いつもの本仲間が、この本を今勧めてくれたのは、やはりその日が近いからかもしれない。
「火竜の山」(樋口明雄)
本書は、山岳救助犬普及を目的とする講演のため岐阜県に来ていた山梨県警南アルプス警察署山岳救助隊K―9の星野夏実&メイと神崎静奈&バロンが、山岳救助に事件解決にと奮闘する話である。
出版から間もないミステリーなので、ストーリー展開を書くのは控えるが、強く印象に残った「仕事(役割)を持つ犬と人との関わり」という点については、明日という日を前にして、是非記しておきたい。
盲導犬・介助犬・災害救助犬など「働く犬」は社会的にすっかり認知され受け入れられていると思っていたが、「火竜の山」を読むと、そうとは一概には言えない事情がありそうなことが分かってきた。
ボーダーコリーのメイは、東日本大震災では災害救助犬として活動し、その後 北岳で山岳救助活動をしているのだが、メイのハンドラーの夏実は、山岳救助犬の導入が進まない理由を幾つかあげている。
犬を山に入れることで高山帯の生態系に影響を及ぼすという意見や、日本の山岳は急峻すぎて救助犬の活動に向かないという意見については、徹底的な訓練で、クリアできるという。
そのような’’山’’特有の意見より寧ろ一番の問題は、『犬に対する理解の欠如と拒否反応』だという。
驚いたことに、(海外と比較し一般に)日本人は犬嫌いが多いため、登山者のなかにも犬嫌いは多く、トラブルが生じやすいという問題があるのだという。
加えて、『人間の勝手な都合で犬を酷使するな』『警察犬や警備犬に関しても、犬の自由を奪って仕事をさせるのは虐待だ』という(動物保護団体による)クレームもあるという。
だが、ハンドラーの夏実は、
『そういう人たちは犬や動物を愛しているかもしれないけれど、けっして理解はしてないと思います』
『作業犬とか使役犬なんていわれてますけど、人間との関係が深まった犬は、人と一緒に何かをやり遂げることが大好きなんです。だから、山で遭難した人を見つけると、私たちの犬はとても嬉しい顔をします。逆に亡くなられていると・・・・・』
と反論する。
この、『犬や動物を愛しているかもしれないけれど、けっして理解はしていない』という言葉で、ワンコと暮らした日々の様々な場面を思い出したよ ワンコ
ワンコ実家両親をして、「この子(ワンコ)は、自分を四本足の人間だと思っている」と云わしめるほど人間の気持ちに敏感で優しく、家族が指示しなくとも、こちらの考えを先取りし行動してくれたね ワンコ
そんなワンコが、庭のトカゲを嬉々として追いかけ回すのを、家人は少し嫌がっていたんだよ ワンコ
「やっぱり動物なのだな」と辛そうな家人に、私は「本能が残っているのは嬉しいことじゃないか」と答えたものだよ
それは、ワンコ先生のお話の影響もあるんだよ ワンコ
ワンコは2歳くらいまで、頭を撫ぜさせるのを嫌ったろう ワンコ
ワンコはいつも、地面に鼻先を擦りつけるようにしながら散歩していたろう ワンコ
ワンコのあの鼻先を地面に擦りつけるようにして臭いを嗅ぎつつ歩くことを、(「火竜の山」によると)「地鼻を使う」と云うらしいのだよ ワンコ
・・・そう云えばワンコは、夏祭りの時には、鼻を高く突き上げ何やら伺ってから、(散歩コースではない)夏祭りの広場に一目散に駆けたものだけど、あれは「高鼻を使う」と云うらしいんだよ ワンコ
それから、ワンコは、散歩で出会う わんこさん達にフレンドリーではなかったね ワンコ
向こうから わんこさんが近づいてくると、匍匐前進の姿勢で地面にぺったり張り付いてしまうくせに、いよいよ わんこさんが間近にくると、ワッと飛びかかろうとしたもんだね ワンコ
あれには当初、ほんとうに困ったんだよ ワンコ
