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He who laughs last laughs best

受け継がれる絆 その弐

2019-05-02 12:25:55 | ひとりごと
「受け継がれる絆」より

近年、新年祝賀の儀などの儀式のたびに男性皇族の少なさは視覚的にも明らかだったが、それが大きな不安と不自然さを伴って目に映ったのは、この度の儀式が退位と御即位にかかわるものだったからだと思う。

神器などを引き継ぐ「剣璽等承継の儀」は女性は穢れているという考えの伝統なんだか知らないが、天皇陛下の妻にさえ立ちあいが許されず(しかし何故か、女性閣僚の出席は許された)立ちあわれた男性皇族はたったお二方だった。
即位後朝見の儀は、両陛下をはじめ12人の皇族が出席されたが、そのうちわけは男性皇族がお二方だったのに対して女性皇族は10方で、これはもう何の言葉も必要ない。
このままではそう遠くない時に立ちゆかなくなることは、誰の目にも明白なことになった。

それを真正面から伝える勇気が、日本のマスコミや識者と云われる人にはない。
海外はこのように伝えている、という形で以てしか、日本の現実を伝えられないのが日本のマスコミだ。(それでも、まだその視点を伝えているだけ通信社はマシなのだと思う)

<女性皇族めぐる報道相次ぐ=「不平等」「存続の危機」-米> 時事通信 5/1(水) 17:01配信より引用
【ニューヨーク時事】天皇陛下の即位は米国の報道でも大きく取り上げられ、複数のメディアが4月30日(日本時間5月1日)、女性・女系天皇を認めていない日本の皇室制度に絡めて報じた。
CNNテレビは、即位に伴う「剣璽(けんじ)等承継の儀」に女性皇族の参列が認められなかった一方、片山さつき地方創生担当相が出席したことを取り上げた。米紙ワシントン・ポスト(電子版)は「天皇陛下の長女愛子さまには皇位継承権がなく、皇后の雅子さまに対して男児出産を求める圧力があったと考えられる」と紹介。こうした皇室をめぐる状況を「男女不平等」と批評した。
米紙ニューヨーク・タイムズ(同)は、皇位継承資格がある皇族が現在3人にとどまり「皇室が存続の危機にひんしている」と指摘。この背景に女性・女系天皇を認めない皇室制度があると解説した。


伝統には理屈なしに守らねばならないものもあると思るが、女性閣僚を皇位継承の最重要儀式に立ちあわせながら女性皇族は許されない等の(理屈)のいい加減さ曖昧さを見ても、また一番重要なことは126代連綿と続いてきた皇室がこれからも続いていくことだという意味でも、守らなければならない伝統はそこなのか、という疑問は更に更に大きくなったといわざるをえない。


御成婚以来おそらく長く辛い治療を続けてこられた女性が やっと授かった命に対し、女児では意味がない 次こそ男児を産めと責め、女性は心身ともに病に倒れてしまわれた。
素晴らしい環境と天賦の才による処は勿論あると思うが、本人の努力なしには習得できない語学を英・仏・独・露と話されるその能力を全く活かすことが許されず、ただひたすらに子を産め 男児を産めと、子どもを産む機械としか扱われず、心折れてしまわれた。
病に倒れて尚、女児しか産まなかったと、生きる事すら許されないようなバッシングに遭ってこられた。

だが療養の日々も、誰に報道させることなく児童養護施設や長期入院している子供たちと交流を続け、被災地は何度となくお見舞いされていた。


女児しか産まなかった妻と、東宮の唯一のお子様でありながら女児であった娘が、命すら脅かされかねない酷い目に遭うのを身を以って守りとおされた皇太子様は、それゆえに廃太子などと存在を否定されたが、一歩も退かず御家族を守りぬかれた、その強さ。

そのような過酷な時間を経て、御即位の日、素晴らしい笑顔で国民に手を振られていた。

身近な悪意と遠くの無責任さ、長く病む家族と過ごす困難と長く病む辛さと、ありとあらゆる艱難辛苦を乗り越えられた両陛下と敬宮様の笑顔は、おそらく難しい場面もあるだろう将来を照らすものとなると信じている。

そして、その指針は信頼と敬愛だと信じている。

それを受け継がれるのは、敬愛の皇女だと信じている。

つづく