まち・ひと・くらし-けんちくの風景-

建築設計を通してまち・ひと・くらしを考えます。また目に映るまち・人・くらしの風景から建築のあるべき姿を考えています。

湯の浜の円形共同浴場

2009-07-12 16:26:44 | 建築・都市・あれこれ  Essay

 

 

Yunohamaonsen_2 P1060290

 

荘内日報によると湯の浜温泉の上区浴場が建て替えの予定です。

新聞に出ていた外観が面白く、大学院生のTさんの車で由良に向かう途中に見学してきました(上左写真)。

1958年に竣工した建物ですが、円形の平面に、男女浴室(1階)、レストハウス(2階、今はサッシが取り払われて屋外になっている)、展望台(屋上)という機能がうまく収められています。更衣室や浴室(それからトイレ:上右写真)にはハイサイドから光が取り入れられ、円形の平面とあいまって大変印象深い空間となっています。RC造でいろんなことを試みていた時代のもので、マッシュルーム状の柱頭と無梁版の構造には設計した方の心意気を感じます。

この温泉を見ていると二つの建築を思い出しました。

ひとつは、上の山温泉の湯町共同浴場。こちらもRC造としては古いものでしたが、やはりハイサイドからの光が強く印象に残りました。湯の浜と同じく年配のなじみ客が、ゆうゆうと前屈運動などをしており、ゆっくりとした時間が流れていました。

もうひとつは、鶴岡公園の猿の園舎です(下左写真)。これはいつ建てられたものでしょうか。8角形の平面で、猿の上に鳩舎(?)を重ねたところがユニークです。1階はRCラーメン構造ですが2階は放射状の垂木を軒桁が受け、それを力腕木、方杖のようなものが支えています(下右写真)。少なくとも小屋組から上は木造に見えます。面白い構造の発想です。だれが設計したのでしょうか。

Saruennsha_2 P1060381

 

 

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高谷時彦記 Tokihiko Takatani


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