、現段階でどの程度の影響になるかは不明確です。

🌀🌀☔☔   台風まで発達し、沖縄にかなり近づく可能性があります。熱帯低気圧の進路によっては次の週末頃に西日本に湿った空気が流れ込みやすくなり、雨を降らせる可能性もあるため、今後の動向が注目されます。

ウェザーニュース

 
最終更新:

 


神奈川県/感染状況 ; (重要記事:新感染者数37人) 10月04日17:12分、 神奈川県 新型コロナ 37人感染確認 県内計7131人に

2020-10-04 20:42:25 | 日本;政治、経済、マスコミ、行政、外交、貿易、皇室、文化、自然、歴史・観光

    

◎◎  神奈川県 新型コロナ 37人感染確認 県内計7131人に

 

 

●●  神奈川県内では4日、男女37人が新型コロナウイルスに新たに感染したことが確認されたと発表されました。

■■⇨  NHKのまとめでは県内で発表された感染者はこれで7131人となり、このうち143人が死亡しています。


国内/感染状況 ; (重要記事:新感染者数397人) 10月04日20:20分、 【国内感染】1人死亡 397人感染確認(4日午後8時) 総計8万6558人 

2020-10-04 20:35:27 | 健康・病気; 新薬・新治療法、 老化、リコール、感染症コロナウィルス!

◎◎  【国内感染】1人死亡 397人感染確認(4日午後8時)

 

 

◆◆  4日は、これまでに全国で397人の感染が新たに発表されています。また、大阪府で1人の死亡が発表されました。

●●  国内で感染が確認された人は、▽空港の検疫などを含め8万5847人、▽クルーズ船の乗客・乗員が712人で、合わせて8万6558人となっています。

■■  亡くなった人は、▽国内で感染した人が1600人、▽クルーズ船の乗船者が13人の合わせて1613人です。

 

  各自治体などによりますと、国内で感染が確認された人は、累計で次のとおりです。( )内は、4日の新たな感染者数です。

▽東京都は2万6484人(108)
▽大阪府は1万809人(39)
▽神奈川県は7131人(37)
▽愛知県は5449人(18)
▽福岡県は5057人(3)
▽埼玉県は4797人(35)
▽千葉県は4032人(37)
▽兵庫県は2798人(15)
▽沖縄県は2588人(20)
▽北海道は2181人(22)
▽京都府は1787人(4)
▽石川県は777人
▽群馬県は728人(3)
▽茨城県は676人(5)
▽岐阜県は630人(1)
▽熊本県は607人(19)
▽広島県は603人(1)
▽奈良県は581人(1)
▽静岡県は558人(1)
▽三重県は530人(3)
▽滋賀県は505人(2)
▽栃木県は436人(2)
▽宮城県は428人(3)
▽鹿児島県は428人(3)
▽富山県は422人
▽宮崎県は365人
▽長野県は313人(1)
▽福島県は267人(4)
▽佐賀県は246人
▽福井県は244人
▽和歌山県は242人
▽長崎県は238人
▽山口県は201人
▽山梨県は194人
▽新潟県は170人
▽岡山県は158人
▽大分県は158人
▽徳島県は149人(1)
▽島根県は140人
▽高知県は138人
▽愛媛県は115人(1)
▽香川県は94人
▽山形県は78人
▽秋田県は54人(1)
▽青森県は37人
▽鳥取県は36人
▽岩手県は24人です。

●●  このほか▽空港の検疫での感染は991人(7)、▽中国からのチャーター機で帰国した人と国の職員や検疫官などの感染は合わせて173人です。

★★★  厚生労働省によりますと、新型コロナウイルスへの感染が確認された人で、人工呼吸器や集中治療室などで治療を受けるなどしている重症者は、4日時点で133人(-4)となっています。

☆☆☆  一方、症状が改善して退院した人などは、国内で感染した人が7万8315人、クルーズ船の乗客・乗員が659人の合わせて7万8974人となっています。

¤¤¤  また、今月1日には速報値で1日に1万9245件のPCR検査が行われました。

※沖縄県が9月30日と10月1日の発表訂正それぞれ1人減。
※茨城県が2日の発表訂正死者1人減。
※福岡県が1日の発表訂正1人減。
※神奈川県が1日の発表訂正1人減。
※集計は後日修正される可能性があります。
※在日米軍の感染者は含めていません。


JAXA / 月の宇宙放射線被ばく線量 ; 10月01日 過酷な月の宇宙放射線被ばく線量を縦孔利用で月表面の10%以下に―将来の月における有人長期滞在活動の実現に向けた重要な科学的知見―

2020-10-04 18:12:30 | 🚀🛰宇宙 ; 人類のロマンと挑戦、国立天文台、JAXA、NAS各国・宇宙開発…

  

◎◎   過酷な月の宇宙放射線被ばく線量を縦孔利用で月表面の10%以下に―将来の月における有人長期滞在活動の実現に向けた重要な科学的知見―

 

