グリーンブレーカーズ by 高木肥料店

農業の現場の おはなしなどなど。

ウイルス病。『ネズミ一匹でも大山鳴動』な時代へ 。

2018-11-26 16:45:29 | Weblog
ウイルス病。『『ネズミ一匹でも大山鳴動』な時代へ 。

“まえぶれや騒ぎが大きいわりには、実際の結果の小さいこと”をたと
えたことわざに 「大山鳴動して鼠一匹」 というものがあります。
大きい山が音を響かせ揺れ動くので、大噴火でも起こるのかと見守っ
ていると、小さな鼠がたった一匹出てきたにすぎなかった
』という意味
あいになりますね。

しかしですね、家畜の大量飼育があたりまえのことになっている現在、
これからこのことわざは、『鼠一匹でも大山鳴動』と直さねばならない
ような気配ですよ。

ということで大陸から渡り鳥がやってくる時期になると発生が心配され
る鳥インフルエンザに関する昨年2011年の関連の新聞記事のご紹介
となります。豚コレラとは ちがいますけれど、よろしかったら ↓ 
ご参考に。


『鹿児島・出水の鶏舎、「ネズミが感染経路か」疫学調査チーム結論』

出水市の採卵鶏農場で発生した鳥インフルエンザの感染経路などを調べ
ている県の疫学調査チームは14日、県庁で会合を開き、調査内容をと
りまとめた。発生鶏舎内でネズミの死骸やフンが見つかったことなどか
ら、ネズミがウイルスを運んだ可能性がある、と結論づけた。
会合は非公開。座長の高瀬公三鹿児島大教授(家禽疾病学(かきんしっ
ぺいがく))によると、感染経路について野鳥、人、空気感染などの可
能性を検証したが、いずれも否定。鶏舎からネズミ1匹の死骸と多数の
フンが見つかり、モグラの穴が鶏舎の内外に複数あったことから「ネズ
ミがモグラの穴を通り侵入してウイルスを運んだと断定はできないが、
可能性を否定できない」と結論づけた。未消毒の井戸水が鶏の飲用に使
われていたが、高瀬教授は「ウイルスは水で繁殖できず、井戸は密閉さ
れていたため、感染源と考えづらい」とした。


そして2009年4月には、こんな動物に関する発表もありました。

国内の野生のアライグマが高病原性鳥インフルエンザに感染』

国内の野生のアライグマが高病原性鳥インフルエンザウイルス(H5
N1型)に感染していたことが、東京大医科学研究所と山口大の調査で
わかった。野生動物の感染は、国内ではこれまで鳥類では報告されてい
たが、哺乳(ほにゅう)類は初めて。宇都宮市であった日本獣医学会で
4日、発表した。
東京大医科研の堀本泰介准教授らは、西日本の3地域と東日本の1地域
で05年以降に捕獲されたアライグマ988匹の血液を調べた。その結
果、10匹の血液から、過去にH5N1型に感染したことを示す抗体を
検出した。 これらの10匹がいた3地域のうち2地域は、ニワトリや野
鳥の感染が報告されていない地域だった。
発症して死んだ渡り鳥などを食べて感染した可能性が考えられるという。
養鶏場での発生がなくても、国内にウイルスが持ち込まれている可能性
を示した。
堀本さんは「感染率が1%と低く、アライグマ間での感染拡大は考えに
くいが、養鶏場への感染源になる恐れはある。ウイルスの侵入防止策を
再確認すべきだ」と話す。
国内の野生動物のH5N1型感染は、ハシブトガラス、クマタカ、オオ
ハクチョウの鳥類3種で確認されていた。アライグマは北米原産で、ペ
ットとして輸入され、野生化した。雑食で繁殖力が強く、国の特定外来
生物に指定され、駆除が行われている。
大槻公一・京都産業大教授(獣医微生物学)は「海外ではネコ科などの
哺乳類の感染が報告されており、国内で見つかっても不思議ではない。
野生動物はほかの病原体をもっていることも多く、むやみに接触しない
ことが大事だ」と指摘する。


以上です。


晴れ 窓というものがない最新式のウインドレス鶏舎でも感染がおこった
  ケースもあります。そうなると、ネズミやアライグマなどの小動物
  原因説には、充分に説得力
があると考えられそうです。

51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜





増え続ける野生イノシシの豚コレラ感染。

2018-11-26 16:23:36 | Weblog
増え続ける野生イノシシの豚コレラ感染。

岐阜市の野生イノシシの豚コレラウイルス感染頭数が確認されているだけで
も50頭に達したということで、この問題の参考として10月12日の当ブ
ログ記事の採録です。よろしかったら、ご参考に。

 ↓

​​​​『イノシシが県境からでないのなら話はべつですけれど。​』​


10月10日の日経の新聞記事によると・・・県議会の答弁で「拡散範囲は
かぎられているのではないか」と、野生イノシシの行動範囲について強調さ
れて答弁されたという古田肇岐阜県知事。記事は ​こちら​。

しかし岐阜で発生した豚コレラウイルスに感染した野生イノシシについての
農水省資料を見れば、

 野生イノシシの調査捕獲区域[地図は​こちら​]が限られている

という現実があり、また実際に感染したことが確認されたイノシシの頭数も
12日時点でいまや20頭に増えているわけなのですから、その知事発言は
あまりに希望的観測すぎる[はっきりいえば甘すぎ!] といえます。

それはそうでしょう、研究者によれば豚コレラウイルスは

 ● 猪だけでなく農場やたい肥置き場に出入りする小動物からも感染する
 ● ヒトの履いている靴の、靴底の土からも感染する

というのはもとより

 ● 生肉類はもちろん、ハムやソーセージの加工品からも感染する

と まるで妖怪のようにも[​こちら​] いわれているのですから。

したがって前述の封じ込めのリーダーであるはずの知事発言は、せめて

 農場に出入りする野生イノシシを防ぐために岐阜県内で貸し出しをは
 じめていたという柵だけではなく、小動物の侵入を防ぐメッシュの金
 網を岐阜県内のすべての養豚場に設置する

などといった対策が終わったあと[もちろん調査捕獲区域も広げたうえ
で]に言ってほしかったな と思うのです。なんといっても発病がおこ
っていた段階での初動対応にミスがあったと 岐阜県自らが認めてもい
たはず[​こちら​]なのですから。

まあ、[むかし話にでてくる鳥と話せる聞耳頭巾のような]野生のイノ
シシに向かって県境からはでないでねなんて話せる頭巾を、古田知事が
お持ちでしたらば話はもちろんべつになるのですけれどね。


晴れ 届け出伝染病であるPEDこと豚流行性下痢でさえ、いまだに
  克服できていない現実[​こちら​]があるのですから、よけいに
  豚コレラは 心配にもなります。
  
  51P4M6yKWYL__SL500_SS75_.jpg夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