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今どき携帯もまともに使えないビジネスマンなんていませんよね---。
私を除いては。
私はどうもあの束縛感がいやでいまだに携帯になじめず、持ってません。同僚はもちろん皆持っていますし、家族の中でも携帯を持ってないのは私だけ。使い方も良くわからず、携帯に関してはちょっとオヤジの威厳は低下気味です。
家に携帯は5台あるんですが、息子3人と嫁さん用で、なぜか2台は嫁さん用。2台持ってる理由はよく分かりません。私などにはうかがい知ることのできない何か深遠な訳があるのだろうと思い、深くは追求していません。
私が出かける時などは嫁さんのピンクの携帯を貸与されて、「何があるかわからないからスイッチ入れといてよ!」と念を押されます。用事と言っても大抵はメールで「帰りに鍋の材料買ってきて。白菜、しいたけ、---」のたぐいなんですけどね。このために2台持っているのかも。
昨年10年ぶりに自転車で旅に行った時もこのピンクの携帯を持っていきました。私は昔から一切の束縛から解放されて放浪する一人旅が好きなので、着信音ひとつで現実に引き戻されてしまう携帯を持っていくのはちょっと抵抗はあったのですが。で、緊急連絡以外はメールにすべく、事前にメール操作方の集中講義を受け、何とかメールを使えるようにしてから行きました。
一泊目(駒ヶ根)の宿の場所がわからず山道をうろうろ迷っていた時、突然携帯が鳴り出しました。緊急連絡以外は鳴らないはずだったので、「ん、何かあったか?」と思って慌てて出てみると、なぜかその日泊まる予定の国民宿舎から。携帯の番号は教えてなかったのですが、私の家にかけて聞いたとのことでした。
何だろうと思いましたが、宿のお姉さん、「大変申し訳ありません。こちらのミスで本日のご夕食の用意ができなくなってしまいました。」と言うではありませんか---。
こちらは半日走り続けて死ぬほど腹が減っていて、頭の中は夕飯が渦巻いていたので、一瞬目の前が真っ暗になりました。お姉さん、さらに続けて、「こちらでお支払いいたしますので、どこか街の店で食べてきていただけませんでしょうか。お車でお越しですよね!」と言いました。
せっかく街から延々と山道を登って来たのに何ということを、と少々むっとして「自転車なんですけど---」と言ったところ、お姉さん「えっ、じ・てん・しゃ、---」と絶句してしまいました。
とにかく残り物でも何でもいいから食わせてくれ、と交渉し、とりあえず場所を聞いて宿に行きました(すぐ先に見えている建物でした)。フロントに出てきたお姉さん、平謝りで、「名物のソースかつ丼をご用意させていただきますので」と言いました。
まあ食えれば何でもいいや、と思ったものの、温泉に入った後で電話して部屋に持ってきてもらったところ、どこかの売店の売れ残りとおぼしき弁当でした(もちろんただでしたが)。量も控えめで全く足りず、数日分の予備食として持っていたカロリーメイトやビスケットを皆食べてしまいました。
こんな緊急連絡はしてもらっても困るんですけどねえ。
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