TANEの独り言

日々の生活の中でのつぶやきだから聞き流してネ

父の思い出<泳ぎの練習>

2020-10-11 12:05:00 | 父の想い出
私が子どもだった昭和30年代は、高度経済成長期で、私が育った町も短い期間で大きく変わっていきました。

プールは学校にはありましたが、約3km離れたところでしたので、夏休みになると近所の防火水槽が子どもたちにとってプール代わりになりました。

広さも15mほどで、深さも数十cmだったと思います。

足が届く深さなので、小さい子どもの泳ぎの練習にはうってつけのプールだったと思います。

私も私の兄弟もその防火水槽で泳げるようになりました。




私の父は、地域のお世話をいろいろとしていたようで、夏の時期はその防火水槽の水の管理をしていました。

その関係もあってか、私が住んでいる地区の子が泳げる時間帯に、防火水槽に来ていました。

それも海水パンツを履いて…  。




父は水泳がとても上手く、しかも水中で2分近く息を止めることができました。

大人が泳ぐには浅すぎる防火水槽でしたが、地域の子どもたちに混じって水に入り、私たちに泳ぎを教えてくれました。

手の動き、バタ足の仕方、息継ぎ、ターンまで…  。

そして、水泳指導の最後には、自分の背中に私を乗せて泳いでくれました。

私は、必死になって父の首に手を回して振り落とされないよう必死でした。

父は時々水中にもぐり、しばらく潜水を続けることもありました。

背中の私はそれに合わせて息を止め、父が浮き上がるまで必死に息を止めて耐えなければいけませんでした。

これが、小さかった私にはとてもスリルがあり楽しかったことを覚えています。

泳ぎの練習も、その後に控えている父の背中があったので、いつのまにか泳げるようになったのでした。