Her Name Is ALICE

知り合いの話だ。
その知り合いはすごくトボケタ人で、笑いのつぼが同じでいつもクダラナイことを話している。
でも、たまにキラリと光るところを見せる人間味溢れる人だ。

昨夜一緒に飲んだ。
オイラはその人に、おとといの３．７オーバーのウエーブの話をしてあげた。
その海に〆られて悔しい思いをしたと話した。
ちょこっと熱い海への想いなど話した。
ウインドサーフィンがどういうものか説明などをした。

その人は、まずは、自分の置かれている立場をポジティブに捉えるべきだ、と言った。
僕はウインドのことを知らないが、その海にいるということは選ばれし者だと言った。

その言葉で、オイラはとてもいい気持ちになった。

その人は、オイラに読んでほしい本を紹介してくれた。
人の生き様や人生の向き合い方などを、クダラナイ話の間々に入れて教えてくれる。

オイラはある青年の話を始めた。
独りで世界を相手に戦い、病に倒れ、その人生が近い将来映画化される青年の話である。
その人はオイラの話を聞きながら、目に涙をためた。そしてとても優しい顔をした。

オイラが話し終わった後、その人はオイラに『ありがとう』と言った。
その人はその青年をバックアップしてきた人だったのだ。
続けて、ウインドサーフィンに対する熱い思いや嘆きをオイラに伝えてくれた。
そして、どうか熱いウエーブライディングをし続けてくれと言ってくれた。

オイラはその人の素性を知らずして友達でいたのだ。
素の状態で近づいた人がそういう人だったのだ。

最近、自分のバックグラウンドにとても霊的なものを感じるくらいだ。
不思議の国のアリスがオイラを意味深い世界へ導いてくれている気がする。
しかもそれは意図されているわけではない。
彼女は何も知らずしてオイラは不思議な感覚に襲われる。

その一例が鳥人間の秘密なのである。