おやじとクソおやじの間(はざま)で

おやじになった自分から見た、クソおやじ像を考える

ジャイアントキリングと再会(長いです)

2016-03-17 18:50:39 | 少年サッカー
久々に少年サッカーの話(ちょっと古いです)。

次男がキャプテンを務めるチームはあまり強くない。しかし、1月開催の公式戦、他のエリアのチームも招待した市のサッカー協会主催の大会で、久しぶり1位パートの決勝トーナメントに駒を進めた。

そのトーナメント1回戦であたるのは、隣の市のチームN。自分が通う小学校のチームでは物足りない、ワンステップ上を目指す子供たちが集まる、毎年都大会に出場する強豪チームである。

そんなチームと1回戦から戦うなんて。しかもFW のチームメイトが病欠と不運が重なる。なるべく失点しないように…と、朝、次男を送りだした。

応援のため会場に行くと、カミサンが意外なことを言った。
「対戦するチームにR君がいるの」

R君は、次男が幼稚園から小学4年まで所属していたクラブチームTで一緒だった。チームTはエリアの離れた2つの幼稚園の合同チームで、R君は次男とは別の幼稚園出身。小学4年の時、チームを掛け持ちしていた次男が小学校のチームに専念するためチームTを離れたのだが、その後もR君はチームTに残っていた。それが昨年、R君がチームを離れたと風の噂に聞いていたが、まさかR君が住んでいる所とは全くちがうエリアのチームNに移籍したとは…。そして、こんな形で再会し、対戦するとは、夢にも思わなかった。

試合が始まった。次男のポジションはトップ下。R 君はサイドバックでの出場だ。

次男のチームは押されながらもなんとかしのいでいる。ボコボコにされると思っていたので、大健闘だ。

前半はスコアレスで終了した。

後半、開始早々、相手FW の個人技で1点を失う。しかし、その後もこちらにチャンスはないものの、きっちり守っていた。

試合終了間近、唯一のチャンスが訪れる。味方サイドバックがドリブルで上がったところ、ペナルティエリアの中で倒され、PK を得たのだ。

ボールは倒された子から何人かの手を経て、次男のところに回ってきた。次男がPK を蹴るのだ。

後でコーチが言うところの"想像を絶するプレッシャー"の中、落ちついて右隅に決めた。ゴールを決めた後、ボールを拾い、急いでセンターサークルまで戻った。緊迫した場面の後、そういう行動をしたことについては、少し褒めてやりたいと思った。

急いで戻ったものの、ワンプレーでホイッスルがなり、試合終了。延長戦がないので、PK 戦に。

コイントスで次男のチームは後攻となった。

相手の1番目が決めた。次に出て来たのは次男!チームで最初に蹴ることになった。

先程のPK は安心して見ていたが、今回はいくらなんでもキツイでしょう。さっきPK を蹴ったばかりなのだから。

どこへ蹴るんだろう?と思っていたら、キーパーが反応できないほど速いボールをゴール中央の上方に叩きこんだ。

後でこのシーンを長男と何回も(スロー再生とかして)観た。長男は、「ありえない。あのへなちょこな奴が、こんなど真ん中に蹴るなんて。どんだけメンタル強いのか?凄すぎる!」と珍しく絶賛していた。

この場面を本人に聞いてみると、「迷っても仕方ないので、何も考えないで、後悔しないようおもいっきり蹴った」と。本当に普段の姿からでは考えられないコメントをしていた。

PK 戦は、相手が決め、味方の二番目が外した。相手の三番手は、R君だ。これを決めれば相手側が有利。ところが、そんなプレッシャーからか、R君の蹴った球はポストに弾かれてしまい、外れてしまった。

この後、味方はすべて決め、相手はもう一人外したので、次男のチームが勝利した。ジャイアントキリング。観ていた人たちはそう思っただろう。親でさえそう思うのだから。

強豪に勝ったから、"ぐっ"ときた、感動した試合だったかというと、そうでもない。それは、同点に追いついたのもPK だったし、勝ったのもPK 戦だったからかもしれない。確かに2本続けてPK を決めた次男は褒めてやりたいが。

試合が終わって次男が昼御飯を食べていると、その後ろを通ったR君が次男の頭を軽くポンと叩いて何か言っていた。あとで次男に聞いてみると
R君「久しぶりだな」
次男「PK 外してくれてありがとう」。
実に辛辣なことを言った次男だった。

こんなに苦労して勝ったものの、次の試合準決勝で競り負け、結局3位に終わった。
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