豚コレラウイルスのこれ以上の拡散を防ぐためにも。
岐阜市におけ豚コレラの問題で、11月15日に岐阜市の畜産センターの
公園の豚2頭から豚コレラウイルスの陽性反応が出たのだそうですね。
報道によれば
市畜産センター公園は、市民が動物と触れ合える憩いの場で、豚は
出荷もされている。岐阜県などによると15日午後、獣医師から
「豚の元気がなくなり、熱が出ている」と県中央家畜保健衛生所に
連絡があった。県の検査で陽性と判定され16日未明から防疫措置
に着手した
などと さらっと書いてありますが、民間よりもちからをいれておかねば
ならない、防除のお手本ともなるべき 公/おおやけの施設から現実に2例
目の感染を出してしまったわけですから、なんともびっくりというか く
ちあんぐりというか、驚かざるを得ない事態になっているようで 農業関
係者のひとりとしては じつに不安になってしまいます。
なんでまたそんなことに・・となった この岐阜市畜産センターの豚コレ
ラの感染の起こった原因ですが、
● 豚舎周辺だけが衛生管理区域に設定されており、関係者が行き
来する飼料や堆肥置き場が衛生管理区域に設定されていなかったこと
● 豚コレラに感染した野生猪の存在がセンター周辺で確認されて
いたにもかかわらず、公園エリアと畜産エリアで共通の機械が
使用されており、 その機械類を衛生管理区域で使用する際に
洗浄・消毒が行われていない事例もあったこと
● 飼養管理者等が豚舎に入る際に専用の衣服を着用しておらず、
作業用の長靴を消毒のみで豚舎で使用していた場合があること
などが確認されているといいますから、これなら感染しても当然というか、
むしろよくいままで 感染・発症しなかったなあ・・と逆に感心してもしま
います。 なんといっても豚コレラウイルスは
● 猪だけでなく農場やたい肥置き場に出入りする小動物からも感染
● ヒトの履いている靴の、靴底の土からも感染する
というのはもとより
● 生肉類はもちろん、ハムやソーセージの加工品からも感染する
[実際に日本の空港などでは探知犬も活躍しているんですよ]
と いうのが定説であり、常識であるのですからね。・・・そういったこ
とから考えれば、
農水省のページなどで公開されている野生のイノシシの豚コレラウイルス
感染個体数が増加し続けてなかでの この岐阜市の畜産センターのとって
いた対策って・・・なんとも不可解としかいいようがない気がします。。
たとえばですが、ウイルス病対策のいち例として、宮崎県の養鶏関係者では
現場の鳥インフルザ対策として
● 鶏舎内にはいるときはその鶏舎専用の作業服や靴を用意する
● ウイルスを持っているかもしれない野生の鳥のフンが落ちてくる
のを警戒して作業服などの洗濯物を戸外で干さない
● 定期的に巡回して鶏舎への小動物の侵入防止策を徹底する
といった対策をとるのはしごくあたりまえというか、当然というか、そんな
かんじで防除している現実がありますから。
とはいったものの、でちゃったものはしかたない。・・・豚コレラウイルス
が日本全土に拡散していくことがないように、そしてこれ以上のブタの生命
や 野生のイノシシたちの間の感染拡大をすこしでも減少させていくために
も岐阜の関係者のみなさまには、
今後のウイルス対策をしっかりきっちり実行されてくださることをお願いし
たいと思います。
ちなみにこちらは 宮崎の口蹄疫発生時の、防疫の初動が遅れた
経緯をご紹介した回です。参考にしていただければ さいわいです。
「夢で終らせない農業起業」「本当は危ない有機野菜」