研究室で視察に訪れた真壁です。
真壁は平成の合併で桜川市の一部となっていますが、
戦国時代までは真壁氏の城下町として、また江戸時代はいわゆる
在郷町として栄えました。明治以降は製糸業や石材業が盛んでした。
また良い水が得られることから今でも蔵元が3つあります。
下写真は村井醸造。蔵は明治期、煙突は昭和のものだそうです。
大変栄えた真壁ですが、交通の主要動線から外れていることもあり、とくに関東鉄道筑波線の
廃線(87年)以降は経済的にも停滞した状況となったようです。
そんな中で、まちの人たちが「ディスカバーまかべ」というグループ(93年)をつくり、歴史的
建築を活用したまちづくりを進めてきました。いろんなイベントを行い、まちの方に自分たちの
まち並みの良さを知ってもらうとともに小山高専の河東先生(当時)の支援も受け
登録文化財制度(96年)をその初期段階から活用したという言うことです。
その後町長以下行政もまちづくり支援に加わり、今では104の登録があります。
例えば増渕家。醤油やみその醸造で栄えました。立派な長屋門です。
伊勢屋旅館。町家だけでなく、蔵や、立派な門が多いのがこのまちの特徴です。
こんな親切なお宅もあります。
中に入ると江戸時代に建てられた土蔵(文蔵)。素晴らしく手入れされた庭も公開されています。たいへん博識の
ご主人がおもてなししてくれました。お土産までいただいてしまい、恐縮の至りです。
民間有志の活動が町の人たちに広がり、研究者のお墨付きも得る中でまち並みに対する誇りも醸成され、それをう
まく行政も後押ししていくという大変学ぶべきプロセスがこのまちににあることを実感できました。お話を伺った
ディスカバーまかべのA様、T様、市役所のT様、そして親切にいろいろなことをお教えいただいたK様大変ありが
とうございました。
高谷時彦記 16 Oct 2016
高谷時彦記 Tokihiko Takatani
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