2020年(令和2年)10月1日

 

国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
学校法人早稲田大学

 

□□☞☞ 国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構、学校法人早稲田大学の研究グループは、月面の縦孔地形*1を利用することで宇宙放射線*2による被ばく線量が月表面の10%以下となり、地上における職業被ばく*3の基準値以下にまで低減できることをシミュレーションにより明らかにしました。


◆◆◆ 宇宙は様々な放射線が混在する環境であり、国際宇宙ステーション(ISS)に滞在する宇宙飛行士は1日に0.5~1.0mSvの線量を被ばくしています。これは地上での被ばく量の100倍以上に相当します。将来的に有人活動の拠点が地球近傍のISSから月へと移るのに際して、地球磁場による放射線の低減効果がなくなることや滞在期間が長期化することで、被ばく量が大幅に増大することが懸念されます。


◇◇◇ 当研究グループでは、将来の月面有人滞在を見据え、日本の月周回衛星「かぐや」(SELENE)によって発見された縦孔地形を放射線防護空間として利用することに着目しました。火成活動*4により作られる溶岩洞*5のような地下空間へと繋がる可能性が高い縦孔は、直径・深さ共に数十メートルに及びます。溶岩洞は宇宙放射線の遮蔽に有用であることは知られていましたが、その現実的な入り口となる縦孔の放射線環境についてはこれまで十分には知られていませんでした。


○○ 本研究では最新の放射線科学研究に基づく数値シミュレーションによって月表面と縦孔内の放射線環境を調査し、それらを比較することで縦孔による放射線防護効果を評価しました。その結果、月表面では年間約420mSvと地球上に比べて200倍も過酷な環境ですが、縦孔によって被ばく量は月表面の10%以下(年間約19~24mSv縦孔底面)まで低減され、地上における職業被ばく基準値(5年間で100mSv)以下の放射線環境が得られる可能性が高いことを明らかにしました。本成果は、有人月探査や将来の恒久的な月有人滞在に向けて、新たに遮蔽材を持ち込むことなく、月に安全な放射線防護空間を確保できることを示した重要な知見です。


 本成果は放射線防護に関する専門誌「Journal of Radiological Protection」オンライン版に9月22日に掲載されました。

 

研究開発の背景と目的

 宇宙は太陽や太陽系外から飛来する重荷電粒子*6や中性子、ガンマ線などが混在する宇宙放射線に直接さらされる放射線環境です。ISSが周回する地球低軌道では、宇宙放射線の一部は地球の持つ磁場によってある程度低減されていますが、滞在する宇宙飛行士は平均して1日に0.5~1.0mSv被ばくしています。これは地上における被ばく量の100倍以上に相当します。将来の有人宇宙活動の拠点が現在のISSから月へと拡大していくことで、地球磁場による減弱効果の消失と探査期間の長期化による被ばく量の増大が懸念されており、被ばく量を可能な限り低減する手段が模索されています。


 月の縦孔は日本の月周回衛星「かぐや」(SELENE)によって2009年に発見され、月の地下空洞に開いたものと考えられています。地下空洞は溶岩洞のような火成活動により作られたと考えられ、縦孔の大きさは直径・深さ共に数十メートルに及びます。月の地下空洞は月面に絶え間なく降り注ぐ隕石の衝突や300℃近くになる温度差、致命的な被ばくから機器や人間を守ることができる可能性を秘めており、月での人類の恒久的滞在を可能にする拠点の候補地として期待されています。本研究では、縦孔とそこから続く地下空洞を放射線防護に利用することを考え、縦孔による宇宙放射線の低減効果を最新の放射線科学研究に基づいて評価しました。

 

研究の手法と成果

 月周回無人衛星Lunar Reconnaissance Orbiterで光学観測したデータに基づいてマリウス丘*7の縦孔(図1)を模擬し、縦孔内外における被ばく量の空間分布をモンテカルロシミュレーションによって見積もりました。

 

研究の手法と成果

 月周回無人衛星Lunar Reconnaissance Orbiterで光学観測したデータに基づいてマリウス丘*7の縦孔(図1)を模擬し、縦孔内外における被ばく量の空間分布をモンテカルロシミュレーションによって見積もりました。

図1.今回模擬したマリウス丘の縦孔の写真 NASAの月周回無人衛星Lunar Reconnaissance Orbiterによって撮影。

図1.今回模擬したマリウス丘の縦孔の写真
NASAの月周回無人衛星Lunar Reconnaissance Orbiterによって撮影。

 

 その結果、縦孔外の月面領域における被ばく量は最大で1日当たり約1.14mSv(年間約420mSv)となったのに対し、縦孔中心部の被ばく量は図2のように概ね立体角*8に応じて深さと共に減少し、縦孔の底中央部では月面の10%以下となる1日当たり約0.07mSv(年間約24mSv)となりました。

