「ワンコ想う山行 ワンコ顕るる奥穂の頂 その壱」より
ワンコと一緒に見た犬星を、この夏また一緒に見ようと約束していたね ワンコ
犬星は冬の星座だけど、真夏でも、まだ明けやらぬ4時前くらいに南の空を見上げると、燦然と犬星とオリオン座が輝いているだよ ワンコ
山小屋の朝は早く朝食は5時なんだけど、その前に発つ人も多いので、4時くらいからゴソゴソと人の気配がし始めるんだよ ワンコ
だから、早発ちの人に交じって表に出て、穂高から犬星を見ようと思っていたのだけど、今年は叶わなくてゴメンよ ワンコ
せめて昇る朝日を拝めたらとユニクロのライトダウンを着こんで外に出たのだけれど、温暖化のせいかな?ワンコ
前回夏の蝶が岳に来たときは夜ストーブがたかれていたけど、今回はそんなこともなかったし、この時も早朝ゆえにダウンは重宝したけれど震えるほど寒いということもなく、夜明けを待っていたんだよ ワンコ
しかしワンコ 朝寝坊のワンコは、この時まだ起きてなかったろう? ワンコ
前回は、雲海に浮かぶ槍穂の向こうから茜色の夕日が差し込むという幻想的な景色と、町をすっぽり覆う金色の雲海から登る朝日と、朝日の横にくっきりと浮かぶ富士山を見ることができたんだよ ワンコ
この世のものとは思えないほど美しい光景は、思わず涙が出るほどだったんだよ ワンコ
それは、何日もシャッターチャンスを待っていたプロのカメラマンをして「一生に何度も出会える光景ではない」と云わしめるほど素晴らしいものだったので、今回もそれを期待するのは厚かましすぎるとは分かっていたけれど、あの景色をワンコと一緒にもう一度見たいと願っていたんだよ ワンコ
でも、今回は気温が高すぎるせいか昼過ぎから蒸気が上がってしまい、雲でも霧でもなく、強いて云うならば「温泉の脱衣所」のようなモヤッた空になってしまい、あのアーベンロートに染まる槍穂に出会えなかったから、モルゲンロートにも期待していなかったのだけど・・・・・
前回には残念ながら少し劣るけれど、それでも心洗われる光景が繰り広げられたんだよ ワンコ
↑この雲の下には町があり、人々の営みがあるのだけれど、迫力ある雲海がすべてを覆いつくし、静謐な時間と空間を創っていたんだよ ワンコ
今にも朝日が昇りそうなその時、何を思ったのか山pが「この調子だと、雲の上に一点顔を出すような日の出は拝めないかもしれないな」と言い出したんだよ、そして何故か私もその言葉を信じてしまったんだよ ワンコ
それならば、刻々と明るさを増す穂高を見つめようと、東に背を向け槍穂を見つめていたんだよ ワンコ
淡く桃色に染まる空に浮かぶ穂高の峰々と槍ヶ岳は荘厳で、穂高見神の降臨を思わせるものだったよ ワンコ
この時ばかりは厳粛な面持ちのワンコを感じたよ ワンコ
槍穂の稜線付近がうっすらと桃色に染まりだし、神秘さと神々しさに心を打たれている時、てっぺんからこちらを見ているワンコと私の腕の中にいるワンコとを感じて、それは不思議な感覚だったのだけど、とても幸せな感覚でもあったんだよ ワンコ
しばしワンコと語らって、ふと振り返ると、真ん丸のきれいな朝日が雲海のうえに浮かびつつあるではないですか!
山pの意見を鵜呑みにしたために、雲のうえに一筋の光が浮かぶ、その瞬間を見損なってしまったんだよ ワンコ
ちなみに山pは連写で見事に日の出の瞬間を写していたものだから、「安易に人の意見に同調してはいけないな」と下山するまで愚痴ってしまったよ ワンコ
だから、こんな写真しか撮れなかったけれど、雰囲気は伝わるかい? ワンコ
でもね ワンコ
確かに、ワンコの名前の由来のお山に登るという当初の目的は叶わなかったけれど、考えてみれば、この度の山行はそもそも取りやめ寸前だったところを、山pの体調のために大幅に予定を変更して決行し、そのおかげで「山の日記念式典」に御臨席された皇太子御一家としばし同じ空間で過すことができたわけだから、「無計画の計画」(「次郎物語」(下村湖人))は大成功だといえるのかもしれないね ワンコ
確かに、日の出の瞬間を見損なったのは残念だったけれど、その日一番の朝日を浴びる穂高の峰々を見つめて、ワンコと語り合うことができたことを思うと、ここにも「無計画の計画」は生きていたと感じるんだよ ワンコ
随分以前に読んだから、下村湖人が意図しているところは分からないのだけど、私的には「自然の摂理に合致した時、一見無計画な計画が予定調和のごとく納まるところに納まっていく」ぐらいの感じで受け留めていた「無計画の計画」という言葉。
これを、この山行ではひしひしと感じたんだよ ワンコ
そして其処彼処にワンコの気配と、ワンコが見守ってくれている温かさを感じた山行だったよ ワンコ
ワンコがしっかり見守ってくれていたからかな、山pのかなり怪しいと言われた腫瘍が、下山後のエコーとCT検査では消えていたんだよ ワンコ
きっと ワンコが守ってくれたんだね ワンコ
いよいよ蝶が岳の稜線を後にする時、てっぺんワンコに「さよなら」を言ったんだよ ワンコ
でも、今日も私の腕にお腹にワンコの存在を感じるよ ワンコ
いつもワンコを感じているよ ワンコ
また近々、ワンコと一緒にてっぺんワンコに会いに行きたいと計画しているよ ワンコ
