着物を仕立てる場合は大手の呉服店に依頼するか、個人に頼むか、自分で縫うかですよね。反物だけを安くゲット出来てもそのままでは着る事が出来ません。でも仕立て代は結構高い。持ち込みだともっと高い。そんな折にネットで安く誂えるという店に出会い、はっきり言って「恐る恐る」依頼してみました。
サイズと言うか寸法のフォームもあるのですが、自分の誂えたいサイズがない。仕方ないので以前に仕立てた時の「仕立て寸法表」をコピーして一緒に送りました。ついでに裏地と裾まわしも入れます。入金が確認されてから依頼を受けると言うメールが届きました。その際にもいろいろな事を聞かれます。反物に問題がある場合にどうするのか?長さが足りない(アンティークな反物は現代人にはちょっと短い場合もある)のでどこで調整するのか?単衣仕立ての場合襟をどうするのか?胴抜き仕立てもいろいろなやり方があるのでどうするのか?地直しをするのか、湯のしをするか、しないのか・・・・・。本当に細かく丁寧に対応してくれます。しかもミシン縫いではなく手縫いだという事だし。本当にこの金額でいいのか?と心配になってきました。というか気の毒です。
約40日という納期よりも若干短い日数で届きました。
不安と期待が入り混じりながら早速包みを開けてみると、これまた丁寧。袖や胴の部分全部に紙が入れてあり、運送中のずれを予防している様子。でも本当は着物に「紙」は禁物。何故って湿気を吸うからです。とりあえず全部の紙を取り除きながら、問題があると言われた反物を仕立てた着物に袖を通して見たら「ちゃんと」出来上がっていました。いや、当たり前なんですけどね。
反物の問題とは両端の「ヤケ」です。古い反物は色あせたり黄色に変色したりします。しかも安いのは反物の地直しや洗いをしないから・・との事。だから安く売りに出されているんです。まあ着たらそのうち洗いには出すので別にかまわないのですけど。呉服店では当たり前のことをしなくても案外大丈夫なのかも・・・・。と思ったりしました。
綿紬や浴衣は自分で縫えますがまだ「袷」の着物には不安があるので、早く自信を持って縫えるようにと人形の着物を縫いながら練習しています。和裁の教室もなかなかないのです。あっても行く暇がないし。
リーズナブルな仕立て代です。ネット上でも色々。個人でも開業している方もいます。しかし個人との取引は「保障」問題でトラブルもあるので、依頼するのは不安です。というのも「新中古」というか「未使用誂え流れ品」というものが存在するからです。仕立て上がったものが気に入らないので受け取らずキャンセルする場合もあるようです。こうなると難しい。洋服ならある程度融通も利きます。勿論着物も身丈や裄が合えばある程度どうでもいいんですけどね・・・・。何が気に入らないのか、イメージと違うのかしら?反物状態の印象と仕立て上がった状態とはかなり違ってきたりしますから・・・・。予想して買うのですが、中にはキャンセルせざるを得ない状態の事もあるようですね。しかもへたくそだったら?大切なお気に入りの反物をダメにされたら?嫌ですからね。そういう点で着物はやはり手の届かぬものになりつつあるのかもしれません。
反対にプレタものというか出来上がりの着物も増えてきました。サイズもMやL、TM、TLという現代人サイズからLLや3Lなども存在するようです。「洗える」という着物も増えて管理もしやすくなりましたが、一方で同じ着物が多数存在してしまうというデメリットもあるのです。一点物が良いんです。自分だけの着物が着たい。という着物好きは多いですからね。
とにかく一安心です。依頼したお店には感謝します。ありがとう!