他のことは何でも聞き分けのよいワンコが、何故そんなことをするのか分からないものだから、もしかすると 臆病者 なのかもしれないとも考えていたんだよ ワンコ
そんなこんなをワンコ先生に相談すると、先生は待合室にいるワンコをじっと観察されて、断言されたね ワンコ
「この子は、柴犬の猟犬としての特性を、強く強く残しています。
他の犬に出会ったときに匍匐前進の姿勢をとるのは、見ず知らずの犬を油断させ力量を見分けるため。
しかし、動物病院では、場所柄を理解しているため、他の犬とも上手くやっているでしょう。問題ないです キッパリ!」
あの時には、
’’いやいや散歩の時には、出会うわんちゃんと飼主さんに御迷惑をかけてしまい困ってますよ’’と心の中で突っ込んじゃったよ ワンコ
ワンコ先生は、他にも色々教えてくださったね ワンコ
「同じ猟犬でも、洋犬は主人の指示に完璧に従い人と一体になり活動する犬が良いとされるため、洋犬は基本 人間と友好関係を築こうとする。
一方 日本の猟犬は、必ずしも主人の指示に従うことを求められてこなかった。むしろ、自分で考え猟をする犬を良い犬だとしてきた。だから、自分で考え、不要だと思う指示には従わないし、従う必要のない命令ばかりする人を信頼もしないし、信頼していない人に褒められても嬉しくないから、頭に触れられるのを喜ばない キッパリ!
この子は野生味もある賢い子ですよ。
今は、飼主さんが試されているのですよ。」
それでもしばらくの間は、ワンコはちょっと 怖がり で犬見知りがキツイのではないかと、私達は思っていたけれど、
どことなく日本犬のような顔をしたワンコ(男)先生は、徹頭徹尾、ワンコの味方をしてくださったね ワンコ
だから、ワンコはワンコ病院が好きだったんだね ワンコ
どんな治療も、いじらしいほど聞き分けよく受けるものだから、ワンコ病院の先生やスタッフの方にほんとうに可愛がってもらったね ワンコ
こんなことを色々思い出したのは、もちろん明日が、その日だからだけど、夏実の言葉を読み、「私達家族がワンコを愛していたことには勿論絶対の自信があるのだけれど、ありのままのワンコを完全に理解できていたかな」と考えたからでもあるんだよ ワンコ
賢いワンコは、私達を十分に観察したうえでリーダーとしての自覚を高めていったね ワンコ
私達が何を指示しなくても、ワンコは持ち前の賢さと優しさで、いつも家族をそれぞれ導いてくれていたね ワンコ
家族が楽しそうな時は、その真ん中でワンコがはしゃいでくれるから、楽しさは何倍にもなったものだよ ワンコ
一人で泣きたい時には、そっと側に来て、いつまでも黙って寄り添ってくれていたね ワンコ
ワンコがいてくれたおかげで、私たち家族はどれほど幸せだったか どれほど感謝していることか
ワンコ 言葉にならないほどだよ
それは、偏にワンコが賢かったためであり、私達がワンコを理解できていたのかな? と ちょっと不安になっているよ
でも、理解できていたかは分からないけれど、ありのままのワンコを大好きだよ ワンコ
本書は、仕事をもつ犬とハンドラーの絆についても書かれていて、それは文字通り’’仕事(山岳救助や災害救助)’’なのだけど、犬には本来とても大切な’’仕事(目的)’’があると書いている本を、この日のために二か月かけて読んでいたので、ドキリとしたんだよ ワンコ
最近読んだ別の本にも、命と仕事(目的)について書かれている一文があったので、ワンコの目的(仕事)について考えているのだけど、それについては続く・・・とするよ ワンコ
ワンコ 去年と同じで、明日20日は、この冬一番の寒波かもしれないよ ワンコ
寒波のおかげで、皆で枕を並べて寝ることができたのかもしれないけれど、あの寒ささえなければ・・・と思うと、辛いよ
