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米国でのサルモネラ菌による食中毒について。

2015-09-29 19:01:26 | Weblog
米国でのサルモネラ菌による食中毒について。


ニュースの配信時点で「3人死亡、558人発症。全米で拡大している
サルモネラ菌が原因とみられるキュウリに関連した食中毒」です[ニ
ュースは こちら]。
そこで今回は、米国においての過去のサルモネラによる食中毒について
の当ブログ記事[2010年の北海道岩見沢市でおきたサルモネラ食中
毒に関する記事の一部
]を掲載してみました。
ニュース中で注目したいのは、食中毒についてオバマ大統領が自らコメ
ントしている点ですが・・・国民の健康に熱心であるのだなと感心する
いっぽうで、大統領自らコメントせねばならないほどに食中毒が多いの
だろうなと思ってみたり。
とにもかくにも2010年の記事ですが、よろしかったら、ご参考に。

 ↓

『増加しているサルモネラ菌による食中毒について』から抜粋

■ ニュース1 『オバマ政権、「食の安全確保」への取り組みを強化』

豚インフルエンザ勃発で食への不安が世界中を駆け巡っている。食品汚染の
報道が頻発する米国では、この3月にも、オバマ大統領が「食の安全確保」に
向けた取り組みの強化に乗り出したばかり。米国における食品汚染の現状、
食の安全に関する最新世論調査の結果を報告する。

サルモネラ菌汚染で食品を回収」・・・今年1月、クッキー、クラッカー、
 アイスクリームなど菓子原料用のピーナッツバターを製造するピーナッツ
 コーポレーション・オブ・アメリカが自社商品の回収に踏み切った。同社
 のピーナッツバター使用の食品がサルモネラ菌汚染の恐れがあると指摘さ
 れた。 米疾病予防管理センター(CDC)によると、前年9月から今年
 1月までに、全米46州で683人がサルモネラ菌に感染、9人が死亡し
 たという。」

というニュースに代表されるように米国ではここ数年、こうした食品汚染の
報道が頻発している。
そうした中、オバマ大統領は3月、週末の国民向け演説で、食品汚染への不
安を払しょくするため、大幅な予算の計上や「食品安全作業部会」の新設な
ど、食品の安全対策に本腰を入れることを明らかにした。

演説では、「食の安全確保」に関わる既存のシステムの問題点を次のように
指摘した。「米国の食品安全管理システムは効率的に機能していない。食の
安全に関わる連邦と州ごとの関係官庁があまりに多すぎて、相互の情報交換
が難しくなっている」 として、厚生長官と農務長官をトップに、関係官庁
の幹部で構成する食品の安全強化に向けた作業部会を新設。これにより、省
庁間の連携強化を図り情報交換をスムーズにし、法の見直しなど行う。
また、農務省は病気の牛が食品として市場に出回らないよう、流通の「抜け
穴」を防ぐ対策をとる。さらに、10億ドルを投じて食品医薬品局(FDA)
の食品検査官の大幅な増員など行う。

大統領によると、米国で食の安全に関する法律はルーズベルト大統領時代に
作成されて以来変わらず、ブッシュ政権下においてはFDAの資金および人
員とも不足していたという。食品汚染による食中毒は1990年代には年間
100件ほどだったが、現在では350件にまで急増している。にもかかわ
らず全米にある約15万の食品加工工場のうち検査を受けているのは、年間
わずか5%という。

大統領は演説で、「こうしたことは許せない」と強調し、法整備に向け、F
DA局長にマーガレット・ハンバーグ元厚生次官補(53)を起用する意向
を示した。ハンバーグ氏は、医師および生物テロ対策の専門家で、クリント
ン政権時代には流感対策などに手腕を発揮した。また、FDA副局長に、小
児科医でボルティモア保健局長官ジョシュア シャーフスティン氏(39)
を起用した。

■ ニュース2 『毎年、住民の4人に1人が食品汚染の被害に 』

米国で相次ぐ食品汚染による被害。2006年には病原性大腸菌O157に
汚染されたホウレンソウで114人が感染、1人が死亡。08年にはカリフ
ォルニア州にある牛肉処理施設が自力で歩けなくなったへたり牛を処理し、
米史上最大規模の回収騒ぎとなる。

前述の1月のサルモネラ汚染に続き、3月にもサルモネラ菌汚染の疑いで
大量のピスタチオが回収された。自主回収に踏み切ったのはカリフォルニア
州にある全米第2位のピスタチオ加工業者セットンファームズ。同社から
ピスタチオを仕入れた大手食品メーカーが定期検査でサルモネラ菌を見つ
け、FDAに通報した。

CDCでは、米国では毎年、サルモネラ食中毒で約140万人の患者が出
ており、1万5000人が入院、400人が死亡していると推定
している。
妊婦や子供、高齢者、病気などで免疫力が低下している人々は、感染の危
険が高いという。

米国では毎年、約7600万人が食中毒で体調を崩している。つまり、住
民の4人に1人が食品汚染の被害を受けていることになる。うち、約32
万5000人が入院、約5000人が死亡。食中毒による年間医療費は
440億ドルにのぼるといわれている。

■ ニュース3 『83%が食品汚染を懸念』

昨年の秋に行なわれたConsumer Report National Research Center
の調査では、アメリカ人の73%が「米国内で販売されている食品は安全
だと思っている」と答えている。その一方で、「信頼感は薄れている」が
43%、「食品汚染を懸念」が83%という結果も出ている。

また、政府の取り組みについては、54%が「政府が食の安全確保のため
最善を尽くしていると信じている」と答えてはいるが、「輸入食品の安全
性を心配している」が81%。

現在、FDAは、国内の食品製造工場については5年から10年に1回、
海外についてはそれ以下の頻度で検査を行っている。上記調査の回答者の
3分の2は、「国内外ともに少なくとも月に1度は検査してほしい」と望
んでいる。また、FDAに対して食品汚染の情報公開を望む声も高い。

・・・以上です。


◎ 北海道岩見沢市での食中毒被害に遭われておられる皆さまに
  置かれましては御見舞い申しあげると共に、1日でも早いご
  快癒をお祈りいたしております。

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