福音の道しるべ 14
Ⅲ.義認の経験と聖化の始まり
また、彼らにわたしのために聖所を造らせなさい。わたしが彼らのうちに住むためである。すべてあなたに示す幕屋の型および、そのもろもろの器の型に従って、これを造らなければならない(出エジプト記25:8-9)。
神がモーセに聖所を建てるようお命じになったとき、原型である天の聖所が、詳細にわたって示された(ヘブル8:5参照)。それから神はモーセに、地上の聖所は天にあるものの「影」となるのだから、それと全く同じように建てなければならないと言われた。それは、神がどのように贖いの働きを成し遂げられるかを示す青写真〔詳細な計画〕であるから、それを変えたり、何かを加えたりしてはならないのであった。
また聖所は、神が人のうちに住めるようになるために建てられるのであった。自分が友人の家に、一年ほど滞在することになったとする。そうなると、じきに、その友人の好み、たとえば、好きな食べ物や嫌いな食べ物などが分かってくる。彼の仕事や家族についても、詳しく分かってくるだろう。同じように神も、私たちが彼のことをもっと知るようになるため、私たちのうちに住むことを望まれたのである。また、人の救いのためにどのような犠牲が払われようとしているかを示すことにより、罪人のうちに神への愛を育てようと望まれた。地上の聖所の儀式は、罪の問題を扱う神の働きを明示し、聖所の構造自体は、キリストの受肉の性質を明示している。幕屋の材料とすべての備品、聖所の配置〔レイアウト〕などは、イエスの人となりや、彼がいかに世の救い主としての責任を担おうとしておられたかを明示している。この主題を研究すればするほど、聖所の制度が神の英知によってのみ定められ得たものであることを悟るであろう。この主題を研究する誰もが、神の愛に圧倒され、絶えず主をほめたたえるようになるであろう。