・・・ワンコ
「火竜の山」(樋口明雄)
本書は、山岳救助犬普及を目的とする講演のため岐阜県に来ていた山梨県警南アルプス警察署山岳救助隊K―9の星野夏実&メイと神崎静奈&バロンが、山岳救助に事件解決にと奮闘する話である。
出版から間もないミステリーなので、ストーリー展開を書くのは控えるが、強く印象に残った「仕事(役割)を持つ犬と人との関わり」という点については、明日という日を前にして、是非記しておきたい。
盲導犬・介助犬・災害救助犬など「働く犬」は社会的にすっかり認知され受け入れられていると思っていたが、「火竜の山」を読むと、そうとは一概には言えない事情がありそうなことが分かってきた。
ボーダーコリーのメイは、東日本大震災では災害救助犬として活動し、その後 北岳で山岳救助活動をしているのだが、メイのハンドラーの夏実は、山岳救助犬の導入が進まない理由を幾つかあげている。
犬を山に入れることで高山帯の生態系に影響を及ぼすという意見や、日本の山岳は急峻すぎて救助犬の活動に向かないという意見については、徹底的な訓練で、クリアできるという。
そのような’’山’’特有の意見より寧ろ一番の問題は、『犬に対する理解の欠如と拒否反応』だという。
驚いたことに、(海外と比較し一般に)日本人は犬嫌いが多いため、登山者のなかにも犬嫌いは多く、トラブルが生じやすいという問題があるのだという。
加えて、『人間の勝手な都合で犬を酷使するな』『警察犬や警備犬に関しても、犬の自由を奪って仕事をさせるのは虐待だ』という(動物保護団体による)クレームもあるという。
だが、ハンドラーの夏実は、
『そういう人たちは犬や動物を愛しているかもしれないけれど、けっして理解はしてないと思います』
『作業犬とか使役犬なんていわれてますけど、人間との関係が深まった犬は、人と一緒に何かをやり遂げることが大好きなんです。だから、山で遭難した人を見つけると、私たちの犬はとても嬉しい顔をします。逆に亡くなられていると・・・・・』
と反論する。
この、『犬や動物を愛しているかもしれないけれど、けっして理解はしていない』という言葉で、ワンコと暮らした日々の様々な場面を思い出したよ ワンコ
ワンコ実家両親をして、「この子(ワンコ)は、自分を四本足の人間だと思っている」と云わしめるほど人間の気持ちに敏感で優しく、家族が指示しなくとも、こちらの考えを先取りし行動してくれたね ワンコ
そんなワンコが、庭のトカゲを嬉々として追いかけ回すのを、家人は少し嫌がっていたんだよ ワンコ
「やっぱり動物なのだな」と辛そうな家人に、私は「本能が残っているのは嬉しいことじゃないか」と答えたものだよ
それは、ワンコ先生のお話の影響もあるんだよ ワンコ
ワンコは2歳くらいまで、頭を撫ぜさせるのを嫌ったろう ワンコ
ワンコはいつも、地面に鼻先を擦りつけるようにしながら散歩していたろう ワンコ
ワンコのあの鼻先を地面に擦りつけるようにして臭いを嗅ぎつつ歩くことを、(「火竜の山」によると)「地鼻を使う」と云うらしいのだよ ワンコ
・・・そう云えばワンコは、夏祭りの時には、鼻を高く突き上げ何やら伺ってから、(散歩コースではない)夏祭りの広場に一目散に駆けたものだけど、あれは「高鼻を使う」と云うらしいんだよ ワンコ
それから、ワンコは、散歩で出会う わんこさん達にフレンドリーではなかったね ワンコ
向こうから わんこさんが近づいてくると、匍匐前進の姿勢で地面にぺったり張り付いてしまうくせに、いよいよ わんこさんが間近にくると、ワッと飛びかかろうとしたもんだね ワンコ
あれには当初、ほんとうに困ったんだよ ワンコ
