荘内日報によると湯の浜温泉の上区浴場が建て替えの予定です。
新聞に出ていた外観が面白く、大学院生のTさんの車で由良に向かう途中に見学してきました(上左写真)。
1958年に竣工した建物ですが、円形の平面に、男女浴室(1階)、レストハウス(2階、今はサッシが取り払われて屋外になっている)、展望台(屋上)という機能がうまく収められています。更衣室や浴室(それからトイレ:上右写真)にはハイサイドから光が取り入れられ、円形の平面とあいまって大変印象深い空間となっています。RC造でいろんなことを試みていた時代のもので、マッシュルーム状の柱頭と無梁版の構造には設計した方の心意気を感じます。
この温泉を見ていると二つの建築を思い出しました。
ひとつは、上の山温泉の湯町共同浴場。こちらもRC造としては古いものでしたが、やはりハイサイドからの光が強く印象に残りました。湯の浜と同じく年配のなじみ客が、ゆうゆうと前屈運動などをしており、ゆっくりとした時間が流れていました。
もうひとつは、鶴岡公園の猿の園舎です(下左写真)。これはいつ建てられたものでしょうか。8角形の平面で、猿の上に鳩舎(?)を重ねたところがユニークです。1階はRCラーメン構造ですが2階は放射状の垂木を軒桁が受け、それを力腕木、方杖のようなものが支えています(下右写真)。少なくとも小屋組から上は木造に見えます。面白い構造の発想です。だれが設計したのでしょうか。
高谷時彦記 Tokihiko Takatani
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