グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

農産物の質と量は反比例する。

2014-11-27 02:23:57 | Weblog
農産物の質と量は反比例する。

大規模栽培がすすめられている昨今や、天候不良で不作がちであった
本年に対する参考として・・・2010年の記事ではありますが、よ
ろしかったらご参考に。

 ↓

質の高い収穫物を、できればたくさん、同じ時期に収穫すること、
これが農業では大事になります。

しかし農業の世界では、これがなかなかに難しいのです。一般的に

  収穫される個数・量が少なければ、品質は上がる
  収穫される個数・量が多くなれば、品質が下がる

というのが、農業の常識となります〔ことのほか高品質を謳った農法で
は収穫量についての説明があまりないのはこのよな理由によります
〕。

では、具体的に作物の量ではなく、収量を犠牲にして おいしさに的
を絞った栽培法にはどのようなものがあるのでしょうか。

そんな栽培方法として、たとえば生産物の味が重視されることの多い
果樹栽培では『根域制限栽培』という栽培法などがあります。

この根域制限栽培・・・、なにかむずかしそうな名前でしょう。

でも 実際はとても簡単。ようは鉢栽培です/笑。果樹を、大地に植え
るのではなく、鉢に入れて栽培する。結局大きな植木鉢栽培なんです。
また根を通さない遮根シートという名前のシートを樹の周りに埋設する
ことによって果樹の根が広がらないようする栽培方法もあります。これ
もまあ、広い意味でいえば鉢栽培の一種といってもよい。そうするこ
とで樹を小さくつくるわけです。

いま人気のマンゴーなどは、ほとんどこれらの栽培方法がとられます。

根が 肥えた土に伸び続けていくと、栄養が過多となり 実を作るほう
にちからがはいらなくなってしまいがちになってししまうので、それを
鉢にいれることやシートを使うことで防いでいるわけです。根の伸びる
範囲を制限してしまうことで、いわゆる実がならないツルボケ状態にな
るのを防止していることになりますね。

ということで今回は、農産物の質と量は反比例することが多い傾向にあ
るという おはなしでした[品質にあまりこだわらなければ農産物を多
収できるというおはなしでもありました
]。


◎ 根域制限栽培をすることによって、果実は早く実ります。
  これもまた、この栽培法の大きな魅力だといえますね♪

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg 「夢で終らせない農業起業」「 本当は危ない有機野菜