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Surf, Run and Trails / Endurance For Fun

ALWAYS 4丁目の地蜘蛛

2007-11-03 00:25:53 | ThinkAbout..

3丁目の夕日、テレビでやっとりました。
いや~、いい映画だ。
日本の映画もええなあ。

オイラが産まれる数年前の舞台だ。
古き良き時代。OLDIES BUT GOODIES。

この映画を観ながらオイラは小学生時分を思い出した。
オイラの小学校時代の最大の思い出は、学校帰りの道草だ。

学校は駅から遠くない、どちらかといえば街の中心地にあった。
しかし、当時のことなので、まわりの道路は舗装されていても、
立ち並ぶ家々は木造の古い、しかもどの家も大きな庭があり、
なんとなく茅ヶ崎の海沿いの別荘地のようなそんな趣もあった。

いつも道草で立ち寄る一軒家があった。
見るからに廃墟に近く、幽霊屋敷みたいで庭にはお化け柳や、
ひからびた池や、コケだらけの大きな庭石があった。

その家の塀の一部が壊れていて、そこから出入り可能だったのだ。
雨戸が開いていたり閉まったりしていたので住人はいたのだろう。

何故その家の庭に侵入したかというと、
昆虫採集が高じて『地蜘蛛取り』が友達連中で流行ったからなんだ。

庭石や家の壁の地面から数センチのところに地蜘蛛の焦げ茶色の『巣』が
張り付いて地面にもぐっている。

その巣は袋状になっていて、そっと破れないように地面から引き抜くのだ。
うまく引き抜いて袋をそっと破ってやると、中から地蜘蛛がうわーっと出てくる。
それが恐ろしく気持ち悪く、その地蜘蛛を牛乳瓶に入れるのだ。

その作業を毎日学校帰りに4,5人の小学校2年のガキどもは
他人の敷地に勝手に入り込み、息を殺して作業をする。

庭にはトカゲがたくさんいて、捕獲しては翌日に、
好きな女の子の筆箱に入れたりした。
カエルを捕まえて担任の先生に渡したらたいそう喜んで、
高学年のカエルの解剖に使えるといってオイラたちは褒められた。

ある日のこと、いつも通り地蜘蛛の巣を引っ張りにその庭に入った。
みんな夢中になっていると、
突然家の中から人が出てきてオイラたち目掛けて走ってきた。
そのときの恐怖は今でも忘れない。
家の人が老人か若者か、男か女かも覚えていない。
オイラは小さな子供だったのでフランケンシュタインのような記憶がある。

オイラはいち早く敷地の外に出るため、
足を踏み入れたことのない部分を走りぬけようとした。
リーダーなオイラはみんなについて来いと言わんばかり先頭を走った。


足元は鬱蒼としていた。
突然体が、すっと下に落ちた。
肥溜めだった。

肥溜めの上は、木の枝や落ち葉で覆われていてわからなかったのだ。
なんとも言えないヌメ~っとした感じが身体を覆った。
もちろん頭まで浸かった。
肥溜めの直径は小さなものだったので、両手を縁にかけてすぐによじ登った。

友達連中は悲鳴を上げた。
誰もオイラを助けようとしなかったし、
フランケンより、クソまみれのオイラの方に恐怖を覚えたに違いない。

頭のてっぺんからつま先まで、オイラはクソと落ち葉とドロで茶色の物体と化した。
フランケンは追ってこなかった。

オイラはクソまみれになった悲しみと、逃げていった友達に失望し、
泣きながら家路についた。

すれ違う街の人々は、車の風洞実験のヒモみたいにオイラを巻きながら遠ざかった。
物凄い臭気。歩くとズックにたまった液体のクソがピチャピチャする。

当然の如く、翌日学校ではウンコマンと呼ばれることになった。

懐かしくも臭い思い出だ。
古き良き時代。

肥溜めに落ちることを思えば、台風ライドなど屁だな。

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