他のことは何でも聞き分けのよいワンコが、何故そんなことをするのか分からないものだから、もしかすると 臆病者 なのかもしれないとも考えていたんだよ ワンコ
そんなこんなをワンコ先生に相談すると、先生は待合室にいるワンコをじっと観察されて、断言されたね ワンコ
「この子は、柴犬の猟犬としての特性を、強く強く残しています。
他の犬に出会ったときに匍匐前進の姿勢をとるのは、見ず知らずの犬を油断させ力量を見分けるため。
しかし、動物病院では、場所柄を理解しているため、他の犬とも上手くやっているでしょう。問題ないです キッパリ!」
あの時には、
’’いやいや散歩の時には、出会うわんちゃんと飼主さんに御迷惑をかけてしまい困ってますよ’’と心の中で突っ込んじゃったよ ワンコ
ワンコ先生は、他にも色々教えてくださったね ワンコ
「同じ猟犬でも、洋犬は主人の指示に完璧に従い人と一体になり活動する犬が良いとされるため、洋犬は基本 人間と友好関係を築こうとする。
一方 日本の猟犬は、必ずしも主人の指示に従うことを求められてこなかった。むしろ、自分で考え猟をする犬を良い犬だとしてきた。だから、自分で考え、不要だと思う指示には従わないし、従う必要のない命令ばかりする人を信頼もしないし、信頼していない人に褒められても嬉しくないから、頭に触れられるのを喜ばない キッパリ!
この子は野生味もある賢い子ですよ。
今は、飼主さんが試されているのですよ。」
それでもしばらくの間は、ワンコはちょっと 怖がり で犬見知りがキツイのではないかと、私達は思っていたけれど、
どことなく日本犬のような顔をしたワンコ(男)先生は、徹頭徹尾、ワンコの味方をしてくださったね ワンコ
だから、ワンコはワンコ病院が好きだったんだね ワンコ
どんな治療も、いじらしいほど聞き分けよく受けるものだから、ワンコ病院の先生やスタッフの方にほんとうに可愛がってもらったね ワンコ
こんなことを色々思い出したのは、もちろん明日が、その日だからだけど、夏実の言葉を読み、「私達家族がワンコを愛していたことには勿論絶対の自信があるのだけれど、ありのままのワンコを完全に理解できていたかな」と考えたからでもあるんだよ ワンコ
賢いワンコは、私達を十分に観察したうえでリーダーとしての自覚を高めていったね ワンコ
私達が何を指示しなくても、ワンコは持ち前の賢さと優しさで、いつも家族をそれぞれ導いてくれていたね ワンコ
家族が楽しそうな時は、その真ん中でワンコがはしゃいでくれるから、楽しさは何倍にもなったものだよ ワンコ
一人で泣きたい時には、そっと側に来て、いつまでも黙って寄り添ってくれていたね ワンコ
ワンコがいてくれたおかげで、私たち家族はどれほど幸せだったか どれほど感謝していることか
ワンコ 言葉にならないほどだよ
それは、偏にワンコが賢かったためであり、私達がワンコを理解できていたのかな? と ちょっと不安になっているよ
でも、理解できていたかは分からないけれど、ありのままのワンコを大好きだよ ワンコ
本書は、仕事をもつ犬とハンドラーの絆についても書かれていて、それは文字通り’’仕事(山岳救助や災害救助)’’なのだけど、犬には本来とても大切な’’仕事(目的)’’があると書いている本を、この日のために二か月かけて読んでいたので、ドキリとしたんだよ ワンコ
最近読んだ別の本にも、命と仕事(目的)について書かれている一文があったので、ワンコの目的(仕事)について考えているのだけど、それについては続く・・・とするよ ワンコ
ワンコ 去年と同じで、明日20日は、この冬一番の寒波かもしれないよ ワンコ
寒波のおかげで、皆で枕を並べて寝ることができたのかもしれないけれど、あの寒ささえなければ・・・と思うと、辛いよ
・・・ワンコ