不十分な考察ですが、「まちづくりにおける専門家の役割」についての続きです。
昨日のコメントの中に、「○○地区○○計画」などの報告書は今でも専門家がコンサルタントとして執筆していると書きました。つまり、住民参加はあるにせよ、自治体がコンサルタントに発注し、自治体向けにコンサルタントが提案をまとめるという図式です。
しかし、この図式が今後は大きく変わっていくでしょう。つまり、地域住民が自分達の課題を解決するために、「自分たちが何をすべきか」を計画書としてまとめ、自分たち地域住民に提案するという形になっていくのです。自治体は、その費用を負担し、ハードや社会学などの専門家が住民のアドバイザーとなるという図式が想定されます。
繰り返しになりますが佐藤滋先生や大野秀敏先生の言うようにこれからは「今あるものを編集していくのが計画」ということですから、地域にあるものをよく知る人が計画の主体としてもふさわしいということになります。そういう点でも「当事者」が自らの課題解決を模索すべき時代となっていくように思えます。
上記のようなパースペクティブのもとで専門家の役割を考えないといけないでしょう。
昨日のメモでは、ハードの専門家の役割としてのデザイン力を掲げました。もちろんそれ以外にも多くあるはずです。たとえば、地球環境の視点から、都市空間や建築空間、緑地空間のあるべき姿を提言するなど、「地域」だけからはなかなか見えてこない視点を提供することもそのひとつであると思います。
このテーマは今後とも、考えていきたいものです。
高谷時彦記 Tokihiko Takatani