図2. 縦孔中心部における年間の線量率の深さ依存性 月面で被ばく量が最大となる場合を仮定しています。 孔の底では月面の10%以下の被ばく量になることが分かります。 (©Naito et al.,2020から一部改変)

図2. 縦孔中心部における年間の線量率の深さ依存性
月面で被ばく量が最大となる場合を仮定しています。
孔の底では月面の10%以下の被ばく量になることが分かります。
(©Naito et al.,2020から一部改変)

 

 また、水平方向に地下空間が広がっていると仮定した場合、被ばく量の水平方向分布は図3のようになり、縦孔底面の縁(±25m)周辺では中央部よりもさらに低い年間19mSv程度であることが分かりました。

図3. 縦孔の底における年間の線量率の水平方向への依存性 孔の縁(±25m)周辺で職業被ばくの基準値以下の放射線環境が得られることが分かります。 (©Naito et al.,2020から一部改変)

図3. 縦孔の底における年間の線量率の水平方向への依存性
孔の縁(±25m)周辺で職業被ばくの基準値以下の放射線環境が得られることが分かります。
(©Naito et al.,2020から一部改変)

 これらのシミュレーション結果から、縦孔を含む周辺領域の年間の線量分布は図4のようになりました。地上における職業被ばく線量の基準値は5年間で100mSvであり、縦孔と地下空間を利用することでこの基準値を下回る放射線環境を実現できることが分かりました。

図4. 縦孔周辺領域の年間の線量分布 (©Naito et al.,2020から一部改変)

図4. 縦孔周辺領域の年間の線量分布
(©Naito et al.,2020から一部改変)

 これまでの縦孔周辺の光学観測やレーダー観測によって、縦孔から続く地下空間の大きさは最大でkmクラス、最低でも十数メートルであることが示唆されています。このことから、縦孔を利用することで職業被ばくの基準値以下の放射線環境を実現することは十分現実的であることが分かります。地下空間の大きさ次第では、地下空間内で地球上と同程度の放射線環境も十分期待できます。

 

今後の展開 

  近年、月への有人回帰が加速しています。例えば米国では国際宇宙探査「アルテミス計画」が日本を含む国際共同計画として進められています。中国は既に月裏側への無人着陸を果たし、1年以内の月面からの試料採取を計画し、月有人活動へと歩を進めています。民間企業による独自の月探査計画の動きも活発になってきています。本研究の成果は、月の縦孔と地下空間を利用することで月面に新たに遮蔽材を持ち込むことなく安全な放射線環境を確保できることを示したもので、拡大していく月探査の中で、将来の恒久的な月有人滞在に向けてきわめて重要な知見です。

 

<用語解説>

*1 縦孔地形
 火成活動起源と考えられる地下空間の天井が隕石衝突などの衝撃によって崩落することで形成したと考えられる地形。月面では月周回衛星「かぐや」(SELENE)の観測によって2009年に発見された。同種の地形が火星でも観測されています。

*2 宇宙放射線
 宇宙空間を飛び交う放射線の総称。太陽と太陽系外の銀河から飛来する高エネルギー荷電粒子の集まりで、約87%が水素、約12%がヘリウム、残りの約1%が主に鉄までの重原子核で構成されます。

*3 職業被ばく
 国際放射線防護委員会によって規定される放射線作業従事者の被ばく量の基準値。1年間で50mSvと5年間で100mSvの2つがあります。

*4 火成活動
 天体の進化における熱的な活動の総称。月や火星はすでに活動を停止しており、地球は熱進化の過程にあると考えられています。火山活動などが該当します。

*5 溶岩洞
 火成活動の終期における地中の溶岩の通り道が洞窟として残ったもの。地球上でも複数が見つかっており、多くが観光資源として活用されています。

*6 重荷電粒子
 ヘリウム以上の原子がイオン化し、高速に加速された状態の放射線の一種。宇宙空間を飛ぶ放射線の中で太陽系外から飛んでくるものにも重粒子線が含まれ、高いエネルギーを持った鉄(原子番号26)までの重さの原子核が主成分となります。太陽系外で起きる超新星爆発などの高エネルギー天体現象によって生成・加速されていると考えられています。

*7 マリウス丘
 月表側の西部に存在する丘。火成活動が活発だった海領域に存在し、月周回衛星「かぐや」(SELENE)の観測によって縦孔が発見された場所の一つ。

*8 立体角
 ある点から見た広がりが半径1の単位球上で切り取る面積。本研究での立体角はある地点Aから見た縦孔開口部の視野角に相当します(下図)。立体角の変化に従って縦孔深部ほど放射線の入射量が小さくなります。

ある点から見た広がりが半径1の単位球上で切り取る面積。本研究での立体角はある地点Aから見た縦孔開口部の視野角に相当します(下図)。立体角の変化に従って縦孔深部ほど放射線の入射量が小さくなります。

 

※※ ざっと読みましたが、凡太郎は後2、3回、じっくり読まないと良く理解できません。ただ、大気圏の有り難さが、判ります。