「チャラ①」 より
もはやこれまでか!というミスをしでかしてしまったと愕然とし、たった一日で2,5キロ体重が落ちたのだが、それは元々この夏たった三日で増えたものが、減っただけ。
つまり、チャラなのである。
前々から不思議なのだが、なぜ山に登ると、体重が増えるのだろう?
涸沢小屋テラスから前穂を望みながら
山では必ずソフトクリームを食べるからだろうか?
日頃さしたる運動もせず、箸より重いものも持たない(笑)生活をしている私が、一夏に一度、10㎏近いザックを背負い、デトックスとばかりに全身から滝のような汗を流しながら、一日15~16㎞歩き、岩やハシゴをよじ登り、穂高や槍や蝶が岳の山頂に立つというということを始めて何年たつだろうか。
山素人の私は、決して無理な計画は立てず???、登山計画には必ず一日余裕をもたせるため、下山後すぐに帰宅するのではなく、徳澤か上高地で過ごす予備日を設けているのだが、下山直後の徳澤や上高地ですら、なぜか山へ出発する時よりも体重が増えている。
まして、徳澤や上高地でマッタリしようものなら、あっという間に2㎏くらい増えてしまうのだ。
なぜだろう?
<活動初日>
AM5:00 上高地バスターミナルにて朝食 サンドとおにぎり一つ
AM11:00 本谷橋で昼食 おにぎり一つ、クロワッサン一つ、葛羊羹一つ
<一日目宿泊地の涸沢小屋の夕食と朝食>
お盆期間ごったがえしている山小屋ゆえに小笠原流とはいかないが、生野菜にフルーツまでつき美味しい
<二日目宿泊の穂高岳山荘の夕食と朝食>
穂高岳山荘では、奥穂登頂後ワンコとカレーライスも食べている(「チャラ①」)
三日目、あとは下山するばかりなので、重い非常食を食べつくす所存。
よって今回は、鼻先の徳澤園のカレーうどんは諦めソフトクリームのみ・・・だが、このソフトの味が変わった(ミルクが薄くなった)と感じたのは、私だけではないようだ。
これまで何度も徳澤園に泊まったり食事もしてきたのだが、私が穂高を歩くようになった切っ掛けの一つの「氷壁」の井上靖氏の直筆に気づいたのは、初めて。
<山歩きのご褒美、三泊目の徳澤ロッヂの夕食>
フロントで宿泊手続きをとるのももどかしく向かったお風呂で突き付けられる、体重の微増。
日頃の食事量と活動量と、山での食事と運動量を比較すれば、一気にやせ細っていてもよいはずだが、何故かこの時点で、既に微増。
そこに、こんな食事とビールに舌鼓を打てばどうなることかは、一目瞭然。
いくら飲んでも顔に出ないほどアルコールには強いのだが、日常生活ではアルコールとくにビールをまったく美味しいと思わないため、日頃アルコールはほとんど口にしない。
だが、山で飲むビールはどうしてあんなに美味しいのだろう。
生ビール中ジョッキだけでは足りず、地ビール「穂高」も追加。
山素人の私たちなので、予備日を一日設け、下山後は徳澤で一泊することにしていて、いつもは相部屋に泊まるのだが、今年は早い段階で満室となってしまた。
今年はいよいよテント泊デビューかと覚悟を決めていたところ、直前にテラス付きの個室に空きがでた!
徳澤小屋も徳澤ロッヂも、相部屋とはいえ、かなりプライバシーが守られ快適であるし、相部屋には相部屋の良さもあるのだが、↑この空間で山の余韻に浸る時間のなんと豊かなことか。
こんな環境でマッタリしてしまえば、もはや体重など、どうでもよくなる。
<山最終日、徳澤から7㎞、いつものお宿の上高地温泉ホテルで、お風呂と昼食を頂くと・・・>
はい
出発前から見事なまでの体重増で、ご帰還とあいなる。
それが、一瞬にしてすべてを変えてしまいかねない事態にうろたえた一日で、増えた2,5㎏が落ちてしまった。
体調というものが、いかにストレスに影響されるかということの証左である。
それはともかく、心配と不満の元だった後輩君が、彼にしては珍しく私を気遣い、出張のお土産を買ってきてくれた。
名古屋名物ういろう
明治12年創業という老舗 青柳総本家のご案内の言葉が、今の私にはピッタリだという。
『誇りは高く、
敷居は低く。』
今の私にピッタリ???
意図するところが微妙に分かりにくいし、これまでの諸々な思いもあるのだが、ういろうがとても美味しかったことをもって、チャラにしなければならないのだろうか?