ずっと一緒だよ ワンコ
ワンコと一緒に見た犬星を、この夏また一緒に見ようと約束していたね ワンコ
犬星は冬の星座だけど、真夏でも、まだ明けやらぬ4時前くらいに南の空を見上げると、燦然と犬星とオリオン座が輝いているだよ ワンコ
山小屋の朝は早く朝食は5時なんだけど、その前に発つ人も多いので、4時くらいからゴソゴソと人の気配がし始めるんだよ ワンコ
だから、早発ちの人に交じって表に出て、穂高から犬星を見ようと思っていたのだけど、今年は叶わなくてゴメンよ ワンコ
せめて昇る朝日を拝めたらとユニクロのライトダウンを着こんで外に出たのだけれど、温暖化のせいかな?ワンコ
前回夏の蝶が岳に来たときは夜ストーブがたかれていたけど、今回はそんなこともなかったし、この時も早朝ゆえにダウンは重宝したけれど震えるほど寒いということもなく、夜明けを待っていたんだよ ワンコ
しかしワンコ 朝寝坊のワンコは、この時まだ起きてなかったろう? ワンコ
前回は、雲海に浮かぶ槍穂の向こうから茜色の夕日が差し込むという幻想的な景色と、町をすっぽり覆う金色の雲海から登る朝日と、朝日の横にくっきりと浮かぶ富士山を見ることができたんだよ ワンコ
この世のものとは思えないほど美しい光景は、思わず涙が出るほどだったんだよ ワンコ
それは、何日もシャッターチャンスを待っていたプロのカメラマンをして「一生に何度も出会える光景ではない」と云わしめるほど素晴らしいものだったので、今回もそれを期待するのは厚かましすぎるとは分かっていたけれど、あの景色をワンコと一緒にもう一度見たいと願っていたんだよ ワンコ
でも、今回は気温が高すぎるせいか昼過ぎから蒸気が上がってしまい、雲でも霧でもなく、強いて云うならば「温泉の脱衣所」のようなモヤッた空になってしまい、あのアーベンロートに染まる槍穂に出会えなかったから、モルゲンロートにも期待していなかったのだけど・・・・・
前回には残念ながら少し劣るけれど、それでも心洗われる光景が繰り広げられたんだよ ワンコ
↑この雲の下には町があり、人々の営みがあるのだけれど、迫力ある雲海がすべてを覆いつくし、静謐な時間と空間を創っていたんだよ ワンコ
今にも朝日が昇りそうなその時、何を思ったのか山pが「この調子だと、雲の上に一点顔を出すような日の出は拝めないかもしれないな」と言い出したんだよ、そして何故か私もその言葉を信じてしまったんだよ ワンコ
それならば、刻々と明るさを増す穂高を見つめようと、東に背を向け槍穂を見つめていたんだよ ワンコ
淡く桃色に染まる空に浮かぶ穂高の峰々と槍ヶ岳は荘厳で、穂高見神の降臨を思わせるものだったよ ワンコ
この時ばかりは厳粛な面持ちのワンコを感じたよ ワンコ
槍穂の稜線付近がうっすらと桃色に染まりだし、神秘さと神々しさに心を打たれている時、てっぺんからこちらを見ているワンコと私の腕の中にいるワンコとを感じて、それは不思議な感覚だったのだけど、とても幸せな感覚でもあったんだよ ワンコ
しばしワンコと語らって、ふと振り返ると、真ん丸のきれいな朝日が雲海のうえに浮かびつつあるではないですか!
山pの意見を鵜呑みにしたために、雲のうえに一筋の光が浮かぶ、その瞬間を見損なってしまったんだよ ワンコ
ちなみに山pは連写で見事に日の出の瞬間を写していたものだから、「安易に人の意見に同調してはいけないな」と下山するまで愚痴ってしまったよ ワンコ
だから、こんな写真しか撮れなかったけれど、雰囲気は伝わるかい? ワンコ
でもね ワンコ
確かに、ワンコの名前の由来のお山に登るという当初の目的は叶わなかったけれど、考えてみれば、この度の山行はそもそも取りやめ寸前だったところを、山pの体調のために大幅に予定を変更して決行し、そのおかげで「山の日記念式典」に御臨席された皇太子御一家としばし同じ空間で過すことができたわけだから、「無計画の計画」(「次郎物語」(下村湖人))は大成功だといえるのかもしれないね ワンコ
確かに、日の出の瞬間を見損なったのは残念だったけれど、その日一番の朝日を浴びる穂高の峰々を見つめて、ワンコと語り合うことができたことを思うと、ここにも「無計画の計画」は生きていたと感じるんだよ ワンコ
随分以前に読んだから、下村湖人が意図しているところは分からないのだけど、私的には「自然の摂理に合致した時、一見無計画な計画が予定調和のごとく納まるところに納まっていく」ぐらいの感じで受け留めていた「無計画の計画」という言葉。
これを、この山行ではひしひしと感じたんだよ ワンコ
そして其処彼処にワンコの気配と、ワンコが見守ってくれている温かさを感じた山行だったよ ワンコ
ワンコがしっかり見守ってくれていたからかな、山pのかなり怪しいと言われた腫瘍が、下山後のエコーとCT検査では消えていたんだよ ワンコ
きっと ワンコが守ってくれたんだね ワンコ
いよいよ蝶が岳の稜線を後にする時、てっぺんワンコに「さよなら」を言ったんだよ ワンコ
でも、今日も私の腕にお腹にワンコの存在を感じるよ ワンコ
いつもワンコを感じているよ ワンコ
また近々、ワンコと一緒にてっぺんワンコに会いに行きたいと計画しているよ ワンコ
ずっと一緒だよ